美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω77
(行ったか……)
ラーゼ様達の姿は直ぐに見えなくなった。連絡手段もない今、土地勘もないここではもう一度合流するなんて事はとても難しいだろうな。
(まあ、そんなチャンスはきっとないだろうけど……)
そんな事を思ってると真上から根が降ってくる。それを素早くかわす。けど今度は瓦礫の中からそれらを意に介さず別方向から根がくる。それを咄嗟に腕を交差してて防御した。けどその勢い、威力に体が押されて後方の瓦礫へと突っ込んだ。
勢いが止まった時、自分はまだ生きていた。本当なら死んでる筈だ。体はちぎれて、色んな中身をぶちまけて本当なら原型なんて留めてない筈。それくらい、人種の体は脆い。けど、僕は僅かな痛みを感じるくらいで済んでる。
これがマナを大量に抱えるという事。それだけで体は頑強になり、生命力が飛躍的に上昇する。
「うおおおおおおおおお!!」
握った拳。それに力を籠めると、いつも通りの筈なのに血管から血が噴き出す。頑強になってる筈だ。けど、もともと柔い人種の体では大量のマナにそもそも耐えられない。自分の命の時間は長くない。そう思いながら根を叩く。
信じられない力だった。確かに自分は鍛えてるから、他の人種の何もしてない人よりは強いだろう。けどそれでも常識内の力しかない。けど、今の拳はどうだ? 自分の数倍……いや数十倍はある世界樹の根がただの一撃で吹っ飛んだ。
「はは……」
思わず変な笑い声が出る。そして今も逃げてるであろうラーゼ様達を思う。
(派手に……自分が派手にやるだけあの方が助かるんだ」
自分にとっての初恋だったと思う。好きな人の為に命をささげる。それはとても馬鹿らしく、そして誇らしい事じゃないか。よくしてくれたカタヤ様や、キララ様には申し訳ないが、自分はやっぱりこれからのあの二人の間にはいない方がいいと思う。
ラーゼ様へのこの思いも、叶う物じゃなかった。結局、自分の事は弟みたいな目線でしか見てもらえなかったし……それでもいままでは十分と思ってたが、こうなると後悔が残る物だ。
「いや、どうせ無理か」
そういって迫ってくる根を両手でつかんで止めて、引きちぎる。そんな中、地面が盛り上がって空中に投げ出される。空中ではたかれて壁に激突させられ、更につっこで来た根に地面にうめられた。そして身動きできない所をバシバシと叩かれてどんどん埋まってく。
意識が飛びそうだ。いや、きっと飛んだ方が楽になれるだろう。どんどんマナが無くなっていくのがわかる。死はもうすぐそこまで迫ってる。それでも一秒でも長く、こいつらの気を引く……あの人の……好きなあの子の為に!!
「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお好きだあああああああああああ!!」
片手で根を止めてそいつの勢いで地面から脱出、そして今度はこっちが連続してパンチをお見舞いした。全身から血が流れ出てる。視界は赤く染まり、殆ど見えない。足の感覚はなく、息をする度に体内で変な音がしてた。ダメージは確実に蓄積されてる。
でも……もう、そんなのはかんけいない。僕は死ぬまで、その瞬間までこの世界に牙を向こう。それが自分の生きた証。そしてラーゼ様達が生きてこの星から出る事が出来れば、それが自分たちの勝利なんだ。その最初の柱に……
ラーゼ様達の姿は直ぐに見えなくなった。連絡手段もない今、土地勘もないここではもう一度合流するなんて事はとても難しいだろうな。
(まあ、そんなチャンスはきっとないだろうけど……)
そんな事を思ってると真上から根が降ってくる。それを素早くかわす。けど今度は瓦礫の中からそれらを意に介さず別方向から根がくる。それを咄嗟に腕を交差してて防御した。けどその勢い、威力に体が押されて後方の瓦礫へと突っ込んだ。
勢いが止まった時、自分はまだ生きていた。本当なら死んでる筈だ。体はちぎれて、色んな中身をぶちまけて本当なら原型なんて留めてない筈。それくらい、人種の体は脆い。けど、僕は僅かな痛みを感じるくらいで済んでる。
これがマナを大量に抱えるという事。それだけで体は頑強になり、生命力が飛躍的に上昇する。
「うおおおおおおおおお!!」
握った拳。それに力を籠めると、いつも通りの筈なのに血管から血が噴き出す。頑強になってる筈だ。けど、もともと柔い人種の体では大量のマナにそもそも耐えられない。自分の命の時間は長くない。そう思いながら根を叩く。
信じられない力だった。確かに自分は鍛えてるから、他の人種の何もしてない人よりは強いだろう。けどそれでも常識内の力しかない。けど、今の拳はどうだ? 自分の数倍……いや数十倍はある世界樹の根がただの一撃で吹っ飛んだ。
「はは……」
思わず変な笑い声が出る。そして今も逃げてるであろうラーゼ様達を思う。
(派手に……自分が派手にやるだけあの方が助かるんだ」
自分にとっての初恋だったと思う。好きな人の為に命をささげる。それはとても馬鹿らしく、そして誇らしい事じゃないか。よくしてくれたカタヤ様や、キララ様には申し訳ないが、自分はやっぱりこれからのあの二人の間にはいない方がいいと思う。
ラーゼ様へのこの思いも、叶う物じゃなかった。結局、自分の事は弟みたいな目線でしか見てもらえなかったし……それでもいままでは十分と思ってたが、こうなると後悔が残る物だ。
「いや、どうせ無理か」
そういって迫ってくる根を両手でつかんで止めて、引きちぎる。そんな中、地面が盛り上がって空中に投げ出される。空中ではたかれて壁に激突させられ、更につっこで来た根に地面にうめられた。そして身動きできない所をバシバシと叩かれてどんどん埋まってく。
意識が飛びそうだ。いや、きっと飛んだ方が楽になれるだろう。どんどんマナが無くなっていくのがわかる。死はもうすぐそこまで迫ってる。それでも一秒でも長く、こいつらの気を引く……あの人の……好きなあの子の為に!!
「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお好きだあああああああああああ!!」
片手で根を止めてそいつの勢いで地面から脱出、そして今度はこっちが連続してパンチをお見舞いした。全身から血が流れ出てる。視界は赤く染まり、殆ど見えない。足の感覚はなく、息をする度に体内で変な音がしてた。ダメージは確実に蓄積されてる。
でも……もう、そんなのはかんけいない。僕は死ぬまで、その瞬間までこの世界に牙を向こう。それが自分の生きた証。そしてラーゼ様達が生きてこの星から出る事が出来れば、それが自分たちの勝利なんだ。その最初の柱に……
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