美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
β35
カシャカシャガチャンとやって、組み立てた銃を持って構えを取る亜子。そして再び銃をバラし始めた。わ……私には亜子が何をやってるのかわからないよ。無言でその行為を繰り返す亜子がとても不気味に見える。
「ねえアナハ……亜子は操られてるの? 洗脳されてるの?」
そうとしか思えない光景だ。だって亜子は普通の女の子だったんだよ。決して無表情で銃をバラしては組み立てるみたいな行為を繰り返す子では私が知ってる限りなかった。だからこそこの光景は異常だ。洗脳されてると思いたいよ。けど、アナハは首を振るうよ。
「あの人は……そのまま。何もされてない」
「そっか……じゃああれが亜子なんだね」
少しの間ですっかり変わっちゃったね亜子。だから言ったじゃん。私は心配だって。ラーゼの奴が心配ないとか言ってたけど、私の予想が合ってたよ。亜子のこんな姿見たくなかった。けどこのままじゃ埒が明かない。さっきからずっと同じことやってるだけだもんね。もう狂気さえ感じてきちゃう。
「亜子ってば!」
私は声を張り上げてそういった。するとようやく亜子は銃から目を離してこっちを見てくれた。
「キララ……そっか、来るって言ってたね。そんな所に居ないで入ってよ」
話してみると案外亜子は前のままだった。それに私はホッとするよ。中は結構殺風景だ。しかも私達の寮の部屋と比べるととても狭い。けど、どうやら一人部屋らしい。こっちは基本みんな一人部屋なのだろうか?
「そちらの方は?」
お茶とお茶菓子を出しつつ、亜子がそんな事を言う。狭い部屋だからテーブルは足が折りたためる物があるようだ。それを出して、私達はクッションに腰掛け、亜子はベッドに腰を下ろした。
「私はアナハ……です亜子様」
アナハはわざわざ立ち上がってそう自己紹介した。スカートを軽くつまんで礼をする淑女の礼だ。流石は貴族。普段全然そんなこと感じさせないけど、案外育ちは良いんだよね。
「様だなんて……亜子でいいですよ」
「そうですか? では……亜子……さんで」
「はいアナハ!」
あれ? なんか私よりも心開くの早くない? 気の所為?
「それで、どうしたの?」
「えっとね……とりあえずこれを受け取って。ペル」
「おう!」
私の呼びかけでペルがお腹からピアスをとりだす。
「か、可愛い」
「当然、俺様だからな」
「なにこれ!? なにこれ!?」
なんか亜子のテンションが一気にあがった。そういえばペルのことも知らなかったっけ。私はペルの事を亜子に紹介した。
「いいなー。私も可愛いものほしいよー」
「そうなの? 趣味が変わったのかと思ったけど?」
私はこの殺風景な部屋を見ながらそういう。すると亜子はうなだれて言うよ。
「別にそういうわけじゃないよ。ただ単にここは帰って来て寝るだけになってるってだけ……」
「そうなんだ……大変そうだね」
「大変だよ。身体動かす事一杯やるし……この間だってサバイバルだよ!? 森に放置されてサバイバル! 死ぬかと思ったよ。魔物とも戦ったし……」
「あはは……」
私はこっちじゃなくて本当に良かったって思う。絶対に耐えられな……くはないだろうけど、私の目指すものとは違うからね。行く理由はないね。今の方が楽だからじゃないよ。絶対ない。てか野外訓練ってサバイバルだったんだ。
「このお菓子……不思議な味がしますね。食堂では観たこと……ありませんけど?」
お茶菓子をポリポリしてたアナハがそんな事をいう。アナハお菓子には目がないからね。フォンベラッチェを早く献上しないとそのうち絶交されそうだし。食堂行くたびにつぶやくからね。けど確かに質素なお皿に乗ったお菓子は観たこと無い物だ。ここの食べ物は質が高く、そして見た目も良いものが多いからね。けど亜子が出して来たお菓子は、口に入れやすそうな長方形の物が幾つかあるだけ。果物が乗ってたりはしない。色が違うのがあるから、練り込んであるのかな?
「それはレーションと言って訓練時に食べる非常食なんです。ここの食堂に大量に置いてあるんで各自持って行って良いんですよ」
「そんなものが……けど喉乾く……ね」
「でもでも栄養は折り紙つきだよ。腹持ちもいいし、サバイバルではとても役に立ってくれたの。確かに味は質素だけど、これがたまらないっていうか」
そう言って亜子は美味しそうにそれをかじる。うん……私も食べてみたけど、パサパサしてるね。そこまで美味しいものではない。お茶も飲んでみたら、なにやら薄かった。どうやらこれもここでは普通の支給品みたい。水にカプセルを入れると味をつけれると言うものらしい。サバイバルにはそこまで役に立たなかったけど、亜子はこの手軽さが好きらしい。
うん……なんか今度持ってきてあげよう。そう思った。
「ねえアナハ……亜子は操られてるの? 洗脳されてるの?」
そうとしか思えない光景だ。だって亜子は普通の女の子だったんだよ。決して無表情で銃をバラしては組み立てるみたいな行為を繰り返す子では私が知ってる限りなかった。だからこそこの光景は異常だ。洗脳されてると思いたいよ。けど、アナハは首を振るうよ。
「あの人は……そのまま。何もされてない」
「そっか……じゃああれが亜子なんだね」
少しの間ですっかり変わっちゃったね亜子。だから言ったじゃん。私は心配だって。ラーゼの奴が心配ないとか言ってたけど、私の予想が合ってたよ。亜子のこんな姿見たくなかった。けどこのままじゃ埒が明かない。さっきからずっと同じことやってるだけだもんね。もう狂気さえ感じてきちゃう。
「亜子ってば!」
私は声を張り上げてそういった。するとようやく亜子は銃から目を離してこっちを見てくれた。
「キララ……そっか、来るって言ってたね。そんな所に居ないで入ってよ」
話してみると案外亜子は前のままだった。それに私はホッとするよ。中は結構殺風景だ。しかも私達の寮の部屋と比べるととても狭い。けど、どうやら一人部屋らしい。こっちは基本みんな一人部屋なのだろうか?
「そちらの方は?」
お茶とお茶菓子を出しつつ、亜子がそんな事を言う。狭い部屋だからテーブルは足が折りたためる物があるようだ。それを出して、私達はクッションに腰掛け、亜子はベッドに腰を下ろした。
「私はアナハ……です亜子様」
アナハはわざわざ立ち上がってそう自己紹介した。スカートを軽くつまんで礼をする淑女の礼だ。流石は貴族。普段全然そんなこと感じさせないけど、案外育ちは良いんだよね。
「様だなんて……亜子でいいですよ」
「そうですか? では……亜子……さんで」
「はいアナハ!」
あれ? なんか私よりも心開くの早くない? 気の所為?
「それで、どうしたの?」
「えっとね……とりあえずこれを受け取って。ペル」
「おう!」
私の呼びかけでペルがお腹からピアスをとりだす。
「か、可愛い」
「当然、俺様だからな」
「なにこれ!? なにこれ!?」
なんか亜子のテンションが一気にあがった。そういえばペルのことも知らなかったっけ。私はペルの事を亜子に紹介した。
「いいなー。私も可愛いものほしいよー」
「そうなの? 趣味が変わったのかと思ったけど?」
私はこの殺風景な部屋を見ながらそういう。すると亜子はうなだれて言うよ。
「別にそういうわけじゃないよ。ただ単にここは帰って来て寝るだけになってるってだけ……」
「そうなんだ……大変そうだね」
「大変だよ。身体動かす事一杯やるし……この間だってサバイバルだよ!? 森に放置されてサバイバル! 死ぬかと思ったよ。魔物とも戦ったし……」
「あはは……」
私はこっちじゃなくて本当に良かったって思う。絶対に耐えられな……くはないだろうけど、私の目指すものとは違うからね。行く理由はないね。今の方が楽だからじゃないよ。絶対ない。てか野外訓練ってサバイバルだったんだ。
「このお菓子……不思議な味がしますね。食堂では観たこと……ありませんけど?」
お茶菓子をポリポリしてたアナハがそんな事をいう。アナハお菓子には目がないからね。フォンベラッチェを早く献上しないとそのうち絶交されそうだし。食堂行くたびにつぶやくからね。けど確かに質素なお皿に乗ったお菓子は観たこと無い物だ。ここの食べ物は質が高く、そして見た目も良いものが多いからね。けど亜子が出して来たお菓子は、口に入れやすそうな長方形の物が幾つかあるだけ。果物が乗ってたりはしない。色が違うのがあるから、練り込んであるのかな?
「それはレーションと言って訓練時に食べる非常食なんです。ここの食堂に大量に置いてあるんで各自持って行って良いんですよ」
「そんなものが……けど喉乾く……ね」
「でもでも栄養は折り紙つきだよ。腹持ちもいいし、サバイバルではとても役に立ってくれたの。確かに味は質素だけど、これがたまらないっていうか」
そう言って亜子は美味しそうにそれをかじる。うん……私も食べてみたけど、パサパサしてるね。そこまで美味しいものではない。お茶も飲んでみたら、なにやら薄かった。どうやらこれもここでは普通の支給品みたい。水にカプセルを入れると味をつけれると言うものらしい。サバイバルにはそこまで役に立たなかったけど、亜子はこの手軽さが好きらしい。
うん……なんか今度持ってきてあげよう。そう思った。
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