美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Δ9
私の前には死体が横たわってる。それは『シャグリラン』という種の死体だ。大体の見た目は人種とそこまで変わりはないけど、顎から首にかけてはやはり目立ってる。そこには人種にはない物があるからだ。それは結晶というべき物。上着を剥げば、この結晶が体全体になのか、それとも一部だけこうなってるのかとかわかるだろう。けどまだそこまでやってないみたい。このシャグリラン達は私があの時見た格好のまま、寝かせられてる。
「お手数をかけて申し訳ございませんラーゼ様」
そういってくるのはこの回収班……というか捜索班を率いた彼だ。グルダフからはなかなかに優秀だと聞いてる。こうやって話すのは初めてだけど。今はサイオスの上司に当たるのかな? まあ厳密にはサイオスは軍人って訳でもないけど。捕虜? 人質? そんなのが適切な気がする。
「ううん、そっちこそ休んでないんじゃない? 大丈夫?」
「つっ……勿体ないお言葉です。
彼は何かをかみしめる様に体を震わせてお辞儀をしてる。どうやら私の労いの言葉が相当彼の心に響いたようだ。まあ私、美少女だしね。それもそこら辺のとは一線を画す程のだから、彼の感動もひとしおだろう。わかるわかる。なんかちょっとかわいく思えたからお辞儀しても少し高い頭をなでなでしてやった。
「ラッ……ゼ――様」
感動に打ち震える彼はそのまま足が俺てプシュウーと魂が抜けたかの様になってしまった。なんかヤバそうだけど、大丈夫、顔だけはすごく幸せそうだからね。どうやら私との接触は彼には早すぎたみたいだ。私が美しすぎて、トリップしちゃう人って実は結構いるからね。
「ラーゼ! 俺にも、いや、寧ろ俺だけに!!」
「いや、あんたなんか暑苦しいし」
犬の様にせがんでくるサイオスは華麗にスルーする。こいつに甘い顔はダメなのだ。すぐ調子乗って婚姻の契りだとか言い出すからね。私があんたを受け入れる事はないのに、こいつは当然受け入れる物だと信じて疑ってない。バカって怖い。
「しょうがないからあんたが説明しなさい」
「よし、任せろ!」
私が声を掛ける度に目を輝かせるサイオス。なんか尻尾振ってる犬みたいだ。まあ犬としても忠犬とは言えない……駄犬だけどね。とりあえずサイオスから事の概要はきけた。けどこいつ、私に良い所をアピールする為か、なんか自分の活躍を殊更大袈裟に話すから疲れた。かいつまんで話さんかい。こういう所が面倒だよね。ポイント低い。
「けどアスコット領か……あんがい近い……いや、当然なのかな?」
私が精神だけ飛んだあの場所はアスコット領の外れの森に隠されてた場所らしい。人種の領域で活動してたんだから、その中に拠点があってもおかしくないよね。この世界には防犯カメラとかはない訳だし、どこにだってその気になれば隠れれる。
「それにしても案外早かったんじゃない?」
あの日からそれなりに日は経ってるけどさ、なんの手掛かりもなくよく見つけれたよ。
「それは俺が居たからに他ならない」
そういって胸を張るサイオス。あっ、これメンドイ奴だって私は察した。けど今回はきかない訳にもいかないから、野暮な突っ込みはやめてあげた。そしてサイオスは身振り手振りを踏まえて語りだす。
「お手数をかけて申し訳ございませんラーゼ様」
そういってくるのはこの回収班……というか捜索班を率いた彼だ。グルダフからはなかなかに優秀だと聞いてる。こうやって話すのは初めてだけど。今はサイオスの上司に当たるのかな? まあ厳密にはサイオスは軍人って訳でもないけど。捕虜? 人質? そんなのが適切な気がする。
「ううん、そっちこそ休んでないんじゃない? 大丈夫?」
「つっ……勿体ないお言葉です。
彼は何かをかみしめる様に体を震わせてお辞儀をしてる。どうやら私の労いの言葉が相当彼の心に響いたようだ。まあ私、美少女だしね。それもそこら辺のとは一線を画す程のだから、彼の感動もひとしおだろう。わかるわかる。なんかちょっとかわいく思えたからお辞儀しても少し高い頭をなでなでしてやった。
「ラッ……ゼ――様」
感動に打ち震える彼はそのまま足が俺てプシュウーと魂が抜けたかの様になってしまった。なんかヤバそうだけど、大丈夫、顔だけはすごく幸せそうだからね。どうやら私との接触は彼には早すぎたみたいだ。私が美しすぎて、トリップしちゃう人って実は結構いるからね。
「ラーゼ! 俺にも、いや、寧ろ俺だけに!!」
「いや、あんたなんか暑苦しいし」
犬の様にせがんでくるサイオスは華麗にスルーする。こいつに甘い顔はダメなのだ。すぐ調子乗って婚姻の契りだとか言い出すからね。私があんたを受け入れる事はないのに、こいつは当然受け入れる物だと信じて疑ってない。バカって怖い。
「しょうがないからあんたが説明しなさい」
「よし、任せろ!」
私が声を掛ける度に目を輝かせるサイオス。なんか尻尾振ってる犬みたいだ。まあ犬としても忠犬とは言えない……駄犬だけどね。とりあえずサイオスから事の概要はきけた。けどこいつ、私に良い所をアピールする為か、なんか自分の活躍を殊更大袈裟に話すから疲れた。かいつまんで話さんかい。こういう所が面倒だよね。ポイント低い。
「けどアスコット領か……あんがい近い……いや、当然なのかな?」
私が精神だけ飛んだあの場所はアスコット領の外れの森に隠されてた場所らしい。人種の領域で活動してたんだから、その中に拠点があってもおかしくないよね。この世界には防犯カメラとかはない訳だし、どこにだってその気になれば隠れれる。
「それにしても案外早かったんじゃない?」
あの日からそれなりに日は経ってるけどさ、なんの手掛かりもなくよく見つけれたよ。
「それは俺が居たからに他ならない」
そういって胸を張るサイオス。あっ、これメンドイ奴だって私は察した。けど今回はきかない訳にもいかないから、野暮な突っ込みはやめてあげた。そしてサイオスは身振り手振りを踏まえて語りだす。
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