美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ72
「大丈夫? ねえ、おーい」
何やら頬にぺちぺちとした衝撃がくる。まあ衝撃といってもぺちぺちだからね。痛いわけではない。むしろその衝撃よりも綺麗な声が私の意識を引き上げる気がする。そっちに行けばいいんだと、本能が自然と理解するみたいに。そして私は重い瞼をゆっくりと開ける。するとそこには女神が居ました。
「らららららーじぇしゃま!?」
「うん、大丈夫?」
「ほへ……」
私の想像できる内の最高の最高の最高が私の頭を再び焼き切る。そして目覚めては気絶するって奴を三回くらい繰り返してようやくラーゼ様と思われるその人は私の前ではマスクをつけることにしたようだ。目元を隠すだけのちょっと派手なパーティー用のマスクだ。それでなんとか私は気絶せずに済んだ。
「ご……ごめんなさい」
「ほんと、こんな事で足踏みするとは思わなかったわよ」
そう言ってため息つくラーゼ様。けどほんとにほんとにラーゼ様? いや、あんな輝きはラーゼ様しかないけど……でもやっばり今でも信じられないっていうか。
「本当に……ラーゼ様?」
「あら、この美しさが他にあるとでも?」
「いえ! ラーゼ様は唯一無二です!!」
私は力いっぱいにそう言った。だってそれは本心なんだ。ラーゼ様は人種の至宝とまで言われる人。その美はまさに並び立つものがいない程の者。マスクをしてると言っても、私の胸はさっきからドキドキしっぱなしだ。映像で見るのとは全然違う。ううん、映像でも勿論ほんとう綺麗で可愛かったけど、やっぱり生は違う。だってラーゼ様のにおいまで感じれるよ。これは映像では絶対にわからない事。
(すごくいい匂いがする)
さっきからラーゼ様に抱きかかえられててもう私は幸せ過ぎる。ラーゼ様の長い綺麗な髪が垂れて私の肌を触る。その感触たるや……おなじ髪とは思えない感触だ。さらっさらで艶々。肌を撫でるたびに変な声がでそうになるほどだ。
(ああ、マツゲも長いなぁ……唇もぷるっぷるっしてる)
一つ一つのパーツのクオリティが私とは全然違う。ラーゼ様はまさに匠が仕上げたといわんばかりの美が宿ってる。それに比べて私は……なんという量産品。この人の前では少し可愛いとか言われてても、雑草と変わらないよ。それほどまでに違いがある。
「ねえ、貴女プリムローズは好き?」
「はい! 勿論です。歌もダンスも大好きで何回も練習しました!!」
「へぇーそれは一人で?」
「いえ、あの……仲の良い人たちと……」
「ふーん、見てみたいな」
「そんな私たちのダンスなんて本物と比べたら全然で……」
そういうとラーゼ様の白魚のような手が伸びて私の頬を撫でる。そして息がかかりそうな程に近い距離でこう仰られた。
「私が、見たいんだよ?」
「は……はい! 直ちに招集いたします!!」
私は顔を真っ赤にして駆け出した。なんでどうして……なんてその時にはどうでもよくて、この胸のバクバクにただ単に耐えられなかったんだ。
何やら頬にぺちぺちとした衝撃がくる。まあ衝撃といってもぺちぺちだからね。痛いわけではない。むしろその衝撃よりも綺麗な声が私の意識を引き上げる気がする。そっちに行けばいいんだと、本能が自然と理解するみたいに。そして私は重い瞼をゆっくりと開ける。するとそこには女神が居ました。
「らららららーじぇしゃま!?」
「うん、大丈夫?」
「ほへ……」
私の想像できる内の最高の最高の最高が私の頭を再び焼き切る。そして目覚めては気絶するって奴を三回くらい繰り返してようやくラーゼ様と思われるその人は私の前ではマスクをつけることにしたようだ。目元を隠すだけのちょっと派手なパーティー用のマスクだ。それでなんとか私は気絶せずに済んだ。
「ご……ごめんなさい」
「ほんと、こんな事で足踏みするとは思わなかったわよ」
そう言ってため息つくラーゼ様。けどほんとにほんとにラーゼ様? いや、あんな輝きはラーゼ様しかないけど……でもやっばり今でも信じられないっていうか。
「本当に……ラーゼ様?」
「あら、この美しさが他にあるとでも?」
「いえ! ラーゼ様は唯一無二です!!」
私は力いっぱいにそう言った。だってそれは本心なんだ。ラーゼ様は人種の至宝とまで言われる人。その美はまさに並び立つものがいない程の者。マスクをしてると言っても、私の胸はさっきからドキドキしっぱなしだ。映像で見るのとは全然違う。ううん、映像でも勿論ほんとう綺麗で可愛かったけど、やっぱり生は違う。だってラーゼ様のにおいまで感じれるよ。これは映像では絶対にわからない事。
(すごくいい匂いがする)
さっきからラーゼ様に抱きかかえられててもう私は幸せ過ぎる。ラーゼ様の長い綺麗な髪が垂れて私の肌を触る。その感触たるや……おなじ髪とは思えない感触だ。さらっさらで艶々。肌を撫でるたびに変な声がでそうになるほどだ。
(ああ、マツゲも長いなぁ……唇もぷるっぷるっしてる)
一つ一つのパーツのクオリティが私とは全然違う。ラーゼ様はまさに匠が仕上げたといわんばかりの美が宿ってる。それに比べて私は……なんという量産品。この人の前では少し可愛いとか言われてても、雑草と変わらないよ。それほどまでに違いがある。
「ねえ、貴女プリムローズは好き?」
「はい! 勿論です。歌もダンスも大好きで何回も練習しました!!」
「へぇーそれは一人で?」
「いえ、あの……仲の良い人たちと……」
「ふーん、見てみたいな」
「そんな私たちのダンスなんて本物と比べたら全然で……」
そういうとラーゼ様の白魚のような手が伸びて私の頬を撫でる。そして息がかかりそうな程に近い距離でこう仰られた。
「私が、見たいんだよ?」
「は……はい! 直ちに招集いたします!!」
私は顔を真っ赤にして駆け出した。なんでどうして……なんてその時にはどうでもよくて、この胸のバクバクにただ単に耐えられなかったんだ。
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