美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。

ファーストなサイコロ

θ103

「うおおおおおおお!!」


 そんな声を挙げてサイオスの奴が突貫する。どこで手に入れたのか、安っぽい剣を振り上げて振り下ろす。パキン――


「うげ?」


 ガンマジロ達の硬い体表面にはそんな即席の剣なんて歯が立たなかった。ただの一合でその剣は折れ去った。武器を失ったサイオスに他のガンマジロが迫る。それを赤線が止める。犬達は他の冒険者達を引き連れてきて、対陣を組んで撃退に移る。犬達には戦闘力はないからね。上手く冒険者達を動かすのが彼らの役目だ。私は冒険者達の中心にいる。本当ならもっと後方にいるつもりだったんだけど、サイオスを追いかけてきたからしょうがない。まあ、だけど私を守る様に犬達が冒険者達を配置したから安全ではあるけどね。


 いやそもそもガンマジロ程度では私に傷なんてつけれないんだけどね。けどサイオス以外は私がラーゼだと知ってるから、必死で守ろうとはしてくれる。まあ依頼主でもあるからね。今の私はいつもよりも地味目な服に、顔には薄い布がついた帽子をかぶって顔がばれないようにしてる。ゼーラではいつもこのスタイルだからね。今ここにはアクワイヤの冒険者だっているんだし、下手に私の参加を知られると厄介ってのもある。


「武器がないのなら下がりなさいサイオス」
「ふざけるな! 俺は引かねえ! お前を守って見せる!!」




 キュン――なんて勿論しない。私は呆れたような顔をするよ。てか武器がないと足手まといだからね。邪魔でしょ……けどサイオスは意外な事して武器を手に入れた。倒したガンマジロの体表を剥ぎ取って腕に持つ。それを振りまわして攻撃しだした。ガンマジロ自身を守る盾……それをつかっての攻撃は案外効果的みたい。そのうちゴブライダーが乗ってるガンマジロもやってきての大混戦。私の周りはとてもうるさい。


 けど私だけは同じ場所から一歩も動いてない。私だけは別の空間にいるみたい。ほんと何もやってないからね。案外うまく機能してるから私の出番がないといえる。やっぱりアクワイヤの冒険者よりもファイラル領の冒険者たちの方が強い。経験の差なのか……そうおもって観察してると、なにやら大きな揺れが起きだした。立ってられない程の揺れ。皆が地面に膝をつく。その時、何かに気づいたサイオスが叫んだ。


「ゼーラ、後ろだ!!」
「え?」


 後ろを振り返ると、そこらのガンマジロの数倍のデカさの奴が私に迫ってた。なんで私に? 私は一番何もしてないハズなのに……なんで私を狙うのよ。


「ラーゼ様を守るんだああああ!!」


 犬一がそう叫ぶ。完全にラーゼとか言ってるけど、そんな場合じゃない。私の周りに集まって盾になろうとした人たちが弾かれてはその肉や血を飛ばしてく。私は集中して体内のマナを高める。自身の数十倍はあろうかという体積。けど巨大ガンマジロは私に当たった瞬間に逆に吹っ飛んでいった。けど、すぐさま再び私に突進してくる。こいつは多分本能的に私の力の強大さがわかってるんだろう。


(むむーうざいなー)


 別に私にダメージはないけど、あんまりしつこいと嫌いになっちゃうよね。それに周りにはけが人だらけ。回復魔法使える人たちもいるけど、それでは間に合わない重傷者もいる。犬達も汚しちゃってるし……これはまずいね。


「ゼーラアアアアア! どけえええええ!!」


 サイオスは叫んでるけど、他のガンマジロ達が邪魔で私の所まではこれない。


「あれをやるしかないかな」


 とりあえず一回巨大ガンマジロを吹っ飛ばす。その隙に犬一に近づくよ。


「ラーゼ様……すみ……ません」
「いいから喋るな。それより、アレを出しなさい」


 ふらふらの犬一は懐からカードの束を取り出した。それを私は受け取るよ。これは亜子が使ってた奴の改良版というか、派生版というか、そんな奴だ。私はそのカードの束を自身の胸に抱く。私のマナに反応して光出すカードたち。


「私は何も出来ないけど……私の駒はこの程度じゃ死なせないわよ」


 迫る巨大ガンマジロに向かって私はそういう。解き放ったカードたちはその役目を果たすために散っていく。
「うおおおおおおお!!」


 そんな声を挙げてサイオスの奴が突貫する。どこで手に入れたのか、安っぽい剣を振り上げて振り下ろす。パキン――


「うげ?」


 ガンマジロ達の硬い体表面にはそんな即席の剣なんて歯が立たなかった。ただの一合でその剣は折れ去った。武器を失ったサイオスに他のガンマジロが迫る。それを赤線が止める。犬達は他の冒険者達を引き連れてきて、対陣を組んで撃退に移る。犬達には戦闘力はないからね。上手く冒険者達を動かすのが彼らの役目だ。私は冒険者達の中心にいる。本当ならもっと後方にいるつもりだったんだけど、サイオスを追いかけてきたからしょうがない。まあ、だけど私を守る様に犬達が冒険者達を配置したから安全ではあるけどね。


 いやそもそもガンマジロ程度では私に傷なんてつけれないんだけどね。けどサイオス以外は私がラーゼだと知ってるから、必死で守ろうとはしてくれる。まあ依頼主でもあるからね。今の私はいつもよりも地味目な服に、顔には薄い布がついた帽子をかぶって顔がばれないようにしてる。ゼーラではいつもこのスタイルだからね。今ここにはアクワイヤの冒険者だっているんだし、下手に私の参加を知られると厄介ってのもある。


「武器がないのなら下がりなさいサイオス」
「ふざけるな! 俺は引かねえ! お前を守って見せる!!」




 キュン――なんて勿論しない。私は呆れたような顔をするよ。てか武器がないと足手まといだからね。邪魔でしょ……けどサイオスは意外な事して武器を手に入れた。倒したガンマジロの体表を剥ぎ取って腕に持つ。それを振りまわして攻撃しだした。ガンマジロ自身を守る盾……それをつかっての攻撃は案外効果的みたい。そのうちゴブライダーが乗ってるガンマジロもやってきての大混戦。私の周りはとてもうるさい。


 けど私だけは同じ場所から一歩も動いてない。私だけは別の空間にいるみたい。ほんと何もやってないからね。案外うまく機能してるから私の出番がないといえる。やっぱりアクワイヤの冒険者よりもファイラル領の冒険者たちの方が強い。経験の差なのか……そうおもって観察してると、なにやら大きな揺れが起きだした。立ってられない程の揺れ。皆が地面に膝をつく。その時、何かに気づいたサイオスが叫んだ。


「ゼーラ、後ろだ!!」
「え?」


 後ろを振り返ると、そこらのガンマジロの数倍のデカさの奴が私に迫ってた。なんで私に? 私は一番何もしてないハズなのに……なんで私を狙うのよ。


「ラーゼ様を守るんだああああ!!」


 犬一がそう叫ぶ。完全にラーゼとか言ってるけど、そんな場合じゃない。私の周りに集まって盾になろうとした人たちが弾かれてはその肉や血を飛ばしてく。私は集中して体内のマナを高める。自身の数十倍はあろうかという体積。けど巨大ガンマジロは私に当たった瞬間に逆に吹っ飛んでいった。けど、すぐさま再び私に突進してくる。こいつは多分本能的に私の力の強大さがわかってるんだろう。


(むむーうざいなー)


 別に私にダメージはないけど、あんまりしつこいと嫌いになっちゃうよね。それに周りにはけが人だらけ。回復魔法使える人たちもいるけど、それでは間に合わない重傷者もいる。犬達も汚しちゃってるし……これはまずいね。


「ゼーラアアアアア! どけえええええ!!」


 サイオスは叫んでるけど、他のガンマジロ達が邪魔で私の所まではこれない。


「あれをやるしかないかな」


 とりあえず一回巨大ガンマジロを吹っ飛ばす。その隙に犬一に近づくよ。


「ラーゼ様……すみ……ません」
「いいから喋るな。それより、アレを出しなさい」


 ふらふらの犬一は懐からカードの束を取り出した。それを私は受け取るよ。これは亜子が使ってた奴の改良版というか、派生版というか、そんな奴だ。私はそのカードの束を自身の胸に抱く。私のマナに反応して光出すカードたち。


「私は何も出来ないけど……私の駒はこの程度じゃ死なせないわよ」


 迫る巨大ガンマジロに向かって私はそういう。解き放ったカードたちはその役目を果たすために散っていく。



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