ミッション;神の打倒
9、奴隷が武器まで
「アンタ、ここから森まで5分って、どれくらいの距離があるかわかって言ってるの?」
「んー......分かってるつもりなんだけどなぁ...」
カミナは少し困惑したように言う。
実際、カミナの全力の走りは新幹線を越える。仮に白狼もカミナと同じぐらい速く時速300キロだとすると、リョートー都からカミナがスポーンした森まで、300kmに12分の1をかければ求められる。
答えは25kmだ。しかし、ここで距離の計り方をカミナは知らないため、歩数で求めることにする。
一歩を1.4mとすると、リョートー都から森までの距離をmで表すと2500mだ。そこに1.4をわればいいだけ。四捨五入して答えは1071歩だ。
「ここから森まで、個人差はあるが大体1071歩だ。簡単な計算をやっただけだから。」
「すごいわね...自分で測ったの?1...2...3...って?それってよっぽどの暇人がすることじゃない?」
(応用だが、この計算は小学生5年生でクリアできるはずだ。いちいち歩数に変える必要はないんだがな.......はははは!)
虚しい笑いを一人、心の中でする瀬戸。ルルは驚きで目を見開く。ルキはご主人様を尊敬の眼差しで見つめる。
こめかみに冷や汗が流れてしまい、どうしても目を逸らしてしまう。
3人は路地裏を抜けて、すぐに右に曲がる。喧騒が少しなくなり、オレンジの空が夕刻のチャイムを静かに鳴らす。それと同時にどこかの教会から、カランカランと鐘が鳴る。
武具店の店主は、カウンターのテーブルに手を乗せて体重をかけ、丸刈りの頭に深緑のエプロンを着ていて、壁に飾られた無数の武器を背景に様になっている。
ルルとカミナはどの武器を買おうか目を輝かせるが、ルキは無関心、必要ないとばかりに俯く。
「おじさん、さっきはありがと!結構急いでたのよ。」
「おう!別にいいとも。なンだ、3人とも武器をご所望か?どれにする?」
「じゃあ、片手剣ってある?さっきルルに貰った時、とても軽いのに威力が高くてすごく感動したんだよ!」
「えっ、アタシがアンタに渡したのは両手剣よ?片手剣じゃないわ。」
「両手剣って、怪力、豪腕の戦士が使うような武器ですよね?軽いはずがないと思うんですけどね。」
「おいおい...両手剣を片手で振り回すなンて、とンだ怪力野郎も居たもンだ...あンちゃん、このひ弱なカラダのどこにそンなパワーが?」
「ひ弱余計じゃ!気にしてんじゃ!触るなし、腕触るなし!」
「なんでそんなに口調が変なのよ...一定にしなさいよ!」
「うるさい!超許さん!」
武具店の店主のスキンシップに気高いチェシャ猫のように怒る。ルルには呆れられ、ルキにはクスクスと笑われる。店主も景気良さそうに笑うと、両手剣をどんどんカウンターに整列させてこう言う。
「ほい、これが両手剣全部だ。右から左へ質が良くなっていくんだ。その分、値段も上がっていくぞ〜!」
「なるほど、即決だな。じゃあこれとこれで。」
カミナが選んだのは、左から4、5番目の剣を2つ。
「「「......は?」」」
「いやーちょっと“剣が踊る戦い”ってのをやってみたくて選んじゃった。結構奮発した!」
「剣が踊る戦い?」
「そうそう、剣って振り回すものじゃん?じゃなくて、剣が動きたい感覚を自分のカラダで体現してみたいなって。俺、自分の故郷でそういうことが書かれている書物を読んで、すごく憧れてたんだ...」
「「......?」」
店主は一瞬驚いていたが、すぐカミナの話を聞きようやく理解する。対して他2人は未だに理解、把握が出来ていない。
「まぁ、要するに、“俺達が剣を利用する”じゃなくて、“俺達が剣の剣になる”と?」
「ごめん、アタシ、アンタ達が何言ってるのか全然分かんない。」
「わたしもです...失礼ですがお2人にしか出来ない会話のようです。」
「おっ。良く分かったね、おっちゃん!」
「当然よ!武器の事なら任せとけ!」
「オーケー......よし。お代は計幾らだ?」
「お代は...そうさなぁ、折角たくさん買ってくれンだし、これからも贔屓にしてくれるってンなら、都金貨4枚と都銀貨7枚のところを都銀貨5枚をなくしてやるぜ
!」
(つまり、4万7千円が4万2千円になる...意外と安いな。いや向こうはむしろ物価が高かったのか。まだ安い出費だな。)
「おぉ、そんなに安くしてくれんの?よし、なおさら買おうか!」
カミナは支払いを終了する。報酬含めカミナの所持金は残り都金貨2枚分とされた。視界の左下のログには、都貨幣が失ったことと両手剣レベル3と4で2本手に入れた事を記す文字。終わったところでカミナはルルに質問する。
「ん、お前は買わないのか?」
「ひぇ?!あ、アタシは...いいわ。買わないわ。」
「なぁ、俺さっきも言ったはずだぞ?ナイフの一本でも持ってたら全然違うって。両手剣のお返しで、俺が買うよ。おっちゃん、ナイフってどれがあるの?」
カミナはルルの反対を押し切ってナイフを持たせようとする。店主は後ろに飾られたナイフを全て取ろうとする。投げられそうな程に小さいものから、マイナーであるベトナムの兵士が使うようなククリナイフなどなど、本当はナイフ専門店なのじゃないかというほどにナイフが出てくる。
(いっぱいあるなぁ......ナイフだけ。両手剣は8本程度だったのに、これはざっくり20を越えるぞ...?)
「いっぱいあるのね...あ、これはどうかしら、カミナ?重すぎず軽すぎず、振りやすそうじゃない?」
「おっ、ねーちゃンお目が高い!そいつは重量が片手剣とナイフの間にあるナイフで、片手剣にしては軽いのでナイフ扱いだ。片手剣が少し重い、ナイフだと軽すぎるっていう人が使うべきな武器だ。どうする?」
「へ、へぇ、やけに詳しいのね...ありがとう、これにするわ。」
「まいど!都金貨1枚と都銀貨9枚だが、さっき剣を買ってくれたから都銀貨9枚をなくしてやンよ!」
(.........あ、この人、女好きだな。確信はないけど、俺のときは都銀貨5枚引きだったのにルルは9枚ときた。これとナイフの詳しい説明までするから、もう決まったものだな...鼻の下も伸びてる......まぁ俺が払うから得したのは俺だけどな。)
カミナは都金貨1枚支払ってナイフを店主からいただく。瀬戸は少し店主を怪しく思い懸念したが、カミナはすぐ黙っているルキに質問を投げかける。
「ルキ、お前は武器を持たないのか?一応俺は冒険者だからルキも連れて行くつもりなんだが。」
「はいまぁ、あの、お恥ずかしながらお金は持っておりませんので...」
「そうじゃなくて、必要はないのか?」
「へ?」
ルキはカミナの質問に聞き返してしまう。カミナはむしろ理由がわからないようだ。
「いやいや、へ?じゃなくてね?お金ぐらい俺が払うんだよ?ルキはお金がなくても大丈夫だ。」
「カミナ、アンタはケモノの常識を知らないの!」
「えっ、えぇ?どうして?一緒に依頼達成するんだから必要でしょ?何が問題なの?」
「そこじゃなーーい!!ケモノが武器を持ってたら主人を襲う可能性があるのよ!」
「なにぃ?!ルキ、お前俺を殺そうとするのか?!」
「い、いいえ、そんな事はしません!でも、本当に武具をもらっても良いんですか?」
「いいとも。特に問題ないだろ?」
「ちょ、ちょっとカミ...「もしそれで!」...!」
「もしそれで、俺が殺されたのならば、ルキが選んだご主人様はその程度だった、俺の見る目がなかったという事だ。.........じゃあ、ここは狼らしく鉤爪ってどうだ?」
ルルの問い詰めを斬り伏せて話を進める。店主は左腕を上にして腕組み。黙して会話を聞いている。
「か、鉤爪って、なんですか?」
「そうだな、狼の爪に見立てた刃物を手に付けるんだ。どうだ、最高にクールだろ?」
「鉤爪.....はいっ!良いですね!」
「おっ、決まったかい?鉤爪なんてマイナーな武器、少ないけどそれでも良いんだな?」
「ククリナイフも十分マイナーなんだから、ちゃんと揃ってるんだろ?」
「がっはっはっは!違いねぇ!」
武具店の店主はそう言いつつ、鉤爪をまた質の良いものから左に置いていく。だが、並べられた数はたったの6つだけであった。
「うん...いやこれでも十分だろ?!さすがだな........」
「がっはっは!褒めてもなんもでねぇぞ?」
「あの後ろの鉤爪は?あれだけダメなの?」
「んー...あれはな、不思議な力があって使えないンだ。人が使うと物や生物に傷を付けた分だけ自分にも回ってくるンだ。その代わり、斬れ味は上等だぜ?」
「じゃ、ルキちゃんはそれにしたら?」
カミナのこめかみは少し反応する。どうして?瀬戸は疑問に思う。
「何故....!?」
「要するに、人じゃなければ良いんでしょ?ルキちゃんは獣人族じゃない?何も問題はないはずよ。」
「「「なるほどぉ......」」」
ルルの神的発想に、3人は感嘆の息を漏らす。瀬戸は、てっきり痛めつけたいのだと勘違いしていたようで、心の中で謝った。どうやら彼はルキに甘いらしい。自分の娘のように思っていることだろう。
「ほい、これは都銀貨7枚だ。」
「「えっ!安っ?!」」
「みんな不気味だ不気味だってンで、まるで売れやしない妖刀。こっちは多少、損をしてでも売りたいンだ。損傷を少なくしたいからな。」
カミナが都銀貨7枚を支払って、店主はルキに渡そうとするが...
「あぁっ、ちょっと待ってくれ、一旦こっちに渡してほしいんだ。ありがとう。」
カミナの視界の左下のログには、またしても都貨幣を失ったという報告と、鉤爪:夜爪・凱旋を手に入れた。と書かれていた。
(夜爪・凱旋......カッコいい名前だな。効果はなんだ?えーと...特殊効果は......と)
夜爪・凱旋
特殊効果:ヒト族が使用するとダメージを与えた際に自分に同じダメージ。また、一度ダメージを与えた相手に自分が与えられたダメージと同じダメージ。
「なんだこれ。チートじゃないか。」
「んー......分かってるつもりなんだけどなぁ...」
カミナは少し困惑したように言う。
実際、カミナの全力の走りは新幹線を越える。仮に白狼もカミナと同じぐらい速く時速300キロだとすると、リョートー都からカミナがスポーンした森まで、300kmに12分の1をかければ求められる。
答えは25kmだ。しかし、ここで距離の計り方をカミナは知らないため、歩数で求めることにする。
一歩を1.4mとすると、リョートー都から森までの距離をmで表すと2500mだ。そこに1.4をわればいいだけ。四捨五入して答えは1071歩だ。
「ここから森まで、個人差はあるが大体1071歩だ。簡単な計算をやっただけだから。」
「すごいわね...自分で測ったの?1...2...3...って?それってよっぽどの暇人がすることじゃない?」
(応用だが、この計算は小学生5年生でクリアできるはずだ。いちいち歩数に変える必要はないんだがな.......はははは!)
虚しい笑いを一人、心の中でする瀬戸。ルルは驚きで目を見開く。ルキはご主人様を尊敬の眼差しで見つめる。
こめかみに冷や汗が流れてしまい、どうしても目を逸らしてしまう。
3人は路地裏を抜けて、すぐに右に曲がる。喧騒が少しなくなり、オレンジの空が夕刻のチャイムを静かに鳴らす。それと同時にどこかの教会から、カランカランと鐘が鳴る。
武具店の店主は、カウンターのテーブルに手を乗せて体重をかけ、丸刈りの頭に深緑のエプロンを着ていて、壁に飾られた無数の武器を背景に様になっている。
ルルとカミナはどの武器を買おうか目を輝かせるが、ルキは無関心、必要ないとばかりに俯く。
「おじさん、さっきはありがと!結構急いでたのよ。」
「おう!別にいいとも。なンだ、3人とも武器をご所望か?どれにする?」
「じゃあ、片手剣ってある?さっきルルに貰った時、とても軽いのに威力が高くてすごく感動したんだよ!」
「えっ、アタシがアンタに渡したのは両手剣よ?片手剣じゃないわ。」
「両手剣って、怪力、豪腕の戦士が使うような武器ですよね?軽いはずがないと思うんですけどね。」
「おいおい...両手剣を片手で振り回すなンて、とンだ怪力野郎も居たもンだ...あンちゃん、このひ弱なカラダのどこにそンなパワーが?」
「ひ弱余計じゃ!気にしてんじゃ!触るなし、腕触るなし!」
「なんでそんなに口調が変なのよ...一定にしなさいよ!」
「うるさい!超許さん!」
武具店の店主のスキンシップに気高いチェシャ猫のように怒る。ルルには呆れられ、ルキにはクスクスと笑われる。店主も景気良さそうに笑うと、両手剣をどんどんカウンターに整列させてこう言う。
「ほい、これが両手剣全部だ。右から左へ質が良くなっていくんだ。その分、値段も上がっていくぞ〜!」
「なるほど、即決だな。じゃあこれとこれで。」
カミナが選んだのは、左から4、5番目の剣を2つ。
「「「......は?」」」
「いやーちょっと“剣が踊る戦い”ってのをやってみたくて選んじゃった。結構奮発した!」
「剣が踊る戦い?」
「そうそう、剣って振り回すものじゃん?じゃなくて、剣が動きたい感覚を自分のカラダで体現してみたいなって。俺、自分の故郷でそういうことが書かれている書物を読んで、すごく憧れてたんだ...」
「「......?」」
店主は一瞬驚いていたが、すぐカミナの話を聞きようやく理解する。対して他2人は未だに理解、把握が出来ていない。
「まぁ、要するに、“俺達が剣を利用する”じゃなくて、“俺達が剣の剣になる”と?」
「ごめん、アタシ、アンタ達が何言ってるのか全然分かんない。」
「わたしもです...失礼ですがお2人にしか出来ない会話のようです。」
「おっ。良く分かったね、おっちゃん!」
「当然よ!武器の事なら任せとけ!」
「オーケー......よし。お代は計幾らだ?」
「お代は...そうさなぁ、折角たくさん買ってくれンだし、これからも贔屓にしてくれるってンなら、都金貨4枚と都銀貨7枚のところを都銀貨5枚をなくしてやるぜ
!」
(つまり、4万7千円が4万2千円になる...意外と安いな。いや向こうはむしろ物価が高かったのか。まだ安い出費だな。)
「おぉ、そんなに安くしてくれんの?よし、なおさら買おうか!」
カミナは支払いを終了する。報酬含めカミナの所持金は残り都金貨2枚分とされた。視界の左下のログには、都貨幣が失ったことと両手剣レベル3と4で2本手に入れた事を記す文字。終わったところでカミナはルルに質問する。
「ん、お前は買わないのか?」
「ひぇ?!あ、アタシは...いいわ。買わないわ。」
「なぁ、俺さっきも言ったはずだぞ?ナイフの一本でも持ってたら全然違うって。両手剣のお返しで、俺が買うよ。おっちゃん、ナイフってどれがあるの?」
カミナはルルの反対を押し切ってナイフを持たせようとする。店主は後ろに飾られたナイフを全て取ろうとする。投げられそうな程に小さいものから、マイナーであるベトナムの兵士が使うようなククリナイフなどなど、本当はナイフ専門店なのじゃないかというほどにナイフが出てくる。
(いっぱいあるなぁ......ナイフだけ。両手剣は8本程度だったのに、これはざっくり20を越えるぞ...?)
「いっぱいあるのね...あ、これはどうかしら、カミナ?重すぎず軽すぎず、振りやすそうじゃない?」
「おっ、ねーちゃンお目が高い!そいつは重量が片手剣とナイフの間にあるナイフで、片手剣にしては軽いのでナイフ扱いだ。片手剣が少し重い、ナイフだと軽すぎるっていう人が使うべきな武器だ。どうする?」
「へ、へぇ、やけに詳しいのね...ありがとう、これにするわ。」
「まいど!都金貨1枚と都銀貨9枚だが、さっき剣を買ってくれたから都銀貨9枚をなくしてやンよ!」
(.........あ、この人、女好きだな。確信はないけど、俺のときは都銀貨5枚引きだったのにルルは9枚ときた。これとナイフの詳しい説明までするから、もう決まったものだな...鼻の下も伸びてる......まぁ俺が払うから得したのは俺だけどな。)
カミナは都金貨1枚支払ってナイフを店主からいただく。瀬戸は少し店主を怪しく思い懸念したが、カミナはすぐ黙っているルキに質問を投げかける。
「ルキ、お前は武器を持たないのか?一応俺は冒険者だからルキも連れて行くつもりなんだが。」
「はいまぁ、あの、お恥ずかしながらお金は持っておりませんので...」
「そうじゃなくて、必要はないのか?」
「へ?」
ルキはカミナの質問に聞き返してしまう。カミナはむしろ理由がわからないようだ。
「いやいや、へ?じゃなくてね?お金ぐらい俺が払うんだよ?ルキはお金がなくても大丈夫だ。」
「カミナ、アンタはケモノの常識を知らないの!」
「えっ、えぇ?どうして?一緒に依頼達成するんだから必要でしょ?何が問題なの?」
「そこじゃなーーい!!ケモノが武器を持ってたら主人を襲う可能性があるのよ!」
「なにぃ?!ルキ、お前俺を殺そうとするのか?!」
「い、いいえ、そんな事はしません!でも、本当に武具をもらっても良いんですか?」
「いいとも。特に問題ないだろ?」
「ちょ、ちょっとカミ...「もしそれで!」...!」
「もしそれで、俺が殺されたのならば、ルキが選んだご主人様はその程度だった、俺の見る目がなかったという事だ。.........じゃあ、ここは狼らしく鉤爪ってどうだ?」
ルルの問い詰めを斬り伏せて話を進める。店主は左腕を上にして腕組み。黙して会話を聞いている。
「か、鉤爪って、なんですか?」
「そうだな、狼の爪に見立てた刃物を手に付けるんだ。どうだ、最高にクールだろ?」
「鉤爪.....はいっ!良いですね!」
「おっ、決まったかい?鉤爪なんてマイナーな武器、少ないけどそれでも良いんだな?」
「ククリナイフも十分マイナーなんだから、ちゃんと揃ってるんだろ?」
「がっはっはっは!違いねぇ!」
武具店の店主はそう言いつつ、鉤爪をまた質の良いものから左に置いていく。だが、並べられた数はたったの6つだけであった。
「うん...いやこれでも十分だろ?!さすがだな........」
「がっはっは!褒めてもなんもでねぇぞ?」
「あの後ろの鉤爪は?あれだけダメなの?」
「んー...あれはな、不思議な力があって使えないンだ。人が使うと物や生物に傷を付けた分だけ自分にも回ってくるンだ。その代わり、斬れ味は上等だぜ?」
「じゃ、ルキちゃんはそれにしたら?」
カミナのこめかみは少し反応する。どうして?瀬戸は疑問に思う。
「何故....!?」
「要するに、人じゃなければ良いんでしょ?ルキちゃんは獣人族じゃない?何も問題はないはずよ。」
「「「なるほどぉ......」」」
ルルの神的発想に、3人は感嘆の息を漏らす。瀬戸は、てっきり痛めつけたいのだと勘違いしていたようで、心の中で謝った。どうやら彼はルキに甘いらしい。自分の娘のように思っていることだろう。
「ほい、これは都銀貨7枚だ。」
「「えっ!安っ?!」」
「みんな不気味だ不気味だってンで、まるで売れやしない妖刀。こっちは多少、損をしてでも売りたいンだ。損傷を少なくしたいからな。」
カミナが都銀貨7枚を支払って、店主はルキに渡そうとするが...
「あぁっ、ちょっと待ってくれ、一旦こっちに渡してほしいんだ。ありがとう。」
カミナの視界の左下のログには、またしても都貨幣を失ったという報告と、鉤爪:夜爪・凱旋を手に入れた。と書かれていた。
(夜爪・凱旋......カッコいい名前だな。効果はなんだ?えーと...特殊効果は......と)
夜爪・凱旋
特殊効果:ヒト族が使用するとダメージを与えた際に自分に同じダメージ。また、一度ダメージを与えた相手に自分が与えられたダメージと同じダメージ。
「なんだこれ。チートじゃないか。」
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