美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√79
(どうしてこんな事に……)
『もうやめてくださいカタヤさん! ベールさんも!!』
その力を見せつけた赤いアンティカからそんな声が届く。確かにどうやらゼロは我々のアンティカよりも性能が著しく向上してるらしい。悔しいが認めるしかない。だが、どうして一体何があった? 確かに約束の地こそがアンティカの故郷かもしれないという推測はあった。
だが、彼らがこの地を離れた期間は数日だ。それだけの時間で何かが出来るだろうか? こちら側の狙いは、それなりに消耗したラーゼ達にぶつかれるはずで、そして勿論ゼロだって消耗してる筈だった。けどどうやらそれは希望的観測だったらしい。
でも普通はそうおもうだろう。だって補給できるわけでもなし……それなのに数日間行動して、エネルギーも消費してないなんてありえない。それだけ約束の地ですべてが上手くいった? だが、確か敵と遭遇したみたいな通信は入ってた筈だ。
それが本当なら、ゼロが出ないわけがない。確かにラーゼの親衛隊共もついていったが、アンティカはその大きさそのものが武器になる。なんでも使って楽をしようとするラーゼがある戦力を使わないなんてしないだろう。確か報告では上手く約束の地を掌握したとだけ、聞いてる。
それが全文でそれが全て。向こうも、自分の領地に攻め入ってる所にわざわざ詳細な報告なんてする気はないんだろう。だが普通はそうだろう。でも一つだけ確かな事は……ゼロは約束の地でパワーアップを果たしてるということだ。
「それは……出来ない!」
剣は落ちた。だがそれはメインウエポンが堕ちたにすぎない。まだ武器はある。腕の所から仕込んである刃がゼロの頭を狙って突き出る。だがそれを亜子は巧妙な操作で交わしてみせる。本当になんという反応速度――だが!
「うおおおおお!!」
掴まれてる腕の装甲をパージして自由を取り戻し、ブースターを吹かせてゼロの体に突っ込む。衝撃が走る。こちらもダメージを受けるが、しょうがない。
そして僅かに距離があいた隙間にベールが長距離狙撃をする。二発は避けられたが、三発目は当たってゼロの肩を貫く。
あれで片腕がつかえなくなるはずだ。しかも誘爆して背中のユニットも破壊された。光明だった。あれがふきつづければ、対策してあるといえ、こちらも影響を受ける。確かにゼロは性能が上がってる。だが二対一なら勝機はある。
その筈だ。余り傷つけたくはない。だが、引くことも今の僕達には出来ない。なのに……このアンティカの意思が警告してくる。
『戦いをやめるべきですマスター』
機械的な声だが、それは妙に確信めいて聞こえた。でもそれでも今は攻勢時だ。止まるなんて事は出来ない!
『もうやめてくださいカタヤさん! ベールさんも!!』
その力を見せつけた赤いアンティカからそんな声が届く。確かにどうやらゼロは我々のアンティカよりも性能が著しく向上してるらしい。悔しいが認めるしかない。だが、どうして一体何があった? 確かに約束の地こそがアンティカの故郷かもしれないという推測はあった。
だが、彼らがこの地を離れた期間は数日だ。それだけの時間で何かが出来るだろうか? こちら側の狙いは、それなりに消耗したラーゼ達にぶつかれるはずで、そして勿論ゼロだって消耗してる筈だった。けどどうやらそれは希望的観測だったらしい。
でも普通はそうおもうだろう。だって補給できるわけでもなし……それなのに数日間行動して、エネルギーも消費してないなんてありえない。それだけ約束の地ですべてが上手くいった? だが、確か敵と遭遇したみたいな通信は入ってた筈だ。
それが本当なら、ゼロが出ないわけがない。確かにラーゼの親衛隊共もついていったが、アンティカはその大きさそのものが武器になる。なんでも使って楽をしようとするラーゼがある戦力を使わないなんてしないだろう。確か報告では上手く約束の地を掌握したとだけ、聞いてる。
それが全文でそれが全て。向こうも、自分の領地に攻め入ってる所にわざわざ詳細な報告なんてする気はないんだろう。だが普通はそうだろう。でも一つだけ確かな事は……ゼロは約束の地でパワーアップを果たしてるということだ。
「それは……出来ない!」
剣は落ちた。だがそれはメインウエポンが堕ちたにすぎない。まだ武器はある。腕の所から仕込んである刃がゼロの頭を狙って突き出る。だがそれを亜子は巧妙な操作で交わしてみせる。本当になんという反応速度――だが!
「うおおおおお!!」
掴まれてる腕の装甲をパージして自由を取り戻し、ブースターを吹かせてゼロの体に突っ込む。衝撃が走る。こちらもダメージを受けるが、しょうがない。
そして僅かに距離があいた隙間にベールが長距離狙撃をする。二発は避けられたが、三発目は当たってゼロの肩を貫く。
あれで片腕がつかえなくなるはずだ。しかも誘爆して背中のユニットも破壊された。光明だった。あれがふきつづければ、対策してあるといえ、こちらも影響を受ける。確かにゼロは性能が上がってる。だが二対一なら勝機はある。
その筈だ。余り傷つけたくはない。だが、引くことも今の僕達には出来ない。なのに……このアンティカの意思が警告してくる。
『戦いをやめるべきですマスター』
機械的な声だが、それは妙に確信めいて聞こえた。でもそれでも今は攻勢時だ。止まるなんて事は出来ない!
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