美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ122
「脆い……人種とは本当に……」
血だまりの中でそいつはそういう。一体こいつは……けどそんな事を考えてる場合ではない。
「逃げてくださいラーゼ様!」
「アイツはヤバい……そのくらい自分たちにもわかります」
犬一と犬さんの言葉は私だって感じてたことだ。確かに逃げるが最善手だけど……逃げれる気がしないのもまた事実。きっと逃げれないそれを犬達もわかってる。それでも逃げろという事は、その命を懸けて私を逃がす気って事だろう。けど……私は地に伏せた大量の冒険者達をみる。
「あんた達の命位じゃ、一秒だって稼げそうにないんだけど?」
「それは……」
犬達に戦闘力はない。戦闘力があった冒険者達があっという間にやられたんだ……犬たちではぞれこそ一瞬でその命を散らすだろうことは明白。
「お前は……」
冒険者達の屍……いや、まだ辛うじて息はあるそれの頂きにいるそいつが私に片眼だけ見せてそう紡ぐ。その目は冷酷で、底冷えしてる深海の様な蒼い色をしてる。背筋がゾクゾクしちゃうね。こんな感覚久々だよ。
「人種なのか? それとも――」
「あんたこそなにもっ――っつ!?」
いつの間にか私の左肩に奴の刃が刺さってた。あいつは移動してはない。硬そうに見えてた黒い刃がしなやかに伸びてる。そんな機能まであるなんて……
「血は赤いようだな」
「ちょっと私の体に不用意に傷を増やさないでくれる?」
そもそも血が赤いのは首の傷でわかるでしょ。こいつ、女の子をいたぶって遊ぶ変態?
「ラーゼ様! 早くそれを抜かないと!」
「貴様! ななな……なんてことを!」
犬達は震えてる。それでも気丈にしてるのは、もう自分達しかいないからだろう。けど犬さん、あんまりあいつを挑発しちゃダメ。なんとか時間を稼がないと……
「落ち着きなさい。このくらいどうってことないわ」
私はいつもの様に勝気な表情を見せる。けど本当はめちゃ痛い。そりゃそうだ。だって貫通してるし……やっぱり私の防御は意味を成してないみたい。
「貴様は外れなのだな。なら……女神と呼ばれるほうか?」
なんのこと? てかそれってキララでしょ。キララの力は私の力だ。私がハズレな訳ない。少しカチンときたわよ。この野郎。
「私がハズレ……随分な言い草じゃない」
「「ラーゼ様?」」
私は自分を貫いてる黒い刃を右手で掴んで前を見据える。そんな私を訝しんでるのは犬達だけじゃない。奴も雰囲気が変わった私がわかるのだろう。
「人種程度では何をしようと……」
「人種程度ですって? 誰を差して言ってるのよ。あまつさえキララより私が下とか……笑っちゃうほどの勘違いなのよ!」
私の周りに濃いマナが集まって輝きだす。出来るかはわからないけど、少しでも魔法の感覚を掴んでてよかったよ。この黒い刃、奴のマナが流れてる。確かにそれは精強なマナだ。けど私は圧倒的な量を持つ。
「これほどのマナ……」
引き抜こうとするがそれを私はゆるさない。圧倒的なマナで奴のマナを掴み私は大地に根差す大樹の如くマナを絡める。
「ラーゼ様これは!?」
「もう……止められないから、動くんじゃないわよ」
流石に一気にここまで出すと勢いが強すぎてどうしようもない。自爆に近い形になるけど……なんとか犬たちと冒険者達は守ってみせる。真っ白に包まれる空間で私はいうよ。
「あんたは私が直々に倒してあげる」
その瞬間、溢れたマナが大爆発を起こす。この日、二度目の地形変化にそれはなった。
血だまりの中でそいつはそういう。一体こいつは……けどそんな事を考えてる場合ではない。
「逃げてくださいラーゼ様!」
「アイツはヤバい……そのくらい自分たちにもわかります」
犬一と犬さんの言葉は私だって感じてたことだ。確かに逃げるが最善手だけど……逃げれる気がしないのもまた事実。きっと逃げれないそれを犬達もわかってる。それでも逃げろという事は、その命を懸けて私を逃がす気って事だろう。けど……私は地に伏せた大量の冒険者達をみる。
「あんた達の命位じゃ、一秒だって稼げそうにないんだけど?」
「それは……」
犬達に戦闘力はない。戦闘力があった冒険者達があっという間にやられたんだ……犬たちではぞれこそ一瞬でその命を散らすだろうことは明白。
「お前は……」
冒険者達の屍……いや、まだ辛うじて息はあるそれの頂きにいるそいつが私に片眼だけ見せてそう紡ぐ。その目は冷酷で、底冷えしてる深海の様な蒼い色をしてる。背筋がゾクゾクしちゃうね。こんな感覚久々だよ。
「人種なのか? それとも――」
「あんたこそなにもっ――っつ!?」
いつの間にか私の左肩に奴の刃が刺さってた。あいつは移動してはない。硬そうに見えてた黒い刃がしなやかに伸びてる。そんな機能まであるなんて……
「血は赤いようだな」
「ちょっと私の体に不用意に傷を増やさないでくれる?」
そもそも血が赤いのは首の傷でわかるでしょ。こいつ、女の子をいたぶって遊ぶ変態?
「ラーゼ様! 早くそれを抜かないと!」
「貴様! ななな……なんてことを!」
犬達は震えてる。それでも気丈にしてるのは、もう自分達しかいないからだろう。けど犬さん、あんまりあいつを挑発しちゃダメ。なんとか時間を稼がないと……
「落ち着きなさい。このくらいどうってことないわ」
私はいつもの様に勝気な表情を見せる。けど本当はめちゃ痛い。そりゃそうだ。だって貫通してるし……やっぱり私の防御は意味を成してないみたい。
「貴様は外れなのだな。なら……女神と呼ばれるほうか?」
なんのこと? てかそれってキララでしょ。キララの力は私の力だ。私がハズレな訳ない。少しカチンときたわよ。この野郎。
「私がハズレ……随分な言い草じゃない」
「「ラーゼ様?」」
私は自分を貫いてる黒い刃を右手で掴んで前を見据える。そんな私を訝しんでるのは犬達だけじゃない。奴も雰囲気が変わった私がわかるのだろう。
「人種程度では何をしようと……」
「人種程度ですって? 誰を差して言ってるのよ。あまつさえキララより私が下とか……笑っちゃうほどの勘違いなのよ!」
私の周りに濃いマナが集まって輝きだす。出来るかはわからないけど、少しでも魔法の感覚を掴んでてよかったよ。この黒い刃、奴のマナが流れてる。確かにそれは精強なマナだ。けど私は圧倒的な量を持つ。
「これほどのマナ……」
引き抜こうとするがそれを私はゆるさない。圧倒的なマナで奴のマナを掴み私は大地に根差す大樹の如くマナを絡める。
「ラーゼ様これは!?」
「もう……止められないから、動くんじゃないわよ」
流石に一気にここまで出すと勢いが強すぎてどうしようもない。自爆に近い形になるけど……なんとか犬たちと冒険者達は守ってみせる。真っ白に包まれる空間で私はいうよ。
「あんたは私が直々に倒してあげる」
その瞬間、溢れたマナが大爆発を起こす。この日、二度目の地形変化にそれはなった。
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