美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ98
「はーふー」
昼間とは打って変わって緊張の面持ちのクーシェちゃん。いまから彼女達アークアは初ステージに挑む。まあ先に私達が出て、場を温める訳だけどね。けど私だっていまだにステージに立つのは緊張するわけで、初ステージなんてそれこそ倒れそうだった。それを考えれば、意地悪なクーシェちゃんでも緊張しちゃうのも無理はないと思う。
「だ、大丈夫?」
だからかな少し前の自分と重ねてそう声を掛けてしまった。クーシェちゃんの性格的に、そんなんじゃ素直になんてなれないってわかってたのに。
「大丈夫ですって? 私を誰だと思ってますの? 貴族ですのよ。庶民と一緒にししししないでくださいまし!」
案の定そう言われた。けどそんなのは強がりだってバレバレだ。だって噛んだし……脚なんてがくがく震えてるのは一目瞭然。どうしたらいいだろう? 私の言葉なんて、クーシェちゃんは聞かないよね。そう思ってるとラーゼ様が「いくよ」と声を掛けてくれた。そして次の為に控えてるアークアの皆さんに向かってこういうよ。
「安心してて、最高に盛り上げて置いてあげるから!」
そのほほえみとウインクがあまりも美しすぎて私もアークアの皆さんも見惚れてた。そして私もわかったよ。私達は先輩として口じゃなくその行動で示せばいいんだって。だから私はこっちをみるクーシェちゃんに向かってラーゼ様に習ってこういうよ。
「行ってくるね」
そんな私を見て目を丸くするクーシェちゃん。私はそのまま皆と共にステージへと上がった。昼間とは違って水が幻想的に煌めく様になってて、ステージ上から見る夜のアクワイヤはとても綺麗だった。これが普通なのか、それともステージ演出の為の仕掛けなのかはよくわからないけど、こんな光景が見れたからどっちでもいいかな。そう思ってると、音楽が流れだす。私達は練習通りに配置についてリズムに乗って踊りだす。
興奮がこの街全体を包んでく……そして数曲やったところで一度私たちは舞台袖に戻る。するとぼーっとしたアークアの皆さんがいた。何か惚けてる感じだ。緊張は……なくなったのかな?
「はっ! なっなかなかですわね!」
正気に戻ったクーシェちゃんは私を見るにそう言ってきた。けどなんか顔が赤い。そう思ってると、ビシッと指をさされて言われたよ。
「貴方、少し踊りが遅れてなくて? 貴女がプリムローズの足を引っ張ってるんじゃなくて?」
「うう……それは」
自覚があるだけに言い返せない。すると、ラーゼ様が私に抱き着いてきた。
「いいの! コランはコランにしかない物を魅せてるからね。足なんて引っ張ってないの」
「ラーゼ! 様……」
流石にラーゼ様には言い返せないのか、クーシェちゃんも黙った。するとラーゼ様はにやにやしながらいうよ。
「それよりも本当は感心したんじゃないの? コランがステージで立派にやってたから」
「な!? そんな事!!」
なぜか顔を赤くするクーシェちゃん。どうしたんだろうか?
「まあ今はわからなくてもすぐにわかるわよ。コランがちゃとやってるって。次は貴方達なんだからね」
「――っつ」
そのラーゼ様の一言でクーシェちゃん。ううん、アークアの三人は息を詰まらせた。けど、もう出番なんだ。時間は待ってはくれない。彼女達がアイドルになるその時だ。
昼間とは打って変わって緊張の面持ちのクーシェちゃん。いまから彼女達アークアは初ステージに挑む。まあ先に私達が出て、場を温める訳だけどね。けど私だっていまだにステージに立つのは緊張するわけで、初ステージなんてそれこそ倒れそうだった。それを考えれば、意地悪なクーシェちゃんでも緊張しちゃうのも無理はないと思う。
「だ、大丈夫?」
だからかな少し前の自分と重ねてそう声を掛けてしまった。クーシェちゃんの性格的に、そんなんじゃ素直になんてなれないってわかってたのに。
「大丈夫ですって? 私を誰だと思ってますの? 貴族ですのよ。庶民と一緒にししししないでくださいまし!」
案の定そう言われた。けどそんなのは強がりだってバレバレだ。だって噛んだし……脚なんてがくがく震えてるのは一目瞭然。どうしたらいいだろう? 私の言葉なんて、クーシェちゃんは聞かないよね。そう思ってるとラーゼ様が「いくよ」と声を掛けてくれた。そして次の為に控えてるアークアの皆さんに向かってこういうよ。
「安心してて、最高に盛り上げて置いてあげるから!」
そのほほえみとウインクがあまりも美しすぎて私もアークアの皆さんも見惚れてた。そして私もわかったよ。私達は先輩として口じゃなくその行動で示せばいいんだって。だから私はこっちをみるクーシェちゃんに向かってラーゼ様に習ってこういうよ。
「行ってくるね」
そんな私を見て目を丸くするクーシェちゃん。私はそのまま皆と共にステージへと上がった。昼間とは違って水が幻想的に煌めく様になってて、ステージ上から見る夜のアクワイヤはとても綺麗だった。これが普通なのか、それともステージ演出の為の仕掛けなのかはよくわからないけど、こんな光景が見れたからどっちでもいいかな。そう思ってると、音楽が流れだす。私達は練習通りに配置についてリズムに乗って踊りだす。
興奮がこの街全体を包んでく……そして数曲やったところで一度私たちは舞台袖に戻る。するとぼーっとしたアークアの皆さんがいた。何か惚けてる感じだ。緊張は……なくなったのかな?
「はっ! なっなかなかですわね!」
正気に戻ったクーシェちゃんは私を見るにそう言ってきた。けどなんか顔が赤い。そう思ってると、ビシッと指をさされて言われたよ。
「貴方、少し踊りが遅れてなくて? 貴女がプリムローズの足を引っ張ってるんじゃなくて?」
「うう……それは」
自覚があるだけに言い返せない。すると、ラーゼ様が私に抱き着いてきた。
「いいの! コランはコランにしかない物を魅せてるからね。足なんて引っ張ってないの」
「ラーゼ! 様……」
流石にラーゼ様には言い返せないのか、クーシェちゃんも黙った。するとラーゼ様はにやにやしながらいうよ。
「それよりも本当は感心したんじゃないの? コランがステージで立派にやってたから」
「な!? そんな事!!」
なぜか顔を赤くするクーシェちゃん。どうしたんだろうか?
「まあ今はわからなくてもすぐにわかるわよ。コランがちゃとやってるって。次は貴方達なんだからね」
「――っつ」
そのラーゼ様の一言でクーシェちゃん。ううん、アークアの三人は息を詰まらせた。けど、もう出番なんだ。時間は待ってはくれない。彼女達がアイドルになるその時だ。
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