美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

Δ56

「きゃあああああああああ!?」


 体か地上から吹っ飛んでクルクルクルクルと回ってる。このままじゃ地面に激突しちゃう。この高さからなら普通はエグイ事になる。具体的にはこう……内臓飛び出てビッチャビチャにね。まあ私の場合は問題ない。ちょっと目が廻って気持ち悪くなるくらいだ。どうやら吹っ飛んでるのは私だけではない。地面から木から何から何まで吹っ飛んでる。でもこうなるのもわかる。だってあれはかなり切り札っぽいもん。ゼルさえも吹っ飛ばすしね。


「んぎゃ!?」


 乙女にあるまじき微妙な声がでた。どうやら私は軽いから先に吹き飛んでた地面に叩きつけられたみたいだ。まあ足場が出来てよかったと思おう。


「アレに近づくのは流石にヤバいよね?」


 私の防御力でも下手したらあれはただでは済まない。そう直感が囁いてる。だから他に何かないかと下を見る。このままではこの島よりも外に吹き飛ばされてしまうだろう。その前に何か見つけないと。


「うげ……」


 どこか降りれそうな所がないかと思ったけど……われた地面から大量のロボット達が出て来てる。それはもう数えるのもおっくうになるほど。上から見てると、大量の蟻みたい。ボロボロになた大地を埋め尽くすほどの数。あの下にも降りたくはない。


「じゃあもうどうしろと?」


 私は途方に暮れるしかないよ。


「うーん、そうだ!」


 私は視界を変えるよ。普通に見てたんじゃ、見えない物ってたくさんある。しかもここって島の内側に色々と隠されてるみたいだしね。蛇目でもいいけど、あれは温度を見てる感じだからね。こんな戦闘中じゃ、ダメっぽい。もっと高性能な奴選んでみる。


「何やらやってるね。流石にこの事態は大事なのかな?」


 鉄血種の瞳にしてみた。奴らの瞳は障害物とかも透過してくれるから便利だ。上位の種には肉体の時点で人種なんて完敗だよね。デフォルトでついてる能力が違い過ぎるもん。この目なら内部の様子もよく……とはいえないけどなんとなくは見える。


「これだけの文明を誇ってるのにそこまで数はいないみたいだね」


 最初にここで見たカプセルの数でも数えてれば一致するかわかったかも。けどそんな事はしてない。大体上位種は数が少ない物だけど……メルから聞いた限り、彼らは別にそうではないみたいなんだよね。確かに今の世には伝説みたいに語られるくらいだから、その種はとても凄かったとか言われてけど、種自体の強さなんてのは一切かたられてない。てかアンティカとかロボット達を作ってる所から察せれるよね。自身がとてつもなく強いのなら、そんなものは必要ないのだ。


 けどそうじゃないから外部装置が必要になる。人種がそうであるように。だからこそ彼らはもっと数がいてもおかしくはない。けど……見る限りそうじゃない。


「ちょっと無茶してみようかな? とうせ現実じゃないしね」


 多分ここは現実ではないと思ってる。だからまあどうにかなるでしょ、みたいな判断基準だ。私が干渉できるかはわからないけど、干渉できるものも確かにあったしね。私はマナを全身に多量に巡らせて自身を強化する。そして飛んでる色んな物を足場にして奴らが集まってる直上まできた。後は落ちるだけだ。その時も何回もゼルと巨大アンティカの余波が来てたけど、それはマナをぶっ放して相殺してた。そしてその力をそのまま下に向けて大穴を穿つ。


 無茶の一つ覚えもいいとこだけど、私には他に方法がない。もしも皆か吹き飛んでたら……まあどうせこれはみせられるてる映像だろうし、罪悪感なんてものはない。なので私は気にせずに自身が穿った穴を落ちてく。

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