美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
√60
「援軍?」
そういうのは女騎士と楽しそうに戦ってた裸の女魔族だ。騎士たちはその言葉にぞっとした。ここで魔族の援軍なんて来たら困る。だが、ここはファイラルの中でもかなり奥、魔族でもそう簡単に援軍を送れる場所ではない。なんたってここはクリスタルウッドがある場所だ。いくつもの魔法的効果で守られてる。騎士たちは魔族の女が見てる先をみる。確かに何かの音がきこえる。しかも大量の何か。でもその音がおかしい気がする。
その音はぴょこぴょこしてる。戦場では似つかわしくない音だ。気が抜ける音と言ってもいい。
「いや、違うわね」
女魔族は見る前にそう呟いた。向こうの援軍ではないのなら……そう騎士達はおもった。援軍……そう援軍が来ると連絡は受けてた。それが今来たということだ。出てきたそれはちいさい。精々膝丈くらいだ。
「あれが援軍?」
そういうのは騎士の一人。だが、確かにそういいたくなるのもわかる。だってそれはかわいらしい容姿のぬいぐるみだからだ。それが瞳を輝かせながら通路からどんどん出てくる。それらは散っていってまずはここに避難してる呆けてる人達を易々と担ぐ。あれは想像以上に力持ちのようだ。魔族の女のせいで意識がない人たちは想像以上に重い筈だ。普通に成人男性だっている。なのにそこらの子供と同じように運んでいく。
「ちょっとそれは必要なのよ」
そういって魔族の女が腕を振るう。すると紫の風が吹いた。それはフルプレートの鎧を着てる騎士たちが吹き飛びそうになるほどの風だ。クリスタルウッドの枝につく葉がガサガサと大きく音を立てて揺れている。詠唱も無しにこんな事が出来るとは……魔族とはかくも規格外な連中だ。だが何もいつだって魔族が強力な訳ではない。いや、人種に比べれば強力だが、魔族には大きな制約があって、特定の場所以外では力を発揮できないというのがある。
だからこそ、魔族は小さな場所で固まって住んでる種族だった筈だ。そんな種だったから、そこまで記録がない。だがそんな魔族が激変するのが、魔王の存在だ。魔王が出れば魔族はその力を十全に発揮できるようになる。だからこそ奴らは動き出した。狭い場所でしか使えなかった力が世界のどこでも使える様になる。更には魔王の強さで魔族全体の強さが変わるらしい。腕の一振りでこんな力を発揮できるということは……今回出てきた魔王はかなりの強さを誇ってるということだろう。
思い鎧を着てる騎士たちでさえ、踏ん張るしかない風。あんな軽そうなぬいぐるみ達は吹き飛ばされただろうと思ったが、騎士たちは驚いた。彼等は上手く風を使って人々を投げ飛ばして風で運んでぶつかる前にキャッチしてる。しかも魔法を使ってだ。なんという高性能さ。
「ちょ!? 何よあれ!!」
あまりの出来事に魔族の女も驚愕してる。八つ当たり気味に切りかかってた女騎士を蹴り飛ばす。だがそれに負けずに女騎士は蹴り返す。二人は衝撃で距離をあける。
「全く、贄がいなくなってしまったじゃない。まあでも……」
女魔族はそういってその煽情的な体をうねらせて、そして怪しく光る眼を騎士たちに向ける。
「あなた達でも十分よね」
騎士たちの背筋に悪寒が走った。
そういうのは女騎士と楽しそうに戦ってた裸の女魔族だ。騎士たちはその言葉にぞっとした。ここで魔族の援軍なんて来たら困る。だが、ここはファイラルの中でもかなり奥、魔族でもそう簡単に援軍を送れる場所ではない。なんたってここはクリスタルウッドがある場所だ。いくつもの魔法的効果で守られてる。騎士たちは魔族の女が見てる先をみる。確かに何かの音がきこえる。しかも大量の何か。でもその音がおかしい気がする。
その音はぴょこぴょこしてる。戦場では似つかわしくない音だ。気が抜ける音と言ってもいい。
「いや、違うわね」
女魔族は見る前にそう呟いた。向こうの援軍ではないのなら……そう騎士達はおもった。援軍……そう援軍が来ると連絡は受けてた。それが今来たということだ。出てきたそれはちいさい。精々膝丈くらいだ。
「あれが援軍?」
そういうのは騎士の一人。だが、確かにそういいたくなるのもわかる。だってそれはかわいらしい容姿のぬいぐるみだからだ。それが瞳を輝かせながら通路からどんどん出てくる。それらは散っていってまずはここに避難してる呆けてる人達を易々と担ぐ。あれは想像以上に力持ちのようだ。魔族の女のせいで意識がない人たちは想像以上に重い筈だ。普通に成人男性だっている。なのにそこらの子供と同じように運んでいく。
「ちょっとそれは必要なのよ」
そういって魔族の女が腕を振るう。すると紫の風が吹いた。それはフルプレートの鎧を着てる騎士たちが吹き飛びそうになるほどの風だ。クリスタルウッドの枝につく葉がガサガサと大きく音を立てて揺れている。詠唱も無しにこんな事が出来るとは……魔族とはかくも規格外な連中だ。だが何もいつだって魔族が強力な訳ではない。いや、人種に比べれば強力だが、魔族には大きな制約があって、特定の場所以外では力を発揮できないというのがある。
だからこそ、魔族は小さな場所で固まって住んでる種族だった筈だ。そんな種だったから、そこまで記録がない。だがそんな魔族が激変するのが、魔王の存在だ。魔王が出れば魔族はその力を十全に発揮できるようになる。だからこそ奴らは動き出した。狭い場所でしか使えなかった力が世界のどこでも使える様になる。更には魔王の強さで魔族全体の強さが変わるらしい。腕の一振りでこんな力を発揮できるということは……今回出てきた魔王はかなりの強さを誇ってるということだろう。
思い鎧を着てる騎士たちでさえ、踏ん張るしかない風。あんな軽そうなぬいぐるみ達は吹き飛ばされただろうと思ったが、騎士たちは驚いた。彼等は上手く風を使って人々を投げ飛ばして風で運んでぶつかる前にキャッチしてる。しかも魔法を使ってだ。なんという高性能さ。
「ちょ!? 何よあれ!!」
あまりの出来事に魔族の女も驚愕してる。八つ当たり気味に切りかかってた女騎士を蹴り飛ばす。だがそれに負けずに女騎士は蹴り返す。二人は衝撃で距離をあける。
「全く、贄がいなくなってしまったじゃない。まあでも……」
女魔族はそういってその煽情的な体をうねらせて、そして怪しく光る眼を騎士たちに向ける。
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