美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ110
私は幽霊みたいなそいつにイライラする。そこでグッと堪える――なんて性格でもないから私は口を開くよ。
「ちょっと、こっちにも何か言う事あるんじゃない」
私のそんな言葉にその幽霊みたいなのはこっちに顔を向けた。まあ顔といってもそこが顔らしいだけで、顔みたいなパーツはない。だってなんとなく人型に見えるだけだからね。
「感謝……してます」
一応頭を下げたけど、なんか含みがある感じだった。私はそういうのには敏感なのだよ。
「まさか本当に真龍様との繋がりをお持ちとは……恐れ入ります。それにここは……」
そう言ってその幽霊は周囲をキョロキョロしだす。うーん、どう反応したらいいのか困るな。そもそもなんか見た目が曖昧だから、こっちの感情まで曖昧に感じるというか……いや怒りは確かにあるんだけどね。
『おいラーゼ』
私の頭に直接響く声。ゼルが何故か声に出さずに話しかけてきた。
(何?)
私は意識せずに心の中で返事する。ゼルとは魂の回廊が繋がってるから、別段声を出す必要はない。
『こいつはお前が連れてきた訳ではないよな?』
(そう見える?)
『なら、食うか』
簡単に解決策を出してくれるゼル。流石は最強は言う事違うね。確かにゼルならそれができそうだ。相手は曖昧な存在だけど、ゼルのマナは圧倒的。マナはより巨大なマナに併合する。なのでゼルならあんな存在を食う事なんて造作もないはず。あいつには戦闘の意思はなさそうだけど、そんなの私たちには関係ない。そもそもがゼルと私の繋がりを知られたのが不味い。いや何か不味くなるのかっていえば別段わからないんだけど……なんかゼルの事は特別な秘密な気がしてたからね。
こんなよくわからない奴に知られるのはやっぱりなんか癪だ。
(確かにそれはするけど、一応こいつが何の為にこんな事したのかは知っときたい)
『ふん、お前がそういうのならしばし待とう』
ゼルはそういってくれた。てかその言い方ならなんか予想でもありそうだけど。まあけどいいか……なんかあいつがさっきから言ってるし、そっちに意識を向けよう。
「偉大なる真龍様。どうかその力を我らにもお貸しいただきたく――」
そんな事を平伏しながら言ってる。どうやら、ゼルの力が欲しいみたいだね。
『何故に我がそんな事をしなければならない?』
ごもっともなゼルの言葉だね。ほんと何者かもわからない奴に手を貸す程にゼルもお人よしではない。けどどうやら自分の事はあまり話したくないのか、私を引き合いに出し始めた。
「そこの人種などよりも、我らの方がきっと貴方の望みを叶えられるでしょう」
『ほう、我の望みを……』
ゼルの望み? そんなのあるの? 悠久の時を気ままに生きてるんだと思ってた。だから私の事を面白がって力をくれたのだと……ゼルはじっとその存在を見つめる。二つの黄金の瞳は全てを見透かすかのようで、見つめられたその存在が震えてるのがわかる。絶対強者の視線だからね。敵意がなくても震え上がるよ。てかゼルはなんと応えるのだろうか? ちょっと興味ある。そんな視線で見てると、目が合った。そして何か笑った? 気がした。
『必要ないな。間に合ってる』
「なぜですか!? 脆弱な人種になど、何ができよう筈も!」
『だが、いつの世も始まりを告げるのは人種なのだ。それが良いことかは別だがな』
「我らはこの世界を神階へと帰すつもりです。そうすれば、貴方達は――」
『黙れ……』
空気が変わる。静かな声だったが、その声には紛れもない威圧があった。初めて聞くワードがあったな。神階とか……この世界は落とされた世界? うーんあんまり興味はないけどね。だって私は自分が楽しく生きれればそこんところはどうでもいい。別段楽しければここが地獄でも構わないのだ。
「ねえ、あんたは元々私がゼルの力を持ってるって思ってこんな事したの?」
「強大な力……それを感じての行動ですよ。どう考えても人種にはありえない力ですので」
まあ確かに。私の力は人種にはありえない。でも別段ゼルと私が繋がってたとは思ってはなさそうだね。ここに来たらゼルが居て、バックに居た存在が予想外に大きすぎたって感じかな? 私に手を貸してるのなら、自分たちにも……そんな感じだろう。
(ねえゼル、こいつの本体の所にいけないかな?)
『何故だ?』
私はこの存在に悟られないように心の中でゼルに語り掛ける。
(だってこいつはあの幽霊みたいなのがやられたとしてもへっちゃらでしょ? もっと必死になってもらおうよ。私は私を利用した奴をのこのこ見逃す程お人好しじゃないの。知ってるでしょ?)
『確かに、お前はそういう奴だな。出来なくはないが、お前自身が危険かもしれないぞ?』
(私にはゼルの力あるし、それに今は、ゼルだけの力しかない訳でもないんだよ?)
『そうだったな』
ゼルは流石に私の中にゼルだけの力じゃない物があるとわかってるみたい。まあ魂の回廊ある限り、私たちは一心同体みたいなものだからね。
(お願い)
『ああ、こやつのマナに案内させよう』
その言葉と共に、私は逆に幽霊みたいな存在に飛び込む。待っててね。その顔、ちゃんと拝んであげる。
「ちょっと、こっちにも何か言う事あるんじゃない」
私のそんな言葉にその幽霊みたいなのはこっちに顔を向けた。まあ顔といってもそこが顔らしいだけで、顔みたいなパーツはない。だってなんとなく人型に見えるだけだからね。
「感謝……してます」
一応頭を下げたけど、なんか含みがある感じだった。私はそういうのには敏感なのだよ。
「まさか本当に真龍様との繋がりをお持ちとは……恐れ入ります。それにここは……」
そう言ってその幽霊は周囲をキョロキョロしだす。うーん、どう反応したらいいのか困るな。そもそもなんか見た目が曖昧だから、こっちの感情まで曖昧に感じるというか……いや怒りは確かにあるんだけどね。
『おいラーゼ』
私の頭に直接響く声。ゼルが何故か声に出さずに話しかけてきた。
(何?)
私は意識せずに心の中で返事する。ゼルとは魂の回廊が繋がってるから、別段声を出す必要はない。
『こいつはお前が連れてきた訳ではないよな?』
(そう見える?)
『なら、食うか』
簡単に解決策を出してくれるゼル。流石は最強は言う事違うね。確かにゼルならそれができそうだ。相手は曖昧な存在だけど、ゼルのマナは圧倒的。マナはより巨大なマナに併合する。なのでゼルならあんな存在を食う事なんて造作もないはず。あいつには戦闘の意思はなさそうだけど、そんなの私たちには関係ない。そもそもがゼルと私の繋がりを知られたのが不味い。いや何か不味くなるのかっていえば別段わからないんだけど……なんかゼルの事は特別な秘密な気がしてたからね。
こんなよくわからない奴に知られるのはやっぱりなんか癪だ。
(確かにそれはするけど、一応こいつが何の為にこんな事したのかは知っときたい)
『ふん、お前がそういうのならしばし待とう』
ゼルはそういってくれた。てかその言い方ならなんか予想でもありそうだけど。まあけどいいか……なんかあいつがさっきから言ってるし、そっちに意識を向けよう。
「偉大なる真龍様。どうかその力を我らにもお貸しいただきたく――」
そんな事を平伏しながら言ってる。どうやら、ゼルの力が欲しいみたいだね。
『何故に我がそんな事をしなければならない?』
ごもっともなゼルの言葉だね。ほんと何者かもわからない奴に手を貸す程にゼルもお人よしではない。けどどうやら自分の事はあまり話したくないのか、私を引き合いに出し始めた。
「そこの人種などよりも、我らの方がきっと貴方の望みを叶えられるでしょう」
『ほう、我の望みを……』
ゼルの望み? そんなのあるの? 悠久の時を気ままに生きてるんだと思ってた。だから私の事を面白がって力をくれたのだと……ゼルはじっとその存在を見つめる。二つの黄金の瞳は全てを見透かすかのようで、見つめられたその存在が震えてるのがわかる。絶対強者の視線だからね。敵意がなくても震え上がるよ。てかゼルはなんと応えるのだろうか? ちょっと興味ある。そんな視線で見てると、目が合った。そして何か笑った? 気がした。
『必要ないな。間に合ってる』
「なぜですか!? 脆弱な人種になど、何ができよう筈も!」
『だが、いつの世も始まりを告げるのは人種なのだ。それが良いことかは別だがな』
「我らはこの世界を神階へと帰すつもりです。そうすれば、貴方達は――」
『黙れ……』
空気が変わる。静かな声だったが、その声には紛れもない威圧があった。初めて聞くワードがあったな。神階とか……この世界は落とされた世界? うーんあんまり興味はないけどね。だって私は自分が楽しく生きれればそこんところはどうでもいい。別段楽しければここが地獄でも構わないのだ。
「ねえ、あんたは元々私がゼルの力を持ってるって思ってこんな事したの?」
「強大な力……それを感じての行動ですよ。どう考えても人種にはありえない力ですので」
まあ確かに。私の力は人種にはありえない。でも別段ゼルと私が繋がってたとは思ってはなさそうだね。ここに来たらゼルが居て、バックに居た存在が予想外に大きすぎたって感じかな? 私に手を貸してるのなら、自分たちにも……そんな感じだろう。
(ねえゼル、こいつの本体の所にいけないかな?)
『何故だ?』
私はこの存在に悟られないように心の中でゼルに語り掛ける。
(だってこいつはあの幽霊みたいなのがやられたとしてもへっちゃらでしょ? もっと必死になってもらおうよ。私は私を利用した奴をのこのこ見逃す程お人好しじゃないの。知ってるでしょ?)
『確かに、お前はそういう奴だな。出来なくはないが、お前自身が危険かもしれないぞ?』
(私にはゼルの力あるし、それに今は、ゼルだけの力しかない訳でもないんだよ?)
『そうだったな』
ゼルは流石に私の中にゼルだけの力じゃない物があるとわかってるみたい。まあ魂の回廊ある限り、私たちは一心同体みたいなものだからね。
(お願い)
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