美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω51
私が乗ってたアンティカから何かが対戦相手のアンティカの方へと何が飛んでいく。こっちのアンティカの関節部分や隙間から灰色のぶにょぶにょしてるのが出てきてた。それで理解した。どうしていきなりこっちのアンティカの動きが止まったのか。あれが関節部分に入って動きを阻害してたんだ。あれに気づかないとは……くやしい。
そしてそのぶよぶよは向こうのアンティカの背中部分に集まっていき、その羽に……
「羽……羽って、くっ、なるほどね」
あの羽、なの意味があるのかと……そうおもった。けどアンティカに無意味な装備なんてあるわけない。だってアンティカは技術の粋を作って作ってある筈だ。まあこのエデンではアンティカに全てを注いてる訳でもなさそうだけど、ネジマキ博士はアンティカに全てを捧げてる筈だ。
そういう人だと私は信じてる。私はそれを信じてたけど、理解はしてなかったのかもしれない。ぶにょぶにょしてた羽だったそれは全て集まると全く別の物に見える様に変質する。一体あれは何で出来てるのか。けどそれを考えるのは自分の領分ではないと思った。
どんな物を開発するのかはネジマキ博士や研究者達の役目であって、その開発されたものを使いこなすのが私達パイロットの役目。なのに……私は開発されてた物をゼロよりも上手く動かせなかった。
「ねえゼロ……私、どうだったの?」
自分的にはそれなりに追いつめてた気がしてた。けどもしかしたらそれは私の気のせいだったのかもしれない。だからそんな事を聞いてみた。
『そうですね。最後の攻撃が決まってれば、こちらは負けていたでしょう。ですがあれは当たってればこちらが粉々になってましたよ?』
「うぐ……それは熱くなって……」
いや一応寸止めを考えてた。それで決着を狙ってたんだ。実際はあの勢いで寸止め出来たのかはとても怪しいが……わたしはむこうのアンティカから降りてきた人を見る。その人は今まさにそのヘルメットを取ろうとしてた。私達は別にあんなのつけないが……いや、緊急脱出とかする時の為にアンティカの内部にはヘルメットはある。けど普段は使わない。
でも向こうのパイロットはつけてる。
(あのヘルメットもなんかちょっと違う)
普通に頭をすっぽりと包むのは同じだ。けど、その上の方には猫の様な耳が何故かついてる。あれには一体何の意味が? とも思うが、あれのおかげで可愛さがアップしてるとは思う。プリムローズのライブであんな耳をつけてのパフォーマンスがあって巷ではにわかにああいう付け耳的な物がブームになってるらしいし、そういうのを取り入れたのだろうか?
「ふえ? ちょっ、ゼロ、あれって……」
そんなヘルメットをパイロットの人が外してその素顔があらわになる。頑張って収めたんだろうその髪が一気に解放されてふわりと広がった。その色はストロベリーブロンド。汗さえも煌めきに変えたかの様に、とても煌めいてみえた。そしてアクティブスーツで全然着飾って何ていないのに、その美貌は全く持って衰えてない美少女がそこにいた。
『はい、ラーゼ様がどうしてもとおっしゃられてたの、乗って頂きました』
その瞬間、私は自分の血が全身から引いていく気がした。だって……だって、下手すれば殺してた。負けたけどさ……めっちゃ危ない事をしてた。その事実に生きた心地がしなかった。
そしてそのぶよぶよは向こうのアンティカの背中部分に集まっていき、その羽に……
「羽……羽って、くっ、なるほどね」
あの羽、なの意味があるのかと……そうおもった。けどアンティカに無意味な装備なんてあるわけない。だってアンティカは技術の粋を作って作ってある筈だ。まあこのエデンではアンティカに全てを注いてる訳でもなさそうだけど、ネジマキ博士はアンティカに全てを捧げてる筈だ。
そういう人だと私は信じてる。私はそれを信じてたけど、理解はしてなかったのかもしれない。ぶにょぶにょしてた羽だったそれは全て集まると全く別の物に見える様に変質する。一体あれは何で出来てるのか。けどそれを考えるのは自分の領分ではないと思った。
どんな物を開発するのかはネジマキ博士や研究者達の役目であって、その開発されたものを使いこなすのが私達パイロットの役目。なのに……私は開発されてた物をゼロよりも上手く動かせなかった。
「ねえゼロ……私、どうだったの?」
自分的にはそれなりに追いつめてた気がしてた。けどもしかしたらそれは私の気のせいだったのかもしれない。だからそんな事を聞いてみた。
『そうですね。最後の攻撃が決まってれば、こちらは負けていたでしょう。ですがあれは当たってればこちらが粉々になってましたよ?』
「うぐ……それは熱くなって……」
いや一応寸止めを考えてた。それで決着を狙ってたんだ。実際はあの勢いで寸止め出来たのかはとても怪しいが……わたしはむこうのアンティカから降りてきた人を見る。その人は今まさにそのヘルメットを取ろうとしてた。私達は別にあんなのつけないが……いや、緊急脱出とかする時の為にアンティカの内部にはヘルメットはある。けど普段は使わない。
でも向こうのパイロットはつけてる。
(あのヘルメットもなんかちょっと違う)
普通に頭をすっぽりと包むのは同じだ。けど、その上の方には猫の様な耳が何故かついてる。あれには一体何の意味が? とも思うが、あれのおかげで可愛さがアップしてるとは思う。プリムローズのライブであんな耳をつけてのパフォーマンスがあって巷ではにわかにああいう付け耳的な物がブームになってるらしいし、そういうのを取り入れたのだろうか?
「ふえ? ちょっ、ゼロ、あれって……」
そんなヘルメットをパイロットの人が外してその素顔があらわになる。頑張って収めたんだろうその髪が一気に解放されてふわりと広がった。その色はストロベリーブロンド。汗さえも煌めきに変えたかの様に、とても煌めいてみえた。そしてアクティブスーツで全然着飾って何ていないのに、その美貌は全く持って衰えてない美少女がそこにいた。
『はい、ラーゼ様がどうしてもとおっしゃられてたの、乗って頂きました』
その瞬間、私は自分の血が全身から引いていく気がした。だって……だって、下手すれば殺してた。負けたけどさ……めっちゃ危ない事をしてた。その事実に生きた心地がしなかった。
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