美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ149
――マナを感じる――
――純なマナの力――
――謎――
――疑問――
――人種に発せれるマナではない――
――何者?――
――あれの手先か?――
沼地にこだまする無数の声。突如光出した紋章のマナに敏感に反応してるガイア達の空気が次第に不穏になってくのを私は感じ取ってた。だから私は必死にこういう。
「違う! 私達は貴方達に何かをする気なんて――」
――我らの死までも蹂躙――
――魔王、貴様という奴は――
魔王? それってこれからこの世界を滅茶苦茶にするであろうとかラーゼ様がいってたあの魔王? その魔王がガイア達をこうしたのか……けどその魔王の関係者とか思われてるのは心外だ。凄い誤解だし……なにやら沼が振動しだしてびちゃびちゃと鳴り始めてる。まずいよ……立てなくなってきた。
「お願いします! 聞いて! 私達は魔王なんか知らない!!」
――否、そのマナを流せるのは魔王――
――我ら、忘れるなかれ――
まずい……どういう訳か、この紋章を通して流れてる力が魔王の力と同じと勘違いされてるみたいだ。けどだからってどうやってこの輝きを止めればいいかなんてわからない。そもそもがなんで勝手に輝きだしたのかがわからない。何かに反応してるんだろうか?
「そんな……」
いつの間にか私達の周りにはびっちりと岩が集まってた。それは岩に見える種ガイア。それは隙間なく私達の周囲を囲んでる。動いてる素振りなんて一切なかったのに……いつのまにかこの状況だ。
――まだ、貴様を巻き込むくらいの力、我らにはある――
そんな言葉がこだましたと思ったら、岩がどんどんと赤くなってく。それは熱となり私達にも伝わってくる。
「まさか……自爆!?」
ガイア達にはもうほとんど力が残ってないんだろう。それは今までの言葉でわかる。最後の足掻きとして何が出来るか……それはもう自爆一択しかこいつらにはないんだ。けど……そんな、こんなのにまきこまれる私達はいい迷惑だ! こんなの……こんな所で……肌が焼けるような痛みが走る。服も乾くのを通り越してチリチリと言い出した。沼が沸騰しだしたのかグツグツと唸ってる。
「ラーゼ様……」
私はフィリーの頭を抱いて天を仰ぐ。何も見えないけど、あの人に届いて欲しくて……
「届くわよ……」
「フィリー?」
目が覚めたのか、フィリーがそう呟いた。そしてその紋章が光る手を空へと掲げてもう一つの、最後の魔法を使う。
「マナの福音」
その瞬間、私達を包むほどのマナが天に向かって流れ出した。
――力が――
――我らの力がただの意思なきマナに――
――流される――
――むかえの時か――
――マナの本流の音が聞こえる――
私達には何も聞こえない。けど、ガイアには何かが聞こえてるのだろうか? それが福音なのかどうかは私達にはわからない。けど……本流ってまさか!? 私ははっとして光が昇る空に目を凝らす。
「アレは……」
何かが見える。いや何かじゃない。私達の希望だ。
彼女は沼地に一直線に落ちてきた。そしてその瞬間、何かが溢れた。それはきっとマナだったんだろう。とてつもなく巨大で、けど物凄く豊潤で心地よいマナが周囲を満たす。目を閉じて……そしてあけた時には辺り一面が淡く光る色とりどりの花が咲き誇ってた。もうここは沼地ではない。満開のお花畑へとなってたんだ。そして彼女はいってくれる。私達が欲してやまないそのほほえみを称えて――
「お待たせ」
――と。
――純なマナの力――
――謎――
――疑問――
――人種に発せれるマナではない――
――何者?――
――あれの手先か?――
沼地にこだまする無数の声。突如光出した紋章のマナに敏感に反応してるガイア達の空気が次第に不穏になってくのを私は感じ取ってた。だから私は必死にこういう。
「違う! 私達は貴方達に何かをする気なんて――」
――我らの死までも蹂躙――
――魔王、貴様という奴は――
魔王? それってこれからこの世界を滅茶苦茶にするであろうとかラーゼ様がいってたあの魔王? その魔王がガイア達をこうしたのか……けどその魔王の関係者とか思われてるのは心外だ。凄い誤解だし……なにやら沼が振動しだしてびちゃびちゃと鳴り始めてる。まずいよ……立てなくなってきた。
「お願いします! 聞いて! 私達は魔王なんか知らない!!」
――否、そのマナを流せるのは魔王――
――我ら、忘れるなかれ――
まずい……どういう訳か、この紋章を通して流れてる力が魔王の力と同じと勘違いされてるみたいだ。けどだからってどうやってこの輝きを止めればいいかなんてわからない。そもそもがなんで勝手に輝きだしたのかがわからない。何かに反応してるんだろうか?
「そんな……」
いつの間にか私達の周りにはびっちりと岩が集まってた。それは岩に見える種ガイア。それは隙間なく私達の周囲を囲んでる。動いてる素振りなんて一切なかったのに……いつのまにかこの状況だ。
――まだ、貴様を巻き込むくらいの力、我らにはある――
そんな言葉がこだましたと思ったら、岩がどんどんと赤くなってく。それは熱となり私達にも伝わってくる。
「まさか……自爆!?」
ガイア達にはもうほとんど力が残ってないんだろう。それは今までの言葉でわかる。最後の足掻きとして何が出来るか……それはもう自爆一択しかこいつらにはないんだ。けど……そんな、こんなのにまきこまれる私達はいい迷惑だ! こんなの……こんな所で……肌が焼けるような痛みが走る。服も乾くのを通り越してチリチリと言い出した。沼が沸騰しだしたのかグツグツと唸ってる。
「ラーゼ様……」
私はフィリーの頭を抱いて天を仰ぐ。何も見えないけど、あの人に届いて欲しくて……
「届くわよ……」
「フィリー?」
目が覚めたのか、フィリーがそう呟いた。そしてその紋章が光る手を空へと掲げてもう一つの、最後の魔法を使う。
「マナの福音」
その瞬間、私達を包むほどのマナが天に向かって流れ出した。
――力が――
――我らの力がただの意思なきマナに――
――流される――
――むかえの時か――
――マナの本流の音が聞こえる――
私達には何も聞こえない。けど、ガイアには何かが聞こえてるのだろうか? それが福音なのかどうかは私達にはわからない。けど……本流ってまさか!? 私ははっとして光が昇る空に目を凝らす。
「アレは……」
何かが見える。いや何かじゃない。私達の希望だ。
彼女は沼地に一直線に落ちてきた。そしてその瞬間、何かが溢れた。それはきっとマナだったんだろう。とてつもなく巨大で、けど物凄く豊潤で心地よいマナが周囲を満たす。目を閉じて……そしてあけた時には辺り一面が淡く光る色とりどりの花が咲き誇ってた。もうここは沼地ではない。満開のお花畑へとなってたんだ。そして彼女はいってくれる。私達が欲してやまないそのほほえみを称えて――
「お待たせ」
――と。
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