お兄ちゃんは義妹が大好きなものなんです!

カミュイP

弱点のようなもの

本当に訳がわからなかった。
見た目はほぼ少女なのに、男。そんな人物がいた。

「なあ、これってどう思う?」
「と、言われましても・・・」
「あぁ、ごめん。こんなの五十鈴にする話じゃないな。」
ここ最近で五十鈴との距離は最初に比べ縮まったような気がする。食事中などにもそれなりに話せるようになった。
最初なんかほとんど沈黙だったからなぁ。
「その方のお名前はなんと言うんですか」「ええっと確か文月 悠ふみづき ゆうって言ったかな」
「へ~、お兄ちゃんは交友関係が広いんですね!」
・・・。
「あのな、俺、お前に紹介したような知り合い以外で友と呼べるような人間いないから」
「あっ、なんかごめんなさい・・・」
やめろ俺をそんな目でみるな
俺のどんよりとした空気を察したのか五十鈴は声をかけてきた。
「そ、それよりお風呂先に入ってきてはいかがですか?」
「そうさせてもらう・・・」
「あっ、私先に入る~」
「・・・何当然のように居座ってるんだよ!」
「いーじゃないのべつに。お隣さんでしょ」
「家が隣ならさっさと帰れ!そして自分家の風呂に入れ!」
「ケチケチすんなし!そんなんだから友達できないんでしょ」
グサッと、俺の胸になにか大きなものが突き刺さったような気がした。
「あっ…やばっ、また言っちゃったぁ…」
「アハハ、うん、そうだよ。ぼっちだよ…アハハ」
「あれ?お兄ちゃん、どうしたんですか?お兄ちゃーん?」
「あ、うん。お兄ちゃん、ちょっと寝るね…」
そう言って自分の部屋に入って行った。
「あの、お兄ちゃんは一体どうしたんですか?」
「いや、あのね…アイツときどきクソザコメンタルだからさ…」
「くそざこ、めんたる?」
「あれ、わかんない?」
「はい、すみません…」
なんで謝るのかしら。まぁいっか。
そのあと、遥花は一から丁寧に五十鈴に説明してあげたらしい。

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