美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Σ22
(一体どうすれば……)
私はいかにもな感じで魔法を唱えつつ、考える。てかこの魔法詠唱は振りである。いかにも凄そうな魔法を使いますよーと皆にアピールしてるに過ぎない。最初の文節だけ紡げば、あとはなんでもいいんだから楽な物だ。まあそのなんでもいいってのがセンス問われる部分でもあるんだけどね。とりあえず銃がない今、私に残された手段は魔法しか無いわけで……これでどうにか出来ないかを模索するしかない。
「雷撃よ、走れ!!」
私のそんな言葉と共に指先から青白い光が結界へと走る。けど、それは簡単にかき消された。人種の魔法にしてはかなりの高威力系の魔法だったんだけどな……あれかな? やっぱり岩系に雷撃は相性が悪いのかも。でもこの結界事態は木なんだけどね。やっぱり中から壊すのは至難の技なのかもしれない。けど消された私の魔法を見て皆さん「凄い……」とか言ってる。
まあ普通は魔法がこれだけ使えるのなら、そっちの道に進んだほうが出世速かったりするし、魔法をそれなりに使える人材は貴重だから引く手数多なんだよね。一般の兵士の皆さんでまともに魔法が使える人なんていないだろう。
魔法も使えてアンティカの操縦も出来る。こう聞くと、私ってばほんとエリート。けどだからこそ……期待がね。でも、諦める事は死ぬことだ。考えるしか無い。こういう時はあれだ、マナの流れを知ることが大事とか、キララは言ってた。
魔法は強く行使出来る者ほど万能感が漂う力だけど、それでもリスクも弱点もあるものだと……その言葉を信じよう。私は幸い取られてなかった愛銃ようのカードを取り出す。多分これは武器に見えなかったからそのまま残されてたんだろう。助かったよ。
このカードには色々な魔術式が組み込まれてる。それは私の銃に特性をつける為に開発されたものだけど、裏技として、私自身でも発動できる。ただ単に魔力を流し込めばいいだけだからね。これは画期的発明だと思う。もっと効率化されたら、人種にも魔法が広がるかもしれない可能性がこれにはある。とりあえず身体能力向上のカードと更に五感というか、マナ感知を鋭敏にするカードに魔力を送り発動させる。
なぜにこんなカードが有るかというと、私は主にバックアップだからだ。第一線の戦闘は基本カタヤさんとベールさんの担当だからね。私はその後ろで色々と彼らのサボートをするのが役目だから、そのためのカードもある。このカードを愛銃に込めてマナ弾を撃てば、それだけでこのカードの効果が付与できるからね。私はそられのカードを使い、自身の感覚を強化する。
瞳にはさっきまで映らなかったマナの淡い輝きが見える。それと結界に施された術式の流れもだ。
(てか……この場所事態が……結界のような?)
この状態で初めてわかった。空も大地も術式が見える。鋼岩種は魔法とかよりも肉弾戦タイプだと聞いてたが、どうやらそうじゃないみたい。この空間……この場所じたいが人種では考えられない位の高度な魔法によって生み出された空間なんだ。つまりは鋼岩種は戦闘向きの魔法は得意じゃないけど、こういう結界系といっていいのか分からないけど、そういう魔法か得意なんじゃないだろうか? そもそもこんなでかい奴らが普通に跋扈してたらやばいもんね。
それで実は昔は色々と有ったんじゃないのかな? それで、こんな空間を作って安全に暮らしてるみたいな? てかそれなら、この私達を捕まえてる結界も相当な物だ。まず、術式がみえても理解できないし……でもとても綺麗にマナが流れてるのはわかる。
『結界系の魔法の対処法は術者を殺るか、結界の起点となる装置を壊すこと』
そんなキララの言葉が頭をよぎる。術者は今は駄目。やれない。となると、この結界の起点となる装置が何処かにあるはず。けどそれは人種基準だからね。もしかしたら、別の種はそんな物いらないかもしれない。そうなるとおしまいだ。
(あれ……かな?)
けど、どうやら装置はあった。装置というか、木を組んで編んだ様なこの牢屋のミニチュアだけどね。デカイくせに手先は器用なのかもしれない。それが丁度真上にある。勿論結界の中ではなく外にだけどね。アレを壊せれば……多分この牢屋から出られる。けどどうやれば……攻撃は無理……届かない。この術式を逆算して解除する? それも私の頭では無理だ。
既に詰んでる感満載だけど……
「ん?」
その時、私のカードの一つが落ちた。それを拾って見るとこのカードを受け取った時の事を思い出す。
『これって何か意味あるんですか博士?』
『しらんのか? マナは一人一人違うのじゃ。まあ厳密にはマナとしては同じじゃが、その者の色がつくというじゃろ。そしてそんな他人のマナは他者のマナを乱す事が出来る。このカードは己のマナを外の影響を受けずに他者へと送れるんじゃよ。遅効性の毒とかの効果があるかも知れぬ。それかマナを乱したりな』
『なんか曖昧なんですけどー』
『うるさい! 使ってみればわかることじゃ!』
そんなやり取りがあった。でも実際に使う場面はなかったんだよね。これ使うよりも直接的なダメージ入る系が確実だしね。しかも効果が目に見えないってのは不安がある。けどこれを使えば、私のマナを流し込んでこの結界を壊す……までは行かなくても乱す事は出来るんじゃないかな? 私は壁に近い所の床でカードを手の中に納めてそれを腕ごと床につける。
そしてマナを流し込んだ。キレイな流れのなかに混じり込む私のマナ。本当はきっとこれもこんな簡単には出来ないことだろう。それこそ術式を理解して滑り込ませるようにしないといけないのかもしれない。
けどこのカードはそんな過程はすっ飛ばしてくれる。ネジマキ博士はやっぱり天才だった。私のマナが少しずつ装置へとたまる。すると流れが乱れてきた。術式事態の輝きが鈍くなる。私はそれを確認して、片方の手を結界の外へ向ける。
「駄目です! そんなことしては!!」
リーダーさんがそんな事を言ってくれるけど、わたしは止めない。もしかしたら駄目かもしれない。そうなら、私はあの石ころのように……けど意を決して私は結界に触れる。一瞬の衝撃に私は腕を引く。けど……それは静電気を食らった程度でしかない。私はもう一度腕を進めて今度はバチッとしても腕をすすめる。すると指先が外に出た。
(行ける!)
私はその確信を持ったよ。
私はいかにもな感じで魔法を唱えつつ、考える。てかこの魔法詠唱は振りである。いかにも凄そうな魔法を使いますよーと皆にアピールしてるに過ぎない。最初の文節だけ紡げば、あとはなんでもいいんだから楽な物だ。まあそのなんでもいいってのがセンス問われる部分でもあるんだけどね。とりあえず銃がない今、私に残された手段は魔法しか無いわけで……これでどうにか出来ないかを模索するしかない。
「雷撃よ、走れ!!」
私のそんな言葉と共に指先から青白い光が結界へと走る。けど、それは簡単にかき消された。人種の魔法にしてはかなりの高威力系の魔法だったんだけどな……あれかな? やっぱり岩系に雷撃は相性が悪いのかも。でもこの結界事態は木なんだけどね。やっぱり中から壊すのは至難の技なのかもしれない。けど消された私の魔法を見て皆さん「凄い……」とか言ってる。
まあ普通は魔法がこれだけ使えるのなら、そっちの道に進んだほうが出世速かったりするし、魔法をそれなりに使える人材は貴重だから引く手数多なんだよね。一般の兵士の皆さんでまともに魔法が使える人なんていないだろう。
魔法も使えてアンティカの操縦も出来る。こう聞くと、私ってばほんとエリート。けどだからこそ……期待がね。でも、諦める事は死ぬことだ。考えるしか無い。こういう時はあれだ、マナの流れを知ることが大事とか、キララは言ってた。
魔法は強く行使出来る者ほど万能感が漂う力だけど、それでもリスクも弱点もあるものだと……その言葉を信じよう。私は幸い取られてなかった愛銃ようのカードを取り出す。多分これは武器に見えなかったからそのまま残されてたんだろう。助かったよ。
このカードには色々な魔術式が組み込まれてる。それは私の銃に特性をつける為に開発されたものだけど、裏技として、私自身でも発動できる。ただ単に魔力を流し込めばいいだけだからね。これは画期的発明だと思う。もっと効率化されたら、人種にも魔法が広がるかもしれない可能性がこれにはある。とりあえず身体能力向上のカードと更に五感というか、マナ感知を鋭敏にするカードに魔力を送り発動させる。
なぜにこんなカードが有るかというと、私は主にバックアップだからだ。第一線の戦闘は基本カタヤさんとベールさんの担当だからね。私はその後ろで色々と彼らのサボートをするのが役目だから、そのためのカードもある。このカードを愛銃に込めてマナ弾を撃てば、それだけでこのカードの効果が付与できるからね。私はそられのカードを使い、自身の感覚を強化する。
瞳にはさっきまで映らなかったマナの淡い輝きが見える。それと結界に施された術式の流れもだ。
(てか……この場所事態が……結界のような?)
この状態で初めてわかった。空も大地も術式が見える。鋼岩種は魔法とかよりも肉弾戦タイプだと聞いてたが、どうやらそうじゃないみたい。この空間……この場所じたいが人種では考えられない位の高度な魔法によって生み出された空間なんだ。つまりは鋼岩種は戦闘向きの魔法は得意じゃないけど、こういう結界系といっていいのか分からないけど、そういう魔法か得意なんじゃないだろうか? そもそもこんなでかい奴らが普通に跋扈してたらやばいもんね。
それで実は昔は色々と有ったんじゃないのかな? それで、こんな空間を作って安全に暮らしてるみたいな? てかそれなら、この私達を捕まえてる結界も相当な物だ。まず、術式がみえても理解できないし……でもとても綺麗にマナが流れてるのはわかる。
『結界系の魔法の対処法は術者を殺るか、結界の起点となる装置を壊すこと』
そんなキララの言葉が頭をよぎる。術者は今は駄目。やれない。となると、この結界の起点となる装置が何処かにあるはず。けどそれは人種基準だからね。もしかしたら、別の種はそんな物いらないかもしれない。そうなるとおしまいだ。
(あれ……かな?)
けど、どうやら装置はあった。装置というか、木を組んで編んだ様なこの牢屋のミニチュアだけどね。デカイくせに手先は器用なのかもしれない。それが丁度真上にある。勿論結界の中ではなく外にだけどね。アレを壊せれば……多分この牢屋から出られる。けどどうやれば……攻撃は無理……届かない。この術式を逆算して解除する? それも私の頭では無理だ。
既に詰んでる感満載だけど……
「ん?」
その時、私のカードの一つが落ちた。それを拾って見るとこのカードを受け取った時の事を思い出す。
『これって何か意味あるんですか博士?』
『しらんのか? マナは一人一人違うのじゃ。まあ厳密にはマナとしては同じじゃが、その者の色がつくというじゃろ。そしてそんな他人のマナは他者のマナを乱す事が出来る。このカードは己のマナを外の影響を受けずに他者へと送れるんじゃよ。遅効性の毒とかの効果があるかも知れぬ。それかマナを乱したりな』
『なんか曖昧なんですけどー』
『うるさい! 使ってみればわかることじゃ!』
そんなやり取りがあった。でも実際に使う場面はなかったんだよね。これ使うよりも直接的なダメージ入る系が確実だしね。しかも効果が目に見えないってのは不安がある。けどこれを使えば、私のマナを流し込んでこの結界を壊す……までは行かなくても乱す事は出来るんじゃないかな? 私は壁に近い所の床でカードを手の中に納めてそれを腕ごと床につける。
そしてマナを流し込んだ。キレイな流れのなかに混じり込む私のマナ。本当はきっとこれもこんな簡単には出来ないことだろう。それこそ術式を理解して滑り込ませるようにしないといけないのかもしれない。
けどこのカードはそんな過程はすっ飛ばしてくれる。ネジマキ博士はやっぱり天才だった。私のマナが少しずつ装置へとたまる。すると流れが乱れてきた。術式事態の輝きが鈍くなる。私はそれを確認して、片方の手を結界の外へ向ける。
「駄目です! そんなことしては!!」
リーダーさんがそんな事を言ってくれるけど、わたしは止めない。もしかしたら駄目かもしれない。そうなら、私はあの石ころのように……けど意を決して私は結界に触れる。一瞬の衝撃に私は腕を引く。けど……それは静電気を食らった程度でしかない。私はもう一度腕を進めて今度はバチッとしても腕をすすめる。すると指先が外に出た。
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