美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω67
細かい砂が舞う。真っ暗な巨大な穴の周りにはやっぱりなにもなくて、今まで見た光景と大差はない。違いはこの穴だけだ。
「大丈夫?」
ラーゼ様から下からのぞき込む様に顔を見せてくれる。凄い破壊力だ。ラーゼ様に心配して貰ってるってだけでキュンとする。同性の筈なんだが、ラーゼ様だから仕方ない。
「大丈夫です。何も問題ありません」
ちょっと喋りづらくて、声が通り辛いくらいだ。体の異変は感じない。ちゃんとラーゼ様のマナだけを吸ってる証だろう。
「そう、ならいい。それにしても――」
「危ないですよラーゼ様」
私は穴をのぞき込むラーゼ様を支える様に腰を支える。細い。ラーゼ様は偉いのは案外自分の事は自分で出来る人だったから、列車の中では護衛とかしかやることなかった。だからあんまり触れ合える機会がなかったから、ドキッとする。
いや、髪を乾かすお手伝いはしてたんだけどね。ラーゼ様は髪が長い。それこそ地面に届くくらいある。それなのに艶とかまとまりとかがヤバイ。指通りもサラッサラだ。別段髪を梳いてる姿なんか見ないんだけどね。何もしなくてもこれだけ長い髪が跳ねもせずに、キラキラを保ってる。
セミロングの私でさえ枝毛あるんですけど? まあ私の場合はそこまで気にしてない。一応人前で出る時もあるし、英雄になったことで、気を使ってもいるが、普通はラーゼ様なら私の非じゃないくらいにやってておかしくない筈だが、今の所私の方が努力してそうにおもえる。
けどそれでラーゼ様の美は衰えないんだからね恐ろしい。ラーゼ様が本物の美少女と言われる所以が多分これだ。本物は何もせずに美しいから、本物なんだ。ズルいよねほんと。世の女性が一体どれだけの努力をしてるか……そしてそれでもラーゼ様に近づくことなんかできない。
「何か見えますか?」
「何も……」
今はラーゼ様は髪を三つ編みにして、それをいくつも使って地面につかない様にしてる。最近は良く髪いじりをしてらっしゃった。今は髪が邪魔にならない様にってああいう風に髪を纏めてるんだろう。にしても可愛い。穴よりもラーゼ様を見ちゃうよ。
けど私はラーゼ様に見惚れる為についてきた訳じゃない。言ったんラーゼ様が後ろに下がったから、今度は私が慎重にのぞき込む。
「これは……上からは穴に見えましたけど、何か覆ってませんか?」
私は黒い物がなんだか覆いかぶさってる様に見えた。
「そういう風にも見えるわね。ふん!」
「なにやってるんですか?」
「ちょっと実験」
ラーゼ様はなんと手近な意思を拾ってペイっと投げた。女の子らしい可愛らしい投げ方だった。案の定あんまり遠くに飛ばないが、それでも十分あの黒い膜には届く。私とラーゼ様はその石の行方に注視する。すると岩は膜の中へと消えていった。
そこに抵抗は見られなかった。
「通れそうですね」
「無機物だったからかも。生命は感知されるかもしれないわよ。私達なんてそもそもマナが違うんだから」
「そうですね」
確かに私達は全く別の生物といっても過言ではないんだ。ならあの石の様に入れないからしれない。そんな事を思ってたら、ラーゼ様は付けてた宝石の付いた腕輪を外してまた投げる。
「なんてことをしてるんですか!!」
「こっちの星の奴はどうなるかなってね」
「わかりますけど、私がやりますよ! あんな高そうな物!!」
絶対今のは私の給料数か月……いや、年単位で必要な奴かもしれない。それをポンと投げ捨てるなんて……流石ラーゼ様。
投げたのはしょうがないから行方を見る。どうやらさっきの石と同じだ。
「どうしますか?」
「行くしかないでしょ」
ここにいつまでもいても仕方ない。なら行くしかない。当たり前だ。ラーゼ様はいつも決断が速い。これは軍人的にもありがたいと思う。それにハッキリしてる。迷いがそもそもあんまりない。なら私も迷いなく行動できるという物だ。私達は列車でこの中に突っこむ事になった。
「大丈夫?」
ラーゼ様から下からのぞき込む様に顔を見せてくれる。凄い破壊力だ。ラーゼ様に心配して貰ってるってだけでキュンとする。同性の筈なんだが、ラーゼ様だから仕方ない。
「大丈夫です。何も問題ありません」
ちょっと喋りづらくて、声が通り辛いくらいだ。体の異変は感じない。ちゃんとラーゼ様のマナだけを吸ってる証だろう。
「そう、ならいい。それにしても――」
「危ないですよラーゼ様」
私は穴をのぞき込むラーゼ様を支える様に腰を支える。細い。ラーゼ様は偉いのは案外自分の事は自分で出来る人だったから、列車の中では護衛とかしかやることなかった。だからあんまり触れ合える機会がなかったから、ドキッとする。
いや、髪を乾かすお手伝いはしてたんだけどね。ラーゼ様は髪が長い。それこそ地面に届くくらいある。それなのに艶とかまとまりとかがヤバイ。指通りもサラッサラだ。別段髪を梳いてる姿なんか見ないんだけどね。何もしなくてもこれだけ長い髪が跳ねもせずに、キラキラを保ってる。
セミロングの私でさえ枝毛あるんですけど? まあ私の場合はそこまで気にしてない。一応人前で出る時もあるし、英雄になったことで、気を使ってもいるが、普通はラーゼ様なら私の非じゃないくらいにやってておかしくない筈だが、今の所私の方が努力してそうにおもえる。
けどそれでラーゼ様の美は衰えないんだからね恐ろしい。ラーゼ様が本物の美少女と言われる所以が多分これだ。本物は何もせずに美しいから、本物なんだ。ズルいよねほんと。世の女性が一体どれだけの努力をしてるか……そしてそれでもラーゼ様に近づくことなんかできない。
「何か見えますか?」
「何も……」
今はラーゼ様は髪を三つ編みにして、それをいくつも使って地面につかない様にしてる。最近は良く髪いじりをしてらっしゃった。今は髪が邪魔にならない様にってああいう風に髪を纏めてるんだろう。にしても可愛い。穴よりもラーゼ様を見ちゃうよ。
けど私はラーゼ様に見惚れる為についてきた訳じゃない。言ったんラーゼ様が後ろに下がったから、今度は私が慎重にのぞき込む。
「これは……上からは穴に見えましたけど、何か覆ってませんか?」
私は黒い物がなんだか覆いかぶさってる様に見えた。
「そういう風にも見えるわね。ふん!」
「なにやってるんですか?」
「ちょっと実験」
ラーゼ様はなんと手近な意思を拾ってペイっと投げた。女の子らしい可愛らしい投げ方だった。案の定あんまり遠くに飛ばないが、それでも十分あの黒い膜には届く。私とラーゼ様はその石の行方に注視する。すると岩は膜の中へと消えていった。
そこに抵抗は見られなかった。
「通れそうですね」
「無機物だったからかも。生命は感知されるかもしれないわよ。私達なんてそもそもマナが違うんだから」
「そうですね」
確かに私達は全く別の生物といっても過言ではないんだ。ならあの石の様に入れないからしれない。そんな事を思ってたら、ラーゼ様は付けてた宝石の付いた腕輪を外してまた投げる。
「なんてことをしてるんですか!!」
「こっちの星の奴はどうなるかなってね」
「わかりますけど、私がやりますよ! あんな高そうな物!!」
絶対今のは私の給料数か月……いや、年単位で必要な奴かもしれない。それをポンと投げ捨てるなんて……流石ラーゼ様。
投げたのはしょうがないから行方を見る。どうやらさっきの石と同じだ。
「どうしますか?」
「行くしかないでしょ」
ここにいつまでもいても仕方ない。なら行くしかない。当たり前だ。ラーゼ様はいつも決断が速い。これは軍人的にもありがたいと思う。それにハッキリしてる。迷いがそもそもあんまりない。なら私も迷いなく行動できるという物だ。私達は列車でこの中に突っこむ事になった。
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