美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ130
「じゃあ行くよ」
私は皆にそう言って視線を巡らせる。そんな視線に皆は頷いてくれた。私はショートポイントの魔法を発動させて、扉の小窓からこの部屋の外を見る。見張りはいないことは確認済み。巡回もしてないみたい。あれから四人で一生懸命耳を澄ましたけど、足音の類は近くでは聞こえてこなかった。多分私達の事を侮ってるんだろう。小娘四人で何が出来るのかって。確かにそれは間違ってなんかない。私達は戦えないし、そこら辺の女の子よりは鍛えてるけど、それは戦う為ではない。たくさんの人達を虜にするためだ。
(確かにこんな私達が牙をむくなんて思わないか)
自分で思っててそう思った。自分で言うのもなんだけど、私達はか弱い。それは確かなんだ。私は扉の向こうにポイントを指定する。この魔法を使うと、周りにマス目が見える。多分視界に映る範囲……このマス目が広がってる範囲にはショートポイントが使えるって事だろう。マスの一つを選択して、私は発動を頭で唱えた。すると私と手を繋いでた皆が同時に薄く発光する。そして一瞬視界が消えたと思ったら、扉の外に私達はいた。
「成功したみたいだな」
「当然」
そう言っては見たけど、魔法何て初めて使ったから結構安心した。だってこれで失敗したら、ミラのファイヤで扉を焼く案とかあったからね。けど流石に焼いたら煙とかでバレると思う。それは最終手段だったのだ。なのでショートポイントが成功した今、最終手段は使わずに済んだ。
「それじゃあ、気配消しも行くよ」
私は続けざまにもう一つの魔法も使う。紋章から出てきたシャワーの様な光が私達全体に降り注ぐ。これで私達の気配は消えた筈だ。なんだか白い膜が体の周りについてるから、これがついてる限りは魔法の効果が続いてるってことなんだろう。
「シシちゃんー体は何ともないー?」
「大丈夫みたいです」
「そっかそっかあーよかったー」
フィリー姉さま、それは私へのねぎらいの言葉ですか? それともこれで自分も大丈夫っていう確認ですか? てかフィリー姉さまは常に絶対防御を掛けて置いて欲しいんですけど? だっていくら気配消しを掛けててもばれる可能性はあるだろう。見付かった時、いきなり殺される……なんてことはないと思いたいけど、私達は四人いる。最悪、人質は一人でいいと思われたら? 三人は案外簡単に殺されるかもしれない。
「これで安心ですよね。フィリー姉さまも魔法お願いします」
「けどー絶対防御ってかなり凄い魔法みたいだしー、効果が続く系なのー?」
確かに絶対防御とかいう名前からしてかなりの魔法みたいな気はする。でもそれなら私のショートポイントも結構な凄さだと思う。こういう時、ラーゼ様は自重なんてしないと思う。なのでとりあえずフィリー姉さまを促す。
「とりあえずやってみましょう。ここからはいざという時を想定しないと」
「そうだ――ねー」
何やら、一瞬真面目そうな目をしたけど、フィリー姉さまは最後は猫被った声を出した。いつもの自分を演じる事で、なんとか持ってるのかもしれない。そんな神経質そうな性格でもなさそうだけど……
「絶対防御ーー」
そんなフィリー姉さまの声と共に、私達の周りに、格子状の透明な壁が形成される。この中なら絶対に安全……ということかな。
「大丈夫ですかフィリー姉さま?」
「今のところはねー」
やっぱり私達は自身の力を使ってるわけじゃないみたい。普通魔法を使うには体内のマナを使うものだ。だからこそ、使う度に疲れたりすると聞く。でも私達にその兆しはない。私達が使ってる魔法は私達の力じゃなく、紋章を通してどこかからかエネルギーを供給されてるとみていい。これならガンガン使えるね。魔法を出し惜しみしなくていいとわかったら、少しは気が楽になる。私達は通路の先に進みだす。
私は皆にそう言って視線を巡らせる。そんな視線に皆は頷いてくれた。私はショートポイントの魔法を発動させて、扉の小窓からこの部屋の外を見る。見張りはいないことは確認済み。巡回もしてないみたい。あれから四人で一生懸命耳を澄ましたけど、足音の類は近くでは聞こえてこなかった。多分私達の事を侮ってるんだろう。小娘四人で何が出来るのかって。確かにそれは間違ってなんかない。私達は戦えないし、そこら辺の女の子よりは鍛えてるけど、それは戦う為ではない。たくさんの人達を虜にするためだ。
(確かにこんな私達が牙をむくなんて思わないか)
自分で思っててそう思った。自分で言うのもなんだけど、私達はか弱い。それは確かなんだ。私は扉の向こうにポイントを指定する。この魔法を使うと、周りにマス目が見える。多分視界に映る範囲……このマス目が広がってる範囲にはショートポイントが使えるって事だろう。マスの一つを選択して、私は発動を頭で唱えた。すると私と手を繋いでた皆が同時に薄く発光する。そして一瞬視界が消えたと思ったら、扉の外に私達はいた。
「成功したみたいだな」
「当然」
そう言っては見たけど、魔法何て初めて使ったから結構安心した。だってこれで失敗したら、ミラのファイヤで扉を焼く案とかあったからね。けど流石に焼いたら煙とかでバレると思う。それは最終手段だったのだ。なのでショートポイントが成功した今、最終手段は使わずに済んだ。
「それじゃあ、気配消しも行くよ」
私は続けざまにもう一つの魔法も使う。紋章から出てきたシャワーの様な光が私達全体に降り注ぐ。これで私達の気配は消えた筈だ。なんだか白い膜が体の周りについてるから、これがついてる限りは魔法の効果が続いてるってことなんだろう。
「シシちゃんー体は何ともないー?」
「大丈夫みたいです」
「そっかそっかあーよかったー」
フィリー姉さま、それは私へのねぎらいの言葉ですか? それともこれで自分も大丈夫っていう確認ですか? てかフィリー姉さまは常に絶対防御を掛けて置いて欲しいんですけど? だっていくら気配消しを掛けててもばれる可能性はあるだろう。見付かった時、いきなり殺される……なんてことはないと思いたいけど、私達は四人いる。最悪、人質は一人でいいと思われたら? 三人は案外簡単に殺されるかもしれない。
「これで安心ですよね。フィリー姉さまも魔法お願いします」
「けどー絶対防御ってかなり凄い魔法みたいだしー、効果が続く系なのー?」
確かに絶対防御とかいう名前からしてかなりの魔法みたいな気はする。でもそれなら私のショートポイントも結構な凄さだと思う。こういう時、ラーゼ様は自重なんてしないと思う。なのでとりあえずフィリー姉さまを促す。
「とりあえずやってみましょう。ここからはいざという時を想定しないと」
「そうだ――ねー」
何やら、一瞬真面目そうな目をしたけど、フィリー姉さまは最後は猫被った声を出した。いつもの自分を演じる事で、なんとか持ってるのかもしれない。そんな神経質そうな性格でもなさそうだけど……
「絶対防御ーー」
そんなフィリー姉さまの声と共に、私達の周りに、格子状の透明な壁が形成される。この中なら絶対に安全……ということかな。
「大丈夫ですかフィリー姉さま?」
「今のところはねー」
やっぱり私達は自身の力を使ってるわけじゃないみたい。普通魔法を使うには体内のマナを使うものだ。だからこそ、使う度に疲れたりすると聞く。でも私達にその兆しはない。私達が使ってる魔法は私達の力じゃなく、紋章を通してどこかからかエネルギーを供給されてるとみていい。これならガンガン使えるね。魔法を出し惜しみしなくていいとわかったら、少しは気が楽になる。私達は通路の先に進みだす。
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