美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
Σ17
モニター上に示される目的地、それを目指して私は進む。一応どう進むのが効率的かってのを幾通りもゼロが示してくれてる。けど妨害が激しくてそのとおりには全然行けない。でも外れたとしても更にそこからのルートを直ぐ様算出してくれる。
(でも……成し遂げられるかは私次第なんだよね)
私の運転技術と度胸が試されてるよ。武器はなくなったから邪魔な奴は殴る蹴るで蹴散らす。けど囲まれると不味いからスピードは落とさない。機体が軋む音が聞こえる。無茶な軌道を取ってるからだろう。操縦する私もキツイ。操縦桿を握る私の腕が痺れだしてる。
「もっと繊細に、もっと最小限で!」
限界を続けて、それでも私の緊張感は途切れない。寧ろ研ぎ澄まされてきた感がある。なんだかこの痺れた腕がどこまでなのか……わからなくなっくる。どこまで私の腕なのか……アンティカと私の境目が曖昧な様な。
そんな時、気をつけてた筈だけど、上下と前からワイバーンが迫ってた。こっちの方が速いはずのに……尽く追い詰めてくる。一体どういう原理なのか……とりあえず隙間があるからそこを突く! 更に加速してワイバーンの隙間を縫うように飛ぶ。けどその時、横に居たワイバーンの身体から不自然に尻尾が出てきたのが見えた。
(幻影……それに隠れて……狙いは頭部でしょ!)
私は身体を少し落としてそれをかわす。二度も同じ手は喰らわない! ついでにその尻尾を取って振り回して、辺りのワイバーンを蹴散らして進路を確保した。
「もう……すぐ!」
目的地はすぐそばだ。多分カタヤさんもベールさんも近くに居るはず。センサーにはワイバーンの数が多すぎで真っ赤なんだよね。そのせいで二人の位置が確認しにくい。けど近くに居ることはわかる。
「あと少し! って、え?」
いきなりプロト・ゼロの動きが鈍くなった。エネルギーを確認すると、なんと底をつきかけてる。不味い……これは……鈍くなった私へ上下左右からワイバーンが迫る。その口には赤くたぎる炎が見えてた。サルファーフィールドはこれを抑止してたのか! 体全体が重く鈍い。よけれない。一斉に放たれた火球が真っ赤なプロト・ゼロを照らす。
私は思わず目を瞑った。
『大丈夫ですマスター』
そんな言葉が耳に届くと同時に、閃光が走った。火球が私に当たる直前で消滅する。さらに大量の弾幕を撒き散らすアンティカタイプ・ツー。
『大丈夫か亜子!』
『良く頑張った。三機揃えば我等に勝てぬ者なしだ』
金と青の機体が私を守ってくれた。合流できたんだ……よくやった私。このワイバーン達の背後には何かがいる。けど、既に油断がない私達はとめられない。何者かがこのワイバーンを操ってたのか……それは知りたい。けど私達が目指すべき目的地はここじゃない。私達は三機で連携をとってワイバーンの群れを突破した。それも安々とだ。
多分突破させたんだろう。追ってくることもなかった。さっきまであんなにしつこかったのに……引き際の良さに逆に不気味さが際立つ。もうこんなのゴメンだ。そう思うけど……きっとそうはいかないんだろうなあって私は覚悟するよ。
(でも……成し遂げられるかは私次第なんだよね)
私の運転技術と度胸が試されてるよ。武器はなくなったから邪魔な奴は殴る蹴るで蹴散らす。けど囲まれると不味いからスピードは落とさない。機体が軋む音が聞こえる。無茶な軌道を取ってるからだろう。操縦する私もキツイ。操縦桿を握る私の腕が痺れだしてる。
「もっと繊細に、もっと最小限で!」
限界を続けて、それでも私の緊張感は途切れない。寧ろ研ぎ澄まされてきた感がある。なんだかこの痺れた腕がどこまでなのか……わからなくなっくる。どこまで私の腕なのか……アンティカと私の境目が曖昧な様な。
そんな時、気をつけてた筈だけど、上下と前からワイバーンが迫ってた。こっちの方が速いはずのに……尽く追い詰めてくる。一体どういう原理なのか……とりあえず隙間があるからそこを突く! 更に加速してワイバーンの隙間を縫うように飛ぶ。けどその時、横に居たワイバーンの身体から不自然に尻尾が出てきたのが見えた。
(幻影……それに隠れて……狙いは頭部でしょ!)
私は身体を少し落としてそれをかわす。二度も同じ手は喰らわない! ついでにその尻尾を取って振り回して、辺りのワイバーンを蹴散らして進路を確保した。
「もう……すぐ!」
目的地はすぐそばだ。多分カタヤさんもベールさんも近くに居るはず。センサーにはワイバーンの数が多すぎで真っ赤なんだよね。そのせいで二人の位置が確認しにくい。けど近くに居ることはわかる。
「あと少し! って、え?」
いきなりプロト・ゼロの動きが鈍くなった。エネルギーを確認すると、なんと底をつきかけてる。不味い……これは……鈍くなった私へ上下左右からワイバーンが迫る。その口には赤くたぎる炎が見えてた。サルファーフィールドはこれを抑止してたのか! 体全体が重く鈍い。よけれない。一斉に放たれた火球が真っ赤なプロト・ゼロを照らす。
私は思わず目を瞑った。
『大丈夫ですマスター』
そんな言葉が耳に届くと同時に、閃光が走った。火球が私に当たる直前で消滅する。さらに大量の弾幕を撒き散らすアンティカタイプ・ツー。
『大丈夫か亜子!』
『良く頑張った。三機揃えば我等に勝てぬ者なしだ』
金と青の機体が私を守ってくれた。合流できたんだ……よくやった私。このワイバーン達の背後には何かがいる。けど、既に油断がない私達はとめられない。何者かがこのワイバーンを操ってたのか……それは知りたい。けど私達が目指すべき目的地はここじゃない。私達は三機で連携をとってワイバーンの群れを突破した。それも安々とだ。
多分突破させたんだろう。追ってくることもなかった。さっきまであんなにしつこかったのに……引き際の良さに逆に不気味さが際立つ。もうこんなのゴメンだ。そう思うけど……きっとそうはいかないんだろうなあって私は覚悟するよ。
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