美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Δ34
ゼロが腕を振りかぶる。それに合わせてゼロの武器である繋ぎ合わされてる剣が鞭のようにしなる。繋ぎ目から赤いマナを……ううん、今はマナは無色に煌めいてた。ただなんか眩しい感じだ。そんな剣はデカい蜘蛛には向かってない。ゼロの攻撃は私達へと向けての物だ。
「ぬおおおおおお!!」
飛び上がったグルダフがそんな雄たけびを上げてそのデカい斧を振りかぶる。その強力な一撃でなんとか剣を弾くことが出来た。流石はグルダフだ。けど今のでグルダフの体にも大量の糸が絡まった。それが不安要素。でもこの糸は私にしか見えていないみたいだから、この不安を誰かと共有できないのが痛い。だって私だけが不安を抱え込むとかなんか損した気分じゃん。でも今の所アンティカ以外に変な行動を起こしてる奴はみえない。
「博士、アンティカが変よ」
『わかっておるわい。じゃがここからでは何も……』
歯噛みしそうなネジマキ博士の声が届く。実際歯噛みしてそうだね。とりあえず私は見えた事を伝えた。
『糸……か?』
「ええ、私にはあの蜘蛛が出してる糸が絡まってアンティカがおかしくなったように見えたわよ?」
『アンティカは元々が古の時代の発掘品……ここのやつらの方がその扱いを知っててもおかしくは……ない』
まあ、そうだとは思ったよ。アンティカには謎の部分多いからね。
「何か緊急停止ボタンとかない訳?」
『それを成すのがゼロという仮想人格じゃったんじゃが……』
ネジマキ博士の声が重い。それもそうか……きこえてくる亜子の声からはゼロは機能してないっぽいからね。けどこのままじゃグルダフがヤバい。私達の周りにいる兵もグルダフをフォローしようとしてるけど、アンティカを傷つける訳にもいかないから無駄撃ちだ。どうにかして亜子が止めてくれるのが一番なんだけど……それかやっばりあの蜘蛛を倒すのがいいのかも。空から糸を常に垂らし続けてる魔法陣はあの蜘蛛共がやってると私は見てる。
もしかしてたら別の何かがやってるのかもだけど、あの蜘蛛は反撃とか何もしないからね。あの魔法陣を維持してるように見えるんだよね。それしか命令されてないのかも。
『むむ、やはりそうか……』
「ゼロを止める手立てでも見つかったの?」
『いや、それは全くじゃ』
全くなのかよ。使えない奴である。人種最高の天才と呼ばれてても古代の超技術の前では……ね。ここに来たことを無駄にしないためにも、こんな所で死ぬわけにはいかないし、もう少し頑張って貰いたい。
『じゃが、この糸――か? が浸食しておるのは確かなようじゃな。陣を染めようとしておるようじゃ。この籠は時間かかっとる用じゃがな』
「じゃあやっぱりアンティカは……」
『そうじゃな。ここの奴らにとってアンティカは所縁があるんじゃろうな。じゃから真っ先にアンティカが操られておるんじゃろう』
一番の戦力が一番に奪われるとかあっちゃならないよね。しょうがない……
「キララ、出番よ」
「けが人は逐一癒してるよ?」
「そんなマナの無駄みたい事しなくていいわよ」
そもそも私のマナだからって湯水のように使い過ぎなのよキララは。普通なら軽い怪我程度を次々と治すだけで魔力は枯渇する物だ。だから普通の癒し手はある程度の大けがくらいじゃないと出番が来ないのが普通だ。だって回復魔法とかけっこうずるく、奥の手みたいなものだ。キララはそんな常識を打ち破ってるけどさ……ここのマナは特殊だから、その内キララへの供給にもこれが混ざると話が変わる可能性はある。まあとりあえず世界樹のマナを優先するけど、約束の地へと来てから少し世界樹を遠く感じるんだよね。
こんな事は今までなかった。多分、この約束の地を隠す為の魔法とかの影響だろう。ここは何が出てくるか全くわからないんだ。あんまり無駄を許してる訳にもいかないよ。
「集中して空を見て。魔法陣が見えない?」
「……ん……確かに見えるわよ。けど、あんな陣見たことない」
「ふうん」
魔法陣なんて意味わからない物だから、私的には違いは形とか陣自体の規模の大きさとかでしか判断してない。けど、キララとかネジマキ博士とかは違うみたい。魔法陣にはちゃんとした意味があるみたい。
「キララはアレを壊しなさい」
「はあ? あんな初めてみる陣を解析して分解しろっていうの?」
「は?」
なにそれ? 全くちょっと賢くなったからって難しい事を言わないで欲しい。私はそんな事は行ってない。壊せと言ったのだ。
「違うわよ。壊せばいいだけ。マナを直接流し込めばいけるでしょ」
「そんな単純じゃないわよ!」
何故かキララの奴がキレてる。何? 女の子の日だった? かっかしゃってみっともない。それから何やら単純じゃない理由をキララは語ってたけど、私には聞く気がないから流してた。
「つべこべ言わずにやりなさい。残りの兵は蜘蛛に攻撃を仕掛けなさい。倒せとは言わないわ。キララが陣を破壊するまで耐えるの」
「しょうがないわね」
そういってキララは外にいく。すると外ではアナハとティアラが待ってた。
「お手伝いしますわキララ」
「ん、私の……魔眼が役に立つ……筈」
「お願い二人とも」
三人で魔法陣に向けての攻撃を開始するキララ達。良い仲間を持ったようでよかったよ。そして更に通信が入る。それは国軍の部隊からだ。
「牽制だけとの事だが……ラーゼ殿、倒せるのなら倒してしまっていいのだろう?」
何かのフラグが立ちそうなセリフをいってきた。面白そうだし「いいよー」って言ってやったよ。国軍なら私には何も関係ないからね。
「ぬおおおおおお!!」
飛び上がったグルダフがそんな雄たけびを上げてそのデカい斧を振りかぶる。その強力な一撃でなんとか剣を弾くことが出来た。流石はグルダフだ。けど今のでグルダフの体にも大量の糸が絡まった。それが不安要素。でもこの糸は私にしか見えていないみたいだから、この不安を誰かと共有できないのが痛い。だって私だけが不安を抱え込むとかなんか損した気分じゃん。でも今の所アンティカ以外に変な行動を起こしてる奴はみえない。
「博士、アンティカが変よ」
『わかっておるわい。じゃがここからでは何も……』
歯噛みしそうなネジマキ博士の声が届く。実際歯噛みしてそうだね。とりあえず私は見えた事を伝えた。
『糸……か?』
「ええ、私にはあの蜘蛛が出してる糸が絡まってアンティカがおかしくなったように見えたわよ?」
『アンティカは元々が古の時代の発掘品……ここのやつらの方がその扱いを知っててもおかしくは……ない』
まあ、そうだとは思ったよ。アンティカには謎の部分多いからね。
「何か緊急停止ボタンとかない訳?」
『それを成すのがゼロという仮想人格じゃったんじゃが……』
ネジマキ博士の声が重い。それもそうか……きこえてくる亜子の声からはゼロは機能してないっぽいからね。けどこのままじゃグルダフがヤバい。私達の周りにいる兵もグルダフをフォローしようとしてるけど、アンティカを傷つける訳にもいかないから無駄撃ちだ。どうにかして亜子が止めてくれるのが一番なんだけど……それかやっばりあの蜘蛛を倒すのがいいのかも。空から糸を常に垂らし続けてる魔法陣はあの蜘蛛共がやってると私は見てる。
もしかしてたら別の何かがやってるのかもだけど、あの蜘蛛は反撃とか何もしないからね。あの魔法陣を維持してるように見えるんだよね。それしか命令されてないのかも。
『むむ、やはりそうか……』
「ゼロを止める手立てでも見つかったの?」
『いや、それは全くじゃ』
全くなのかよ。使えない奴である。人種最高の天才と呼ばれてても古代の超技術の前では……ね。ここに来たことを無駄にしないためにも、こんな所で死ぬわけにはいかないし、もう少し頑張って貰いたい。
『じゃが、この糸――か? が浸食しておるのは確かなようじゃな。陣を染めようとしておるようじゃ。この籠は時間かかっとる用じゃがな』
「じゃあやっぱりアンティカは……」
『そうじゃな。ここの奴らにとってアンティカは所縁があるんじゃろうな。じゃから真っ先にアンティカが操られておるんじゃろう』
一番の戦力が一番に奪われるとかあっちゃならないよね。しょうがない……
「キララ、出番よ」
「けが人は逐一癒してるよ?」
「そんなマナの無駄みたい事しなくていいわよ」
そもそも私のマナだからって湯水のように使い過ぎなのよキララは。普通なら軽い怪我程度を次々と治すだけで魔力は枯渇する物だ。だから普通の癒し手はある程度の大けがくらいじゃないと出番が来ないのが普通だ。だって回復魔法とかけっこうずるく、奥の手みたいなものだ。キララはそんな常識を打ち破ってるけどさ……ここのマナは特殊だから、その内キララへの供給にもこれが混ざると話が変わる可能性はある。まあとりあえず世界樹のマナを優先するけど、約束の地へと来てから少し世界樹を遠く感じるんだよね。
こんな事は今までなかった。多分、この約束の地を隠す為の魔法とかの影響だろう。ここは何が出てくるか全くわからないんだ。あんまり無駄を許してる訳にもいかないよ。
「集中して空を見て。魔法陣が見えない?」
「……ん……確かに見えるわよ。けど、あんな陣見たことない」
「ふうん」
魔法陣なんて意味わからない物だから、私的には違いは形とか陣自体の規模の大きさとかでしか判断してない。けど、キララとかネジマキ博士とかは違うみたい。魔法陣にはちゃんとした意味があるみたい。
「キララはアレを壊しなさい」
「はあ? あんな初めてみる陣を解析して分解しろっていうの?」
「は?」
なにそれ? 全くちょっと賢くなったからって難しい事を言わないで欲しい。私はそんな事は行ってない。壊せと言ったのだ。
「違うわよ。壊せばいいだけ。マナを直接流し込めばいけるでしょ」
「そんな単純じゃないわよ!」
何故かキララの奴がキレてる。何? 女の子の日だった? かっかしゃってみっともない。それから何やら単純じゃない理由をキララは語ってたけど、私には聞く気がないから流してた。
「つべこべ言わずにやりなさい。残りの兵は蜘蛛に攻撃を仕掛けなさい。倒せとは言わないわ。キララが陣を破壊するまで耐えるの」
「しょうがないわね」
そういってキララは外にいく。すると外ではアナハとティアラが待ってた。
「お手伝いしますわキララ」
「ん、私の……魔眼が役に立つ……筈」
「お願い二人とも」
三人で魔法陣に向けての攻撃を開始するキララ達。良い仲間を持ったようでよかったよ。そして更に通信が入る。それは国軍の部隊からだ。
「牽制だけとの事だが……ラーゼ殿、倒せるのなら倒してしまっていいのだろう?」
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