ミッション;神の打倒
5、依頼達成まで!
「お、おはようカミさん、よく眠れたか?」
「んーまぁ、そうかなぁ.....」
「はっはっ、眠そうだなぁ。さ、朝飯食べに行こう。」
(全然全く眠れてねぇよ....)
宿へ帰ったカミナは、精霊技を実験していた。分かった事は3つで、              1つは、“詠唱の内容によってその属性の行動パターンが構築される”こと。
2つ目は“複数の属性を詠唱する事が可能”という事。
そして最後に、“詠唱をゲームのスキルとして使用する事ができる”だ。実際、風の精霊技を使った際、「スキルを取得」と左下のログに書いており、スキルスロットルに装着すると意思を送るだけで使用できた。加減は出来ないが。
「質素な朝ごはんだなぁ....でも、作ってくれた事に感謝しないとな。」
二人は円卓を挟んで女将によって作って盛られた朝ごはんを見て、二人は手を合わせる。
「「いただきます。」」
(おぉ、この挨拶はするんだな。なるほど、基準が分からん。)
朝はレタスらしきものを主にしたサラダに、固いパン、そしてポタージュだった。カミナにとっては最近与えられた刺激が多すぎたため、こういう変わらない食事が唯一の安らぎとなりつつあった。
「ひあーひかひおあみのふふうえいはうあいあ!」
「食べ物を口に入れたまま喋るのは辞めるんだ。何を言ってるのか分かりにくい上にきたないぞ。」
オーランは口にあるものを全て飲み込んで、カミナに提案した。
「カミさん、あんた無一文なんだろ?お金貸してやるから、依頼を達成させて資金を手に入れたらどうだ。俺は昼からダステル商館に用事があるからカミさん一人になるが、まぁカミさんなら大丈夫だろ。」
「うーんそうかもしれないが、やっぱり不安だなぁ....装備もないし、服もこれだけだ。」
「なら親切な人とパーティーを組むといい。報酬は半分やそれ以下になるけど、依頼の達成確率は格段にアップするぞ?」
(なるほど、そういう手もあるのか、いやーランは博識だなぁ。)
カミナはうんうんと頷き、朝ごはんを掻き込んで食べ終わらせる。
「ごちそうさま。じゃあ女将さん、行ってくる。」
「はいよ、気をつけてね。」
「ほい、これだけあれば大抵の依頼は受注できるぞ〜。」
オーランからもらったのは銅貨らしきものが3枚。カミナはそれは貰って握りしめ、宿を出て足早にギルド施設へ直行する。
今は質素な服一枚とズボン。革の靴程度しか無いが、いつか立派の鎧を着る時が来るだろう。
「うーん、どの依頼にしよう...」
    瀬戸は選り取りみどりの依頼に目を光らせていた。
「おっこれなんか良さげだなぁ。」
瀬戸が選んだのは小さな湖の中に棲む耐電ワニの全滅。それが書かれ貼り付けられた紙を手にしようとすると、別の手が別の方向から来る。
「「あっ。」」
「ねぇ。」
「すいません、すぐに退きますね、どうぞどうぞ、その依頼は貴女のものです。」
「ねぇってば!」
「ひぃぃ?!」
カミナはペコペコと謝るが、女性は話しを聞いてもらいたいようだ。
「アタシとパーティー組まない?この依頼で。ちょっと一人で出来るか不安だったのよ。」
「は、はぁ、俺とですか。」
「そそ、アンタとよ。」
同じ依頼を取ろうとしたのは、桃色の右の肩当てと靴の鎧、その他は白の服と赤のスカートを着た髪の真っ赤な20代くらいの女性だった。とても顔が綺麗だったもので、瀬戸はしばらく見とれてしまう。
(見るからに強そう......)
カミナはパーティーを組んで受注をしようするが制される。
「ちょっと待って、これはアタシが払うよ。」
「あ、あぁ、ありがとう。」
「え?!」
「あ、ごめん。ちょっと俺のいつもの癖で...ははは....」
受け付け嬢に受注完了すると、依頼の説明をされる。
「リョートー都正門を出てすぐ左の小さな湖では、耐電ワニが大量発生して湖内の生態系を著しく破壊しています。どうか全滅させてください!しかし、呼んで字の如く、耐電ワニはゴム質の皮膚により電の精霊技は効きません。」
リョートー都正門前の湖のほとりにて。
「アンタ、精霊技は使える?」
瀬戸はこれに対する最適解がわからなかったので、とりあえず否定しておく。
「いや、使えない。でも基礎体力はあるつもりだ!」
「じゃあこの作戦でどう?アンタが湖に入ってワニをおびき寄せて、アタシが精霊技でドンッてね。」
「まぁいいけど、俺ってば囮かよ....」
シンプルだが効率の良い作戦だ。相手の得意とする水中の土俵に立つのではなく、引きずりだして有利に戦う。
「まぁいーじゃん?アンタは絶対に死なせはしないし!」
「はぁ...わかった。」
この作戦を実行するも、耐電ワニは用心深く、水から出てこようとはしない。寧ろカミナの危険が多くなるばかりで、デメリットしかない。
そこでカミナは、ある提案をする。
「ねぇ、作戦を変えよう。」
「へぇどんな?」
「俺の言う通りに精霊技を使ってくれ。」
「えっどうして?」
「なーに、ちょっとした科学のお勉強だよ〜。」
カミナはニヤリとする。この状況が楽しみになってしまい、歌うように喋ってしまう。
「よし!まずは、分厚い土の天井を水面ギリギリに全体に張れっ!」
「うん!“土よ、水を塞げ”!」
湖が分厚い土によって湖は見えなくなってしまう。
「そして、水に電気を流し続けろっ!」
「どうして?耐電ワニは電気が通らないんだよ?!」
「良いから!」
「っ!......わかった。“電よ、水を流れ、流れ続けろ”!」
目視は出来ないが、水が確実に減る。もう何をするかお分かりだろう。
「最後だ、土を出したまま小さな炎を湖に放り込むんだ!」
「わかった。“炎よ、小さく小さく、土の下を潜れ”!」
すると、聞いたことのない程の大爆発が起きる。水は土の天井の隙間から激流で噴水のように上がり、落ちて二人を濡らす。土の天井は衝撃で割れて、全て落ちる。
「これがサイエンスッパワーー!!ハーーッハッハッハ!」
全て落ちた所で湖の全貌が明らかになる。水から魚に雑魚、耐電ワニを含む湖の生物の死骸全てが浮き上がる。
瀬戸は水の電気分解による発生した水素に引火させ、耐電ワニを....いや、湖を破壊した。
「ねぇこれ....」
「うん?」
「生態系も何も、もう全部死んだよね?」
「がぁぁっ?!」
「はい.....依頼されたものは全て完了しました.....これが報酬です。」
受け付け嬢が落ち込んだ様子で報酬を渡す。この都の通貨が分からない瀬戸でも、多額だと分かる。
「「本当にすいませんでした。」」
「いえいえぇ...全然問題ないですよぉあははは〜....」
「スキル:水素爆発」を入手した。スロットルに装備しますか?
「んーまぁ、そうかなぁ.....」
「はっはっ、眠そうだなぁ。さ、朝飯食べに行こう。」
(全然全く眠れてねぇよ....)
宿へ帰ったカミナは、精霊技を実験していた。分かった事は3つで、              1つは、“詠唱の内容によってその属性の行動パターンが構築される”こと。
2つ目は“複数の属性を詠唱する事が可能”という事。
そして最後に、“詠唱をゲームのスキルとして使用する事ができる”だ。実際、風の精霊技を使った際、「スキルを取得」と左下のログに書いており、スキルスロットルに装着すると意思を送るだけで使用できた。加減は出来ないが。
「質素な朝ごはんだなぁ....でも、作ってくれた事に感謝しないとな。」
二人は円卓を挟んで女将によって作って盛られた朝ごはんを見て、二人は手を合わせる。
「「いただきます。」」
(おぉ、この挨拶はするんだな。なるほど、基準が分からん。)
朝はレタスらしきものを主にしたサラダに、固いパン、そしてポタージュだった。カミナにとっては最近与えられた刺激が多すぎたため、こういう変わらない食事が唯一の安らぎとなりつつあった。
「ひあーひかひおあみのふふうえいはうあいあ!」
「食べ物を口に入れたまま喋るのは辞めるんだ。何を言ってるのか分かりにくい上にきたないぞ。」
オーランは口にあるものを全て飲み込んで、カミナに提案した。
「カミさん、あんた無一文なんだろ?お金貸してやるから、依頼を達成させて資金を手に入れたらどうだ。俺は昼からダステル商館に用事があるからカミさん一人になるが、まぁカミさんなら大丈夫だろ。」
「うーんそうかもしれないが、やっぱり不安だなぁ....装備もないし、服もこれだけだ。」
「なら親切な人とパーティーを組むといい。報酬は半分やそれ以下になるけど、依頼の達成確率は格段にアップするぞ?」
(なるほど、そういう手もあるのか、いやーランは博識だなぁ。)
カミナはうんうんと頷き、朝ごはんを掻き込んで食べ終わらせる。
「ごちそうさま。じゃあ女将さん、行ってくる。」
「はいよ、気をつけてね。」
「ほい、これだけあれば大抵の依頼は受注できるぞ〜。」
オーランからもらったのは銅貨らしきものが3枚。カミナはそれは貰って握りしめ、宿を出て足早にギルド施設へ直行する。
今は質素な服一枚とズボン。革の靴程度しか無いが、いつか立派の鎧を着る時が来るだろう。
「うーん、どの依頼にしよう...」
    瀬戸は選り取りみどりの依頼に目を光らせていた。
「おっこれなんか良さげだなぁ。」
瀬戸が選んだのは小さな湖の中に棲む耐電ワニの全滅。それが書かれ貼り付けられた紙を手にしようとすると、別の手が別の方向から来る。
「「あっ。」」
「ねぇ。」
「すいません、すぐに退きますね、どうぞどうぞ、その依頼は貴女のものです。」
「ねぇってば!」
「ひぃぃ?!」
カミナはペコペコと謝るが、女性は話しを聞いてもらいたいようだ。
「アタシとパーティー組まない?この依頼で。ちょっと一人で出来るか不安だったのよ。」
「は、はぁ、俺とですか。」
「そそ、アンタとよ。」
同じ依頼を取ろうとしたのは、桃色の右の肩当てと靴の鎧、その他は白の服と赤のスカートを着た髪の真っ赤な20代くらいの女性だった。とても顔が綺麗だったもので、瀬戸はしばらく見とれてしまう。
(見るからに強そう......)
カミナはパーティーを組んで受注をしようするが制される。
「ちょっと待って、これはアタシが払うよ。」
「あ、あぁ、ありがとう。」
「え?!」
「あ、ごめん。ちょっと俺のいつもの癖で...ははは....」
受け付け嬢に受注完了すると、依頼の説明をされる。
「リョートー都正門を出てすぐ左の小さな湖では、耐電ワニが大量発生して湖内の生態系を著しく破壊しています。どうか全滅させてください!しかし、呼んで字の如く、耐電ワニはゴム質の皮膚により電の精霊技は効きません。」
リョートー都正門前の湖のほとりにて。
「アンタ、精霊技は使える?」
瀬戸はこれに対する最適解がわからなかったので、とりあえず否定しておく。
「いや、使えない。でも基礎体力はあるつもりだ!」
「じゃあこの作戦でどう?アンタが湖に入ってワニをおびき寄せて、アタシが精霊技でドンッてね。」
「まぁいいけど、俺ってば囮かよ....」
シンプルだが効率の良い作戦だ。相手の得意とする水中の土俵に立つのではなく、引きずりだして有利に戦う。
「まぁいーじゃん?アンタは絶対に死なせはしないし!」
「はぁ...わかった。」
この作戦を実行するも、耐電ワニは用心深く、水から出てこようとはしない。寧ろカミナの危険が多くなるばかりで、デメリットしかない。
そこでカミナは、ある提案をする。
「ねぇ、作戦を変えよう。」
「へぇどんな?」
「俺の言う通りに精霊技を使ってくれ。」
「えっどうして?」
「なーに、ちょっとした科学のお勉強だよ〜。」
カミナはニヤリとする。この状況が楽しみになってしまい、歌うように喋ってしまう。
「よし!まずは、分厚い土の天井を水面ギリギリに全体に張れっ!」
「うん!“土よ、水を塞げ”!」
湖が分厚い土によって湖は見えなくなってしまう。
「そして、水に電気を流し続けろっ!」
「どうして?耐電ワニは電気が通らないんだよ?!」
「良いから!」
「っ!......わかった。“電よ、水を流れ、流れ続けろ”!」
目視は出来ないが、水が確実に減る。もう何をするかお分かりだろう。
「最後だ、土を出したまま小さな炎を湖に放り込むんだ!」
「わかった。“炎よ、小さく小さく、土の下を潜れ”!」
すると、聞いたことのない程の大爆発が起きる。水は土の天井の隙間から激流で噴水のように上がり、落ちて二人を濡らす。土の天井は衝撃で割れて、全て落ちる。
「これがサイエンスッパワーー!!ハーーッハッハッハ!」
全て落ちた所で湖の全貌が明らかになる。水から魚に雑魚、耐電ワニを含む湖の生物の死骸全てが浮き上がる。
瀬戸は水の電気分解による発生した水素に引火させ、耐電ワニを....いや、湖を破壊した。
「ねぇこれ....」
「うん?」
「生態系も何も、もう全部死んだよね?」
「がぁぁっ?!」
「はい.....依頼されたものは全て完了しました.....これが報酬です。」
受け付け嬢が落ち込んだ様子で報酬を渡す。この都の通貨が分からない瀬戸でも、多額だと分かる。
「「本当にすいませんでした。」」
「いえいえぇ...全然問題ないですよぉあははは〜....」
「スキル:水素爆発」を入手した。スロットルに装備しますか?
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