美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω73
「うおおおおおおおおおお! あの野郎どもぶっころしてやるうう!!」
「ええ……」
いきなりの豹変ぶりに私達はついていけないよ。列車の惨状を見て車長さんがキレた。マスクしてるから顔は見えないが今の断末魔からしてヤバイ顔してると思う。けど不思議な事に誰もいない。いや、それだった物ならあるんだ。つまりはさっきまで私達が見た人たちの鎧というか、体というか、そんなのが地面に転がってる。
「このお! このクソ野郎があああ!」
やり場のない怒りを転がってる鎧にぶつける車長さん。あんな人だったかな? 穏やかで優しい人だった気がするんだが……ほんとうに同一人物かと疑いたくなる豹変ぶりだ。
「クリエイトだってアンティカ壊されたらああるんじゃない?」
「それは……まあ確かに?」
「なら同類じゃん」
ラーゼ様が冷静にそういってくる。なるほど、彼にとっての列車はわたしにとってのアンティカって事か。それなら理解できるし、共感できる。そんな事を思ってると、どんどんと地面から根が出てくる。そしてそのせいで、とても高い、それこそ見上げるだけで首が痛くなるような建物が土台が傾いた事で脆く崩れ去る。
しかもどれも大きくて高いから、その影響がヤバイ。連鎖的にこの都市と呼べる場所が崩壊しだす。
「走れ! ここはヤバイ」
「けどユング、流石に人の足が無理じゃない?」
ユングは車長さんを無理矢理引っ張り出したが、あたりはもう滅茶苦茶だ。ここは結構都市の中の方だった。これを想定して私達をここに誘ったのだとしたら、逃げるのは難しい。列車だって壊されたし、この外で乗り物でも調達しないと、確実に私達はここで世界樹の根に潰されるか、建物に潰されるかのかどちらかだろう。
とりあえず走るしかない。私は相変わらずラーゼ様を背負ってる。今の状況でラーゼ様を下ろすなんて事はできない。地面が断続的に揺れて走りづらいったらない。真下から根が出てくるかもしれない恐怖もある。それに次々と根が出てきてるから、地面には亀裂がいくつも入ってる。
足を取られない様に注意しないと、下手したらすぐに転んでしまうだろう。
「あそこから出れそうだ!」
思ったけど、ユングの口調も変わってる。多分余裕がないから取り繕う暇がないんだろう。ユングだ指し示す方向を見ると、確かに壁が崩れて外がみえてる。外も別に安全じゃないが、逃げるべき道はきっとある。ここに留まっても死ぬだけなら、脚を動かし続けるしかない。
けどその時、ひと際大きな音が立て続けに起こった。上を見れば、大きな建物の一つが別の建物を倒し、それが更に別の建物を倒すみたいな連鎖を起こしてた。そしてそれは運悪く私達の近くの建物にも連鎖した。倒れだす建物。倒れ切る前にもぶつかってきた建物の衝撃で沢山の危ない物が降ってくる。それはガラスであったり、建物の残骸であったりと様々だ。
けどそんな細々としたものなんか目じゃない物が降ってくる。
「走れええええ! 走れ走れええええええええ!!」
ユングが目いっぱいの声でそういう。これには流石に列車を気にしてた車長さんも全力で走り出した。今待てはユングが引っ張ってたが、自力で走り出した事で二人ともスピードが上がる。私もそれについていく。普通に走ればきっと私がこの中では一番速い。
けど、今はラーゼ様を背負ってる。これが精いっぱい。間に合うかなんかわかんない。けど、今の私達には走るしかなかった。わき腹が痛くても、脚が棒の様に感じるようになっても足を動かし続けないと、止まったらそれは死だ。なら走るしかない。
「ええ……」
いきなりの豹変ぶりに私達はついていけないよ。列車の惨状を見て車長さんがキレた。マスクしてるから顔は見えないが今の断末魔からしてヤバイ顔してると思う。けど不思議な事に誰もいない。いや、それだった物ならあるんだ。つまりはさっきまで私達が見た人たちの鎧というか、体というか、そんなのが地面に転がってる。
「このお! このクソ野郎があああ!」
やり場のない怒りを転がってる鎧にぶつける車長さん。あんな人だったかな? 穏やかで優しい人だった気がするんだが……ほんとうに同一人物かと疑いたくなる豹変ぶりだ。
「クリエイトだってアンティカ壊されたらああるんじゃない?」
「それは……まあ確かに?」
「なら同類じゃん」
ラーゼ様が冷静にそういってくる。なるほど、彼にとっての列車はわたしにとってのアンティカって事か。それなら理解できるし、共感できる。そんな事を思ってると、どんどんと地面から根が出てくる。そしてそのせいで、とても高い、それこそ見上げるだけで首が痛くなるような建物が土台が傾いた事で脆く崩れ去る。
しかもどれも大きくて高いから、その影響がヤバイ。連鎖的にこの都市と呼べる場所が崩壊しだす。
「走れ! ここはヤバイ」
「けどユング、流石に人の足が無理じゃない?」
ユングは車長さんを無理矢理引っ張り出したが、あたりはもう滅茶苦茶だ。ここは結構都市の中の方だった。これを想定して私達をここに誘ったのだとしたら、逃げるのは難しい。列車だって壊されたし、この外で乗り物でも調達しないと、確実に私達はここで世界樹の根に潰されるか、建物に潰されるかのかどちらかだろう。
とりあえず走るしかない。私は相変わらずラーゼ様を背負ってる。今の状況でラーゼ様を下ろすなんて事はできない。地面が断続的に揺れて走りづらいったらない。真下から根が出てくるかもしれない恐怖もある。それに次々と根が出てきてるから、地面には亀裂がいくつも入ってる。
足を取られない様に注意しないと、下手したらすぐに転んでしまうだろう。
「あそこから出れそうだ!」
思ったけど、ユングの口調も変わってる。多分余裕がないから取り繕う暇がないんだろう。ユングだ指し示す方向を見ると、確かに壁が崩れて外がみえてる。外も別に安全じゃないが、逃げるべき道はきっとある。ここに留まっても死ぬだけなら、脚を動かし続けるしかない。
けどその時、ひと際大きな音が立て続けに起こった。上を見れば、大きな建物の一つが別の建物を倒し、それが更に別の建物を倒すみたいな連鎖を起こしてた。そしてそれは運悪く私達の近くの建物にも連鎖した。倒れだす建物。倒れ切る前にもぶつかってきた建物の衝撃で沢山の危ない物が降ってくる。それはガラスであったり、建物の残骸であったりと様々だ。
けどそんな細々としたものなんか目じゃない物が降ってくる。
「走れええええ! 走れ走れええええええええ!!」
ユングが目いっぱいの声でそういう。これには流石に列車を気にしてた車長さんも全力で走り出した。今待てはユングが引っ張ってたが、自力で走り出した事で二人ともスピードが上がる。私もそれについていく。普通に走ればきっと私がこの中では一番速い。
けど、今はラーゼ様を背負ってる。これが精いっぱい。間に合うかなんかわかんない。けど、今の私達には走るしかなかった。わき腹が痛くても、脚が棒の様に感じるようになっても足を動かし続けないと、止まったらそれは死だ。なら走るしかない。
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