美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Ω6
上司が私を引っ張っている。そして無理矢理トイレに連れてこられた。
「その汚い化粧を落とせ! そんな姿であのお方たちの前に連れて行けるか! 私の首が飛んでしまうわ!」
飛べばいいのに……と心の中だけで思った。全く……このメイクのすばらしさが分からないとは……やれやれだ。でもここで反論すると、この上司の血管がきれて大事になってしまうかもしれない。それは私の経歴に傷がつくから黙って従うか。
会心の出来だったのに……道行く人たちが二度見しちゃうくらいの出来だぞ? きっと陛下や大提督殿も気に入ってくださると思うのに……これでわたしを見てあの方々か普通だと思われたとこの上司はどうやって責任を取ってくれるのか……
(絶対にとってはくれないよな。部署が違うとか言い逃れするに決まってる)
しょうがない、その時はあの方々に伺ってこの姿を見てもらえばいいか……まあメイク道具は今は無いから帰らないといけないが、あの方々はとても寛大だと聞いてる。ちゃんと説明すれば、このクソ上司よりは話が通じるだろう。
私がメイクを落として出てくると、上司がタオルを投げ渡してきた。私はそれを受け取って濡れた顔を拭く。
「全く、なぜお前がフェアリー部隊なんだ……くれぐれもあの方々の前で変な真似はするなよ!」
このクソ上司は何を言ってるのか? 時々わからなくなる。私の不幸は上司がこいつだということだな。間違いない。こいつのせいで私の手柄がなんどもみ消された事か……だがどうやら見てる人達はいたようだ。流石は国を動かす立場にいる人や英雄と呼ばれる人たちは違うということか。
(いや、これからは私もその英雄……ぐふふ)
「おい聞いてるのか? ってこいつは……おい! 聞け!!」
私の耳を引っ張って大声を上げるクソ上司。耳がキンキンする。それに唾もかかったじゃん。最悪だ。私が臭いとか言われたらどうする気だ。まだ大提督様は独身だぞ。同じ部隊の仲間である私は一番の嫁候補じゃないか。そうなったら覚えてろよ。
煩い上司にガミガミ言われながら、一つの扉の前に立つ。ここが目的地だ。
「ここからは私は入れん。くれぐれもしつれいの――っておい!!」
この煩い上司とはさっさと離れたいから私はすかさず扉をノックした。そして自分で美声と思ってる張りのある声で告げる。
「クリエイト・クーシャネルラ 第一機甲師団へ転属されてきました!!」
そう宣言すると、中から「どうぞ」という声が聞こえた。私は勝ち誇った笑みを浮かべて上司を見る。上司は頭を抱える動作をしてる。全く、部下の出世を喜べないなんて心の狭い奴だ。とりあえず待たせるのは悪いから私は「失礼します」と言いながらドアを開いた。
そこには思った通り二人の人物がいた。そこまで広い部屋じゃないこんな場所には不釣り合いな二人。一人は椅子に座ってこちらを見てる。そしてもう一人はその傍に立ってこちらをみてる。私はゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう緊張する事はない。さあ中へ」
私が中々入ってこないからか、椅子に座った人物がそういってくださった。私は慌てて中に入り扉を閉める。その時、上司と目があった。そしてちょっとだけだが、心細いと思ってしまった。なにせこの方々は雲の上の存在だ。さっきまで隣にいた上司とは次元が違う。
そんな二人にたった一人で対面するのはね……でも扉を閉めると、部屋の中は三人だけの空間だ。椅子に座ってるのはこの国の国王である英雄カタヤ様。そして隣に立つは大提督ベール様。これで緊張しない訳がない。
「その汚い化粧を落とせ! そんな姿であのお方たちの前に連れて行けるか! 私の首が飛んでしまうわ!」
飛べばいいのに……と心の中だけで思った。全く……このメイクのすばらしさが分からないとは……やれやれだ。でもここで反論すると、この上司の血管がきれて大事になってしまうかもしれない。それは私の経歴に傷がつくから黙って従うか。
会心の出来だったのに……道行く人たちが二度見しちゃうくらいの出来だぞ? きっと陛下や大提督殿も気に入ってくださると思うのに……これでわたしを見てあの方々か普通だと思われたとこの上司はどうやって責任を取ってくれるのか……
(絶対にとってはくれないよな。部署が違うとか言い逃れするに決まってる)
しょうがない、その時はあの方々に伺ってこの姿を見てもらえばいいか……まあメイク道具は今は無いから帰らないといけないが、あの方々はとても寛大だと聞いてる。ちゃんと説明すれば、このクソ上司よりは話が通じるだろう。
私がメイクを落として出てくると、上司がタオルを投げ渡してきた。私はそれを受け取って濡れた顔を拭く。
「全く、なぜお前がフェアリー部隊なんだ……くれぐれもあの方々の前で変な真似はするなよ!」
このクソ上司は何を言ってるのか? 時々わからなくなる。私の不幸は上司がこいつだということだな。間違いない。こいつのせいで私の手柄がなんどもみ消された事か……だがどうやら見てる人達はいたようだ。流石は国を動かす立場にいる人や英雄と呼ばれる人たちは違うということか。
(いや、これからは私もその英雄……ぐふふ)
「おい聞いてるのか? ってこいつは……おい! 聞け!!」
私の耳を引っ張って大声を上げるクソ上司。耳がキンキンする。それに唾もかかったじゃん。最悪だ。私が臭いとか言われたらどうする気だ。まだ大提督様は独身だぞ。同じ部隊の仲間である私は一番の嫁候補じゃないか。そうなったら覚えてろよ。
煩い上司にガミガミ言われながら、一つの扉の前に立つ。ここが目的地だ。
「ここからは私は入れん。くれぐれもしつれいの――っておい!!」
この煩い上司とはさっさと離れたいから私はすかさず扉をノックした。そして自分で美声と思ってる張りのある声で告げる。
「クリエイト・クーシャネルラ 第一機甲師団へ転属されてきました!!」
そう宣言すると、中から「どうぞ」という声が聞こえた。私は勝ち誇った笑みを浮かべて上司を見る。上司は頭を抱える動作をしてる。全く、部下の出世を喜べないなんて心の狭い奴だ。とりあえず待たせるのは悪いから私は「失礼します」と言いながらドアを開いた。
そこには思った通り二人の人物がいた。そこまで広い部屋じゃないこんな場所には不釣り合いな二人。一人は椅子に座ってこちらを見てる。そしてもう一人はその傍に立ってこちらをみてる。私はゴクリと唾を飲み込んだ。
「そう緊張する事はない。さあ中へ」
私が中々入ってこないからか、椅子に座った人物がそういってくださった。私は慌てて中に入り扉を閉める。その時、上司と目があった。そしてちょっとだけだが、心細いと思ってしまった。なにせこの方々は雲の上の存在だ。さっきまで隣にいた上司とは次元が違う。
そんな二人にたった一人で対面するのはね……でも扉を閉めると、部屋の中は三人だけの空間だ。椅子に座ってるのはこの国の国王である英雄カタヤ様。そして隣に立つは大提督ベール様。これで緊張しない訳がない。
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