美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω72
「うわああああああああああああああああああああ!」
ボコボコと地面がうなる。そして現れる大きな根。それは怒ってるのか、とても激しく動いてる。そして厄介な事に私達が原因じゃないのに、こっちを狙ってくる事だ。しかもどうやらラーゼ様を狙ってる? 私達に迫ってくる根は大概ラーゼ様に向かう。
寧ろ私やユングや車長さんには目もくれないといってもいい。そもそも目なんてないんだが……多分だが、この根はマナを感じてるんだと思う。だから私達は認識さえされてないと思える。そもそもが人種のマナなんて他種族に比べたら微量と呼べるものだ。
だから根は私達には見向きもしない。私達は食事にすらなってないんだろう。けどラーゼ様は違う。この中で一番小さいが、一番のマナをその身に宿してるお方だ。多分あの攻撃した鎧もこうなるとわかってたからあんな事をやったんだろう。
攻撃した所で世界樹の根はラーゼ様に向くとわかってたからあんな事を……
「もう少しです!」
結局の所、私達はラーゼ様に守られていた。なんて言ったって武器もなく、そして相手は巨大な根だ。私の即席魔法が効く相手ではない。敵はこの星その物と呼べる代物なんだ。だからラーゼ様がその力を使って強力な防御壁を展開して守ってくれてる。
私に出来る事はラーゼ様をおぶって走るだけだ。ラーゼ様は私達全員の命を守ってくださってる。なら、少しでもその体力を魔法に使ってもらう為に、肉体の負担を私が負担するのは当然だ。何も役に立てない護衛なら、このくらいして当然。
私は普段から鍛えてる。だからこのくらい……このくらい……いやめっちゃきついけどね! 出来ない事はない。ラーゼ様は小さく、軽い。その割には柔らかくフニフニだが、体重が存在してない訳じゃない。それにさっきも言ったように根はラーゼ様を狙ってる。だから背負ってると必然的にプレッシャーがね。
根はラーゼ様の守りを抜く事はない。けど、その恐怖は伝わってくる。それにぶつかる度にラーゼ様も消耗してるようだし、何べく速くここから離れた方がいい。そう思って足を動かす。
「ちょ!」
後ろから幾重も組み合わさった根が渦巻いて迫ってくる。多分ラーゼ様の守りを抜くために工夫してきたんだろう。その様はさながらドリル。壁を破壊しながら迫ってくるその姿は凶悪その者だった。
「クリエイト、もっと早く早く!」
「わかってます!」
バシバシと頭を叩かれながらも私は必死に脚を動かす。そしてあともうほんの一メートルまで根が迫ってた所で私達は外に飛び出した。けどそれで終わりなんかじゃない。直後背後から私達を貫こうとして来てた根も入り口を破壊させて出てきた。てか、そこら中に根が出現してる。
「早く列車に! あっ……」
ユングがそう叫んだが、列車があった筈の方向を見て足が止まった。そしてそれは私達全員同じだ。いや、ラーゼ様は「やっぱり」とか言ってる。確かに予想できた事だ。奴らはラーゼ様を逃がす気はない。ラーゼ様をこの反転した世界樹に捧げて、ラーゼ様を弁の様にしてこの世界樹からマナを出させることが目的なんだから。そしてここの奴らは私達の星を侵略する。
ふざけた計画だ。そんな事はさせる訳にはいかない。これぞ私が待ち望んでいた英雄譚にふさわしい展開。けど……ちょっとハードモードすぎる。難易度を下げたい。けどこれは訓練ではない。私達の視界の先にはバラされた列車の残骸があった。
ボコボコと地面がうなる。そして現れる大きな根。それは怒ってるのか、とても激しく動いてる。そして厄介な事に私達が原因じゃないのに、こっちを狙ってくる事だ。しかもどうやらラーゼ様を狙ってる? 私達に迫ってくる根は大概ラーゼ様に向かう。
寧ろ私やユングや車長さんには目もくれないといってもいい。そもそも目なんてないんだが……多分だが、この根はマナを感じてるんだと思う。だから私達は認識さえされてないと思える。そもそもが人種のマナなんて他種族に比べたら微量と呼べるものだ。
だから根は私達には見向きもしない。私達は食事にすらなってないんだろう。けどラーゼ様は違う。この中で一番小さいが、一番のマナをその身に宿してるお方だ。多分あの攻撃した鎧もこうなるとわかってたからあんな事をやったんだろう。
攻撃した所で世界樹の根はラーゼ様に向くとわかってたからあんな事を……
「もう少しです!」
結局の所、私達はラーゼ様に守られていた。なんて言ったって武器もなく、そして相手は巨大な根だ。私の即席魔法が効く相手ではない。敵はこの星その物と呼べる代物なんだ。だからラーゼ様がその力を使って強力な防御壁を展開して守ってくれてる。
私に出来る事はラーゼ様をおぶって走るだけだ。ラーゼ様は私達全員の命を守ってくださってる。なら、少しでもその体力を魔法に使ってもらう為に、肉体の負担を私が負担するのは当然だ。何も役に立てない護衛なら、このくらいして当然。
私は普段から鍛えてる。だからこのくらい……このくらい……いやめっちゃきついけどね! 出来ない事はない。ラーゼ様は小さく、軽い。その割には柔らかくフニフニだが、体重が存在してない訳じゃない。それにさっきも言ったように根はラーゼ様を狙ってる。だから背負ってると必然的にプレッシャーがね。
根はラーゼ様の守りを抜く事はない。けど、その恐怖は伝わってくる。それにぶつかる度にラーゼ様も消耗してるようだし、何べく速くここから離れた方がいい。そう思って足を動かす。
「ちょ!」
後ろから幾重も組み合わさった根が渦巻いて迫ってくる。多分ラーゼ様の守りを抜くために工夫してきたんだろう。その様はさながらドリル。壁を破壊しながら迫ってくるその姿は凶悪その者だった。
「クリエイト、もっと早く早く!」
「わかってます!」
バシバシと頭を叩かれながらも私は必死に脚を動かす。そしてあともうほんの一メートルまで根が迫ってた所で私達は外に飛び出した。けどそれで終わりなんかじゃない。直後背後から私達を貫こうとして来てた根も入り口を破壊させて出てきた。てか、そこら中に根が出現してる。
「早く列車に! あっ……」
ユングがそう叫んだが、列車があった筈の方向を見て足が止まった。そしてそれは私達全員同じだ。いや、ラーゼ様は「やっぱり」とか言ってる。確かに予想できた事だ。奴らはラーゼ様を逃がす気はない。ラーゼ様をこの反転した世界樹に捧げて、ラーゼ様を弁の様にしてこの世界樹からマナを出させることが目的なんだから。そしてここの奴らは私達の星を侵略する。
ふざけた計画だ。そんな事はさせる訳にはいかない。これぞ私が待ち望んでいた英雄譚にふさわしい展開。けど……ちょっとハードモードすぎる。難易度を下げたい。けどこれは訓練ではない。私達の視界の先にはバラされた列車の残骸があった。
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