美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
θ43
あれから複数の街を回ってゲリラライブをやった。私たちの事はもう知られてるから、最初の時よりも観客の反応が良くなってた。皆のノリが良くなってるっていうか。すぐに人が集まってくるんだ。そして声の限り叫んでくれる。盛り上がってくれた。
「私たちって他の所でもやれるんだ……」
そう言ったのはシシだ。でもそれもわかるよ。だって私たちはずっとホームといえる自分の領でしかライプなんてやってなかったし、他の領での反応とか広がりは実感できなかったからね。いや、私にはちょこちょこ情報は入ってきてた。宣伝はしてたし、アイカードは他領にも卸してるしね。それに領に一つは声を届ける魔道具がある。大体緊急な事とかを知らせるくらいにしか使ってない、埃かぶってるのが常な奴ね。
それをお金払って化してもらって私たちの曲を流してたのだ。貴族ってのはお金出せば大抵のことは赦してくれるから楽だよね。まあいわゆるCMというやつだ。きっとあの地道な宣伝も役に立ってた。だから皆、私たちの歌を歌えたんだと思うし。そのおかげて町全体で一体感が出たんだ。私の考えは間違ってなんかなかった。
「さて、今日は一日どうする?」
平凡な街の平凡なカフェでお茶しながら、私はそんなことを聞くよ。丸テーブルには私の他にコランにシシ、そしてフィリーがいる。ミラは……えっとスペースがなかったから隣の席に犬君達といる。勿論私たちは変装してるよ。だって正体バレたらパニックになるかもしれないしね。
ちゃんと認識疎外のアイテムをそれぞれつけてる。装飾違いのブローチだ。それぞれのイメージの花と色を彼女たちに合わせて作った特注品。というか私が用意させたものだ。これがあれば、そうそうの事がないとバレることはないと思う。だからほら……傍から見たらミラは三人のスーツの男を侍らせてる悪女二みたいに見える。色付きのサングラスしてるからハリウッド感が出てる気がする。まあこんな事亜子くらいにしか通じないから口にはしないけどね。
いや、もう亜子にも……それはまあいまはいい。わたしがいる限り亜子は亜子に戻れるから。
「何か有名な物とかあるんですかね? どう見てもアナハイムとかの方が色々とあると思うんですけど……」
「ほらほら特産品とか。何か知らない犬君達」
そりゃあ発展具合で言えば私の領であるファイラルに及ぶ領なんてあるわけないわけで……あそこはもうファッションとかも色々と常識から外れて来てるからね。他種族もそれなりにいるし、人基準だけのファッションではいられないっていうかね。一番わかりやすいのは女子のスカート丈だね。ファイラルではミニスカートがそれなりに流行りだしてる。けどここではそんな人は全くいない。それはそうだね。だって脚を見せるなんてはしたないってのが普通の考えだからだ。
一応私たちも今はファッションは抑え気味にしてる認識疎外をかけてるといってもあまりに奇抜だとね……だから今はロングスカートかパンツだよ。後はそれぞれ帽子と眼鏡をかけてプリムローズという事を隠してる。
「そうですね。ここはそら豆が有名みたいですよ」
「そら豆……」
いや、確かに豆は大事だよ。上流階級じゃない人たちは豆、よく食べてるみたいだしね。それが特産なんて、きっとここは食料には困らないだろう。けど……私はそこまで好きじゃない。
「とりあえず少し散策してみましょうか?」
私はそう提案する。けどそこでフィリーがこういってきた。
「でもーあんまり多くて歩いてるとー目立つんじゃないですかぁー?」
「それもそっか、じゃあ二組か三組くらいに分かれる?」
「はいはーい、私、クジをー作ってきてますー」
「用意いいねフィリー」
「はーい」
ゆるくそんな風に返事するフィリー。その目の奥が何やら光った気がするけど、まあいいでしょう。乗ってあげようじゃない。私は面白い事好きだからね。てなわけで、私たちはフィリーの用意したクジを引いて私たちとそして犬君達でそれぞれ三組に分かれた。
「私たちって他の所でもやれるんだ……」
そう言ったのはシシだ。でもそれもわかるよ。だって私たちはずっとホームといえる自分の領でしかライプなんてやってなかったし、他の領での反応とか広がりは実感できなかったからね。いや、私にはちょこちょこ情報は入ってきてた。宣伝はしてたし、アイカードは他領にも卸してるしね。それに領に一つは声を届ける魔道具がある。大体緊急な事とかを知らせるくらいにしか使ってない、埃かぶってるのが常な奴ね。
それをお金払って化してもらって私たちの曲を流してたのだ。貴族ってのはお金出せば大抵のことは赦してくれるから楽だよね。まあいわゆるCMというやつだ。きっとあの地道な宣伝も役に立ってた。だから皆、私たちの歌を歌えたんだと思うし。そのおかげて町全体で一体感が出たんだ。私の考えは間違ってなんかなかった。
「さて、今日は一日どうする?」
平凡な街の平凡なカフェでお茶しながら、私はそんなことを聞くよ。丸テーブルには私の他にコランにシシ、そしてフィリーがいる。ミラは……えっとスペースがなかったから隣の席に犬君達といる。勿論私たちは変装してるよ。だって正体バレたらパニックになるかもしれないしね。
ちゃんと認識疎外のアイテムをそれぞれつけてる。装飾違いのブローチだ。それぞれのイメージの花と色を彼女たちに合わせて作った特注品。というか私が用意させたものだ。これがあれば、そうそうの事がないとバレることはないと思う。だからほら……傍から見たらミラは三人のスーツの男を侍らせてる悪女二みたいに見える。色付きのサングラスしてるからハリウッド感が出てる気がする。まあこんな事亜子くらいにしか通じないから口にはしないけどね。
いや、もう亜子にも……それはまあいまはいい。わたしがいる限り亜子は亜子に戻れるから。
「何か有名な物とかあるんですかね? どう見てもアナハイムとかの方が色々とあると思うんですけど……」
「ほらほら特産品とか。何か知らない犬君達」
そりゃあ発展具合で言えば私の領であるファイラルに及ぶ領なんてあるわけないわけで……あそこはもうファッションとかも色々と常識から外れて来てるからね。他種族もそれなりにいるし、人基準だけのファッションではいられないっていうかね。一番わかりやすいのは女子のスカート丈だね。ファイラルではミニスカートがそれなりに流行りだしてる。けどここではそんな人は全くいない。それはそうだね。だって脚を見せるなんてはしたないってのが普通の考えだからだ。
一応私たちも今はファッションは抑え気味にしてる認識疎外をかけてるといってもあまりに奇抜だとね……だから今はロングスカートかパンツだよ。後はそれぞれ帽子と眼鏡をかけてプリムローズという事を隠してる。
「そうですね。ここはそら豆が有名みたいですよ」
「そら豆……」
いや、確かに豆は大事だよ。上流階級じゃない人たちは豆、よく食べてるみたいだしね。それが特産なんて、きっとここは食料には困らないだろう。けど……私はそこまで好きじゃない。
「とりあえず少し散策してみましょうか?」
私はそう提案する。けどそこでフィリーがこういってきた。
「でもーあんまり多くて歩いてるとー目立つんじゃないですかぁー?」
「それもそっか、じゃあ二組か三組くらいに分かれる?」
「はいはーい、私、クジをー作ってきてますー」
「用意いいねフィリー」
「はーい」
ゆるくそんな風に返事するフィリー。その目の奥が何やら光った気がするけど、まあいいでしょう。乗ってあげようじゃない。私は面白い事好きだからね。てなわけで、私たちはフィリーの用意したクジを引いて私たちとそして犬君達でそれぞれ三組に分かれた。
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