美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Σ54
『諦めるな!』
私たちの沈んだ気持ちを引き留める様に通信から力強い声が響く。それはカタヤさんだ。
『まだ何も終わってない! まだ生きてるんだから!! たとえ本隊が来なくても僕たちはやるんだ。僕たちを信じてくれてる人たちがいる事を忘れるな!!』
そんな言葉に兵士の皆さんが何やら思い思いのものを握ったり見たり……それはきっと家族や恋人……そんな大切な人達との思い出の品なんだろう。そうだよね。私たちはどの道逃げるなんてことは出来ない。
だって私たちが負けることは、ここに隠れてる人たちも奴らの餌になるってことだ。そんなの見たくない。そのときはきっと死んでるから、見れないって考えはなし。ようはどんな絶望的な状況でも、私たちは諦めることも許されないってことだ。それはある意味、とても辛く苦しいことなのかもしれない。けど、そこまでの方がある意味割り切れるものなのかも。
皆さんの顔に……瞳に光が戻ってる。カタヤさんはやっぱり主人公体質してるね。今のような事をそこらの兵士の人が言ったら、多分最後の言葉になるんだろうなって……
「カタヤさん、流石ですね」
『まあ、常に自分に言い聞かせてることだからづああああああ!?」
「カタヤさん!?」
通信がきれた? いくら呼びかけても反応はなくて、どこかで建物が崩れたかのような音が聞こえる。私の位置からでもその衝撃で立ち上る煙が見えた。まさかあそこに? カタヤさんやられてないよね? 死亡フラグ回収してないよね?
「ゼロ、カタヤさんのバイタルは?」
『健在です』
簡潔な一言、けどそれで十分だ。カタヤさんの無事は十分に伝わった。多分鉄血種と戦闘に入ったんだろう。それはそれで心配だけど……カタヤさんやベールさんがそんな簡単にやられるとは思えない。寧ろこっちが問題だよね。そう思ってると、何やら背後からぞっとする声が聞こえた。
「お姉さん、それなあに?」
伸ばされる骨だけの手。私はこれに掴まれちゃいけないととっさに判断して回転蹴りを繰り出す。綺麗にそれは入って少女の体を飛ばす。小さな体が壁に激突してズルズルと倒れる。けどそんな状況とは裏腹に少女は楽し気な声を出して笑ってた。
「あはっあははははははははは。お姉さん、今までの弱っちいのと違うね。もっともっと遊ぼうよ」
体を起こす少女は確実に私をロックオンしてる。目を付けられた……こんな子と遊ぶとか、絶対に嫌なんだけど……
「きっと絶対楽しいよ。ちぎってえぐってぐしゃってやるの。うふふ、あはは」
言ってることがえぐ過ぎる。それをこんな……人種なら十代にも満たなそうな少女が言ってるんだ。不気味だ。
「それって楽しい?」
「楽しい。大丈夫安心してよ。最後にはちゃんとお姉さんの頭、チュウ―チュウーするから。頭がね、トロットロで美味しいの。お姉さんの頭はきっとおいしいよね」
そんな確定事項の事の様に言われても知らないし! けど少女は絶対に私の頭を勝ち割って脳みそ吸い出す気のようだ。対策も何もない……けどやるしかない。なんとか奴らの弱点……そして少しでも散布率が上昇するまで時間を稼ぐ。そんなことを考えてると、少女がトプンと消え去った。そして次の瞬間腕がとんだ。誰のなんていうまでもない。
頭が理解する前に、腕の付け根から赤い血がぼたぼたと流れ落ちる。分離されて床に転がる手……それは間違いなく私の手だ。
私たちの沈んだ気持ちを引き留める様に通信から力強い声が響く。それはカタヤさんだ。
『まだ何も終わってない! まだ生きてるんだから!! たとえ本隊が来なくても僕たちはやるんだ。僕たちを信じてくれてる人たちがいる事を忘れるな!!』
そんな言葉に兵士の皆さんが何やら思い思いのものを握ったり見たり……それはきっと家族や恋人……そんな大切な人達との思い出の品なんだろう。そうだよね。私たちはどの道逃げるなんてことは出来ない。
だって私たちが負けることは、ここに隠れてる人たちも奴らの餌になるってことだ。そんなの見たくない。そのときはきっと死んでるから、見れないって考えはなし。ようはどんな絶望的な状況でも、私たちは諦めることも許されないってことだ。それはある意味、とても辛く苦しいことなのかもしれない。けど、そこまでの方がある意味割り切れるものなのかも。
皆さんの顔に……瞳に光が戻ってる。カタヤさんはやっぱり主人公体質してるね。今のような事をそこらの兵士の人が言ったら、多分最後の言葉になるんだろうなって……
「カタヤさん、流石ですね」
『まあ、常に自分に言い聞かせてることだからづああああああ!?」
「カタヤさん!?」
通信がきれた? いくら呼びかけても反応はなくて、どこかで建物が崩れたかのような音が聞こえる。私の位置からでもその衝撃で立ち上る煙が見えた。まさかあそこに? カタヤさんやられてないよね? 死亡フラグ回収してないよね?
「ゼロ、カタヤさんのバイタルは?」
『健在です』
簡潔な一言、けどそれで十分だ。カタヤさんの無事は十分に伝わった。多分鉄血種と戦闘に入ったんだろう。それはそれで心配だけど……カタヤさんやベールさんがそんな簡単にやられるとは思えない。寧ろこっちが問題だよね。そう思ってると、何やら背後からぞっとする声が聞こえた。
「お姉さん、それなあに?」
伸ばされる骨だけの手。私はこれに掴まれちゃいけないととっさに判断して回転蹴りを繰り出す。綺麗にそれは入って少女の体を飛ばす。小さな体が壁に激突してズルズルと倒れる。けどそんな状況とは裏腹に少女は楽し気な声を出して笑ってた。
「あはっあははははははははは。お姉さん、今までの弱っちいのと違うね。もっともっと遊ぼうよ」
体を起こす少女は確実に私をロックオンしてる。目を付けられた……こんな子と遊ぶとか、絶対に嫌なんだけど……
「きっと絶対楽しいよ。ちぎってえぐってぐしゃってやるの。うふふ、あはは」
言ってることがえぐ過ぎる。それをこんな……人種なら十代にも満たなそうな少女が言ってるんだ。不気味だ。
「それって楽しい?」
「楽しい。大丈夫安心してよ。最後にはちゃんとお姉さんの頭、チュウ―チュウーするから。頭がね、トロットロで美味しいの。お姉さんの頭はきっとおいしいよね」
そんな確定事項の事の様に言われても知らないし! けど少女は絶対に私の頭を勝ち割って脳みそ吸い出す気のようだ。対策も何もない……けどやるしかない。なんとか奴らの弱点……そして少しでも散布率が上昇するまで時間を稼ぐ。そんなことを考えてると、少女がトプンと消え去った。そして次の瞬間腕がとんだ。誰のなんていうまでもない。
頭が理解する前に、腕の付け根から赤い血がぼたぼたと流れ落ちる。分離されて床に転がる手……それは間違いなく私の手だ。
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