美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Δ111
「亜子、出来るか?」
そういうのはグルダフさんだ。彼は飛行ユニットに乗ってる。その体はいつも以上に筋肉が膨らんでいつも以上に大きくなってる。体重だって増えてるだろうに、飛行ユニットは安定感がある。まあそもそもかなりの重さを支えられるみたいだし、数人単位で無理やりしがみつかない限りは大丈夫なんだろう。
そんな事よりもグルダフの言葉だ。『出来るか?』とは多分、あの紫のアンティカと同じような事が出来るかって事だと思う。ここで見栄なんて張ってもなんの意味もないよね。
『いえ、ああいう事はゼロにはちょっと……』
「だろうな。だが……君はまだ本気を出してはいないのではないか?」
そういって真剣な顔をしてるグルダフさんをゼロは大きく画面に映してる。ゼロも何か訴えたい事があるのかもしれない。けど……例え本気を出したとしてもアレに近づけるとは思えないけどね。確かに私にはまだ隠し玉がある。
まあネジマキ博士とかとは一緒に開発を進めてきた訳で、隠し要素とは言えない気もするが……私とゼロがもっと近づけば少しはあの紫のアンティカに近づけるかもしれない。けど結局は近づけるだけだ。あの本当に生きてるようなアンティカと同じにはなれない。
そもそもなる気もないね。ゼロの事は好きだけど、同化とかはやる気ない。だって私は還るのだ。どうしてそこまでかけれようか? 本当に目の前に帰還する何かがあって、それがもう力によってしか手に入らなく、そしてその瞬間にしかダメなら……私は多分迷わない。
自分の全てを賭けてでもそれを掴もうとするだろう。実はこの約束の地に来る前に、ラーゼとはそういう事を話してる。ここでは何が起きるかわからない。もしかしたら、帰還できる何かが起こるかもしれない――と。その時は迷う事はない――と。
実際、私だってそんな都合よく帰還できるなんて思ってる訳でもない。でもその可能性はゼロじゃない。だからそういう時に備えて力は残しておきたい。私は色々と人種から離れてしまったが……けど鉄血種になった訳でもない。
それはつまり、奴ら程にこの力を簡単に使えないって事だ。
『すみません。私にも目的がありますから』
「……そうだな」
グルダフさんはそういって私達から視線を外して前を見る。グルダフさんは脳筋そうでそうじゃない。ちゃんと話せばわかってくれる人だ。今のでちゃんと話したと言えるか微妙だが、察しもいい。
「だが、オウラムの奴らだけに手柄を持っていかれるのはダメだ。ラーゼ様も見てらっしゃる」
『そうですね。別に奴らは味方ってわけじゃありません。勝利はかすめ取りましょう。ラーゼだってそういうのが好きでしょう』
あいつはそういう奴だ。別段過程を気にする奴じゃない。ただ最終的に自分が勝てばいいという考えを持ってる奴。だから私達は焦る必要性はない。まあだからってただ見てる訳にもいかないが。私達は今、ラーゼのマナを受け取ってる。いつもよりも過剰なマナだ。
キララは大丈夫だろうが、私達はそれにいつまでも耐えられる訳じゃない。こっちにも時間制限的な物はある。急に動きが良くなったオウラムの奴らも何かやってるんだろうが、かなり強引に攻めてる所を見るに、向こうも時間制限があるのかも。
『グルダフさん、ゼロに乗ってください。スナフスキンの意識の外から、最大の一撃を加えましょう』
「一撃に込める……わかりやすい」
グルダフさんはこちらの最大火力だ。厳密に言えば、ラーゼが本当の最大火力だが、あいつは数には居れてはいけない。大丈夫、なにせスナフスキンは防御をしてる。それはつまり攻撃が通るという事だ。私はなるべく軽くするために肩や背中にあるユニットをパージする。
パージしたパーツは水の中に沈んでいくが……この際しょうがない。船に戻ればまたつけてもらえる。今はあのでか物に勝つことが重要だろう。
「ゼロ、一度だけシンクロを使う」
『了解マスター』
次の瞬間、いつの間にかゼロの体をマントが覆う。それはランページ・ぺラス。私が持つ鉄血種の力。これを使えばオウラムの奴らとドリルの飛び交う戦場を一足飛びに出来る。そして狙うはスナフスキンだ。私は覚悟を決めて、ゼロを動かす。
「行きます!!」
そういうのはグルダフさんだ。彼は飛行ユニットに乗ってる。その体はいつも以上に筋肉が膨らんでいつも以上に大きくなってる。体重だって増えてるだろうに、飛行ユニットは安定感がある。まあそもそもかなりの重さを支えられるみたいだし、数人単位で無理やりしがみつかない限りは大丈夫なんだろう。
そんな事よりもグルダフの言葉だ。『出来るか?』とは多分、あの紫のアンティカと同じような事が出来るかって事だと思う。ここで見栄なんて張ってもなんの意味もないよね。
『いえ、ああいう事はゼロにはちょっと……』
「だろうな。だが……君はまだ本気を出してはいないのではないか?」
そういって真剣な顔をしてるグルダフさんをゼロは大きく画面に映してる。ゼロも何か訴えたい事があるのかもしれない。けど……例え本気を出したとしてもアレに近づけるとは思えないけどね。確かに私にはまだ隠し玉がある。
まあネジマキ博士とかとは一緒に開発を進めてきた訳で、隠し要素とは言えない気もするが……私とゼロがもっと近づけば少しはあの紫のアンティカに近づけるかもしれない。けど結局は近づけるだけだ。あの本当に生きてるようなアンティカと同じにはなれない。
そもそもなる気もないね。ゼロの事は好きだけど、同化とかはやる気ない。だって私は還るのだ。どうしてそこまでかけれようか? 本当に目の前に帰還する何かがあって、それがもう力によってしか手に入らなく、そしてその瞬間にしかダメなら……私は多分迷わない。
自分の全てを賭けてでもそれを掴もうとするだろう。実はこの約束の地に来る前に、ラーゼとはそういう事を話してる。ここでは何が起きるかわからない。もしかしたら、帰還できる何かが起こるかもしれない――と。その時は迷う事はない――と。
実際、私だってそんな都合よく帰還できるなんて思ってる訳でもない。でもその可能性はゼロじゃない。だからそういう時に備えて力は残しておきたい。私は色々と人種から離れてしまったが……けど鉄血種になった訳でもない。
それはつまり、奴ら程にこの力を簡単に使えないって事だ。
『すみません。私にも目的がありますから』
「……そうだな」
グルダフさんはそういって私達から視線を外して前を見る。グルダフさんは脳筋そうでそうじゃない。ちゃんと話せばわかってくれる人だ。今のでちゃんと話したと言えるか微妙だが、察しもいい。
「だが、オウラムの奴らだけに手柄を持っていかれるのはダメだ。ラーゼ様も見てらっしゃる」
『そうですね。別に奴らは味方ってわけじゃありません。勝利はかすめ取りましょう。ラーゼだってそういうのが好きでしょう』
あいつはそういう奴だ。別段過程を気にする奴じゃない。ただ最終的に自分が勝てばいいという考えを持ってる奴。だから私達は焦る必要性はない。まあだからってただ見てる訳にもいかないが。私達は今、ラーゼのマナを受け取ってる。いつもよりも過剰なマナだ。
キララは大丈夫だろうが、私達はそれにいつまでも耐えられる訳じゃない。こっちにも時間制限的な物はある。急に動きが良くなったオウラムの奴らも何かやってるんだろうが、かなり強引に攻めてる所を見るに、向こうも時間制限があるのかも。
『グルダフさん、ゼロに乗ってください。スナフスキンの意識の外から、最大の一撃を加えましょう』
「一撃に込める……わかりやすい」
グルダフさんはこちらの最大火力だ。厳密に言えば、ラーゼが本当の最大火力だが、あいつは数には居れてはいけない。大丈夫、なにせスナフスキンは防御をしてる。それはつまり攻撃が通るという事だ。私はなるべく軽くするために肩や背中にあるユニットをパージする。
パージしたパーツは水の中に沈んでいくが……この際しょうがない。船に戻ればまたつけてもらえる。今はあのでか物に勝つことが重要だろう。
「ゼロ、一度だけシンクロを使う」
『了解マスター』
次の瞬間、いつの間にかゼロの体をマントが覆う。それはランページ・ぺラス。私が持つ鉄血種の力。これを使えばオウラムの奴らとドリルの飛び交う戦場を一足飛びに出来る。そして狙うはスナフスキンだ。私は覚悟を決めて、ゼロを動かす。
「行きます!!」
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