美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω78
「くそっ!」
そういって壁を叩く。自分がふがいなくてしょうがない。あんな子供に囮を任せた事……それが伸し掛かってる。自分でもよかった筈だ……けどユングはその身を差し出して犠牲になった。一縷の望みにかけたあんな事を言ったが、それが限りなくゼロなのはわかってる。
ユングの犠牲のおかげで、なんとか世界樹の根から隠れる事が出来た。今は建物の地下室に私たちは逃げ込んでる。
「そっか……うん」
何やらさっきからラーゼ様はあらぬ方向を見て何かささやいてる。ちょっと怖い。ラーゼ様には私たちには見えない何かが見えてる? 車長さんは絶望してる。この状況なら仕方ない。実際に絶望的な状況だしね。何とか隠れれたが、ここからどうすればいいのか……全く見当もつかない。
なにせ相手は世界樹だ。この星その者と言える相手。大きすぎる。ユングの犠牲を無駄にするわけにはいかない。けどどうすればいいのか?
「落ち着いた?」
「はい……すみません」
「怪我してるよ。けど流石に今はちょっと直して上げれないや。まだマナをブーストした影響あるでしょ?」
「そう……ですね」
ラーゼ様の言う通り、私は体に倦怠感を感じてる。これだけで済んでるのが実は結構凄いらしいが、目に見えない部分はかなりガタが来てると自分ではわかる。それだけ自分に過ぎたマナは毒って事なんだろう。
このまま回復できないと、私は足手まといになってしまう。そうなったら、次は私だ。その時はありったけのマナをこの身に宿してもらって思いっきり暴れよう。
それこそ星を壊す程のエネルギー一瞬でも使えれば、勝機はあるかもしれない。星が相手なら、その星を壊してしまえばいい。今はそれが出来ないが、もう命を賭してって状況ならそれが出来る。
「これから……どうしましょうか?」
わざわざユングの事を出す事はしない。だって結果はわかってる。今は私たちがこうやって無事でいれるのはユングのおかげ。その結果を共有してるんだからそれで十分なんだ。問題はこれからだ。ユングの命を無駄死にしない為にもこれからの事が大切。
「そうだね……」
「ラーゼ様には星を破壊する術があるんですか?」
「ない事もない……けど、ここでそれをやるのは難しいわね。なにせここは敵の本拠地だし」
「そうですよね……」
あまりにも状況が悪すぎて、良い手なんて浮かんでこない。この星には私たち三人しかいないんだ……うん?
「そういえばこの街の住人達はどこに行ったのでしょうか?」
「確かに結構いた様に見えたけど、崩壊してる時は人っ子一人みなかったわね」
疑問だ。この都市だって最初見た時はちゃんと生きてる様に見えた。なのに……今はゴーストタウンと化してる。これだけの都市だ。何千、何万といても不思議じゃない。なのに、その影はどこにもない……これはいったいどういう事なんだろう?
おかげでそいつらに見つかるって事は無さそうだけど、不気味だ。この反転した世界樹の星で、生きてたであろう命がさっぱりなくなってる。本当に不気味すぎる星だと思った。
そういって壁を叩く。自分がふがいなくてしょうがない。あんな子供に囮を任せた事……それが伸し掛かってる。自分でもよかった筈だ……けどユングはその身を差し出して犠牲になった。一縷の望みにかけたあんな事を言ったが、それが限りなくゼロなのはわかってる。
ユングの犠牲のおかげで、なんとか世界樹の根から隠れる事が出来た。今は建物の地下室に私たちは逃げ込んでる。
「そっか……うん」
何やらさっきからラーゼ様はあらぬ方向を見て何かささやいてる。ちょっと怖い。ラーゼ様には私たちには見えない何かが見えてる? 車長さんは絶望してる。この状況なら仕方ない。実際に絶望的な状況だしね。何とか隠れれたが、ここからどうすればいいのか……全く見当もつかない。
なにせ相手は世界樹だ。この星その者と言える相手。大きすぎる。ユングの犠牲を無駄にするわけにはいかない。けどどうすればいいのか?
「落ち着いた?」
「はい……すみません」
「怪我してるよ。けど流石に今はちょっと直して上げれないや。まだマナをブーストした影響あるでしょ?」
「そう……ですね」
ラーゼ様の言う通り、私は体に倦怠感を感じてる。これだけで済んでるのが実は結構凄いらしいが、目に見えない部分はかなりガタが来てると自分ではわかる。それだけ自分に過ぎたマナは毒って事なんだろう。
このまま回復できないと、私は足手まといになってしまう。そうなったら、次は私だ。その時はありったけのマナをこの身に宿してもらって思いっきり暴れよう。
それこそ星を壊す程のエネルギー一瞬でも使えれば、勝機はあるかもしれない。星が相手なら、その星を壊してしまえばいい。今はそれが出来ないが、もう命を賭してって状況ならそれが出来る。
「これから……どうしましょうか?」
わざわざユングの事を出す事はしない。だって結果はわかってる。今は私たちがこうやって無事でいれるのはユングのおかげ。その結果を共有してるんだからそれで十分なんだ。問題はこれからだ。ユングの命を無駄死にしない為にもこれからの事が大切。
「そうだね……」
「ラーゼ様には星を破壊する術があるんですか?」
「ない事もない……けど、ここでそれをやるのは難しいわね。なにせここは敵の本拠地だし」
「そうですよね……」
あまりにも状況が悪すぎて、良い手なんて浮かんでこない。この星には私たち三人しかいないんだ……うん?
「そういえばこの街の住人達はどこに行ったのでしょうか?」
「確かに結構いた様に見えたけど、崩壊してる時は人っ子一人みなかったわね」
疑問だ。この都市だって最初見た時はちゃんと生きてる様に見えた。なのに……今はゴーストタウンと化してる。これだけの都市だ。何千、何万といても不思議じゃない。なのに、その影はどこにもない……これはいったいどういう事なんだろう?
おかげでそいつらに見つかるって事は無さそうだけど、不気味だ。この反転した世界樹の星で、生きてたであろう命がさっぱりなくなってる。本当に不気味すぎる星だと思った。
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