異世界転生した貴族は自重を忘れたようです

夜叉神

第20話 どこに行ったんだアレス!

翌日。アレスの屋敷には父ルークと母リーン、姉のシルクが来ていた。

「ここがアレスの屋敷か」

「大きいわね」

「そうですね。父上の屋敷ほどではありませんが、元は伯爵家の家だったらしいです。」

「そう言えば、何やら曰く付きだったんじゃないのか?」

「あ、ああ。それならレイスでした。もう浄化してありますよ」

(ごめんよアヤメ。あとでいっぱい話してやるから)

「そうだったのか。なら安心だな。」

「ええ。今日は夕食を食べていきませんか?」

「良いのか?」

「もちろんです。準備させます。」

「では頼もうか。リーンもシルクもそれでいいか?」

「ええ。」「そのまま泊まろうかしら」

「シルク姉様。ちゃんと自分の屋敷で寝てくださいね」

「はい……」

すると、シルクは少ししょんぼりとしてしまった。

「父上、ちょっとお話があるのでこっちに来てもらってもいいですか?」

「ん?わかった」

「システィ。僕は父様と話があるから母様とシルク姉様を庭に連れて行ってあげて。」

「かしこまりました。」

「それじゃあ父様らこっち。アルベルトお茶を持ってきてくれますか?」

「はい」

アレスとルークはアレスの部屋のひとつ執務室に向かった。

入ってすぐにアルベルトが紅茶を持ってくる。

「それで、話とはなんだ?」

「先程のレイスと言っていた事なんですが。本当は違うんです」

「なに?どういう事だ?」

「父上には精霊王のエーデルワイスを知っていますよね」

「ああ、アレスと契約した精霊だろ?」

「じゃあ、精霊に種類があるのを知っていますか?」

「それは火、水、風、土、雷、光、土の7属性のことか?」

「違います。属性精霊とは違う精霊がいるんです。それが今回の正体でした」

「そんな種類が?信じ難い話だが、アレスがそう言うならそうなんだろうな」

「ええ。」

「なら、今もいるのか?」

「一応この屋敷にはいるんで、後で話すつもりです」

「そうなのか。そう言えば最近あの精霊王様を見ないな」

「ギクッ!」

「どうしたアレス。……もしかして、また何かやらかしてるんじゃないだろうな」

「い、いえ、そ、そんなことは」

どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーんん!!!!!!!!

その時、大きな地震が起こった。

「な、なんだ!」

「父上はここに!アルベルト!お前はここにいろ!僕は少し見てくる!」

「あ!あれす!」

アレスは勢いのまま飛び出し、庭に向かった。

(まさかもう始まったのか!)

そう、ちょうどその時アレスの本体と八大魔獣ガイアグルドラゴンの戦いが始まったのだ。

「母様!姉様!システィ!」

「「「アレス(様)!」」」

「大丈夫ですか?」

「ええ。大丈夫よ。あまり大きな被害がなかったから」

「良かった。システィ。父上とアルベルトが執務室にいる。2人を連れて行ってくれ」

「わ、わかりました。」

システィはリーンとシルクを連れて屋敷の中に入る。

「『召喚サモン』リミエル」

「お呼びでしょうか」

「僕と八大魔獣が戦ってるからこの屋敷に結界を張ってくれ」

「わかりました。お聞きしたいのですがなぜご自分でおやりにならないのですか?」

「何かあった時に第三者が結界を貼っていてくれた方がいいからだよ。」

「わかりました。」

リミエルが何やら唱えると屋敷の周りを球状に魔力が覆う。

「じゃあ、頼んだ」

「かしこまりました」

アレスはその場をリミエルに任せ、自分も屋敷に入っていく。
アレスは執務室まで来た。

「父上、とりあえず陛下たちの様子を見てきます。ここに護衛を残しますのでここで待っていてください」

「わかった」

ルークがすぐに了承するのはアレスのことを知っているからだ。
しかし、周りの人は知らない

「ダメよ!アレス!危ないわ。何があるかわからない」

「そうよ!アレス君こそここにいてお父様が行くべきだわ!」

「シルク。それはちょっと悲しいぞ。しかし、アレスの方が良いだろう。たしか、今日はルミナス嬢も城にいるはず。アレスが言った方が良い。それに、今この王都にいる貴族で陛下が1番信頼しているのはアレスだからな」

「母様、姉様。大丈夫です。僕が強いのは知っているでしょう?」

「けど、」

「リーン。アレスを信じていろ。大丈夫だ。アレス。後で説明してもらうからな」

どうやら原因は僕だって思われてるな。
確かに正解なんだけど。

「それでは行ってきます!」

「行ってこい!」

アレスは執務室を飛び出し、馬車に乗る。

「イレッダさん。すぐに王城に飛ばしてください。」

「え!わ、わかりました。」

「早く!」

「はぁ!!!」

馬車は動き出してどんどんとスピードを出していく。
貴族街は少し影響が出ているようだ。
しかし、平民街は貴族街よりもに影響が出てるようでところどころ煙が上がっている。

「なんで、エスフィーナ領と王都の間でやるかな。」

実はアレス(本体)が転移したのは王都とエスフィーナ領のあいだでやっていたのだ。それも少し王都側。

これならばエスフィーナ領にも多少の影響は出ているだろう。

「アレス様。王城に着きました!」

「わかった!」

アレスは馬車を飛び出し、門番の騎士に駆け寄る。

「ペンドラゴン家当主アレス・フォン・ペンドラゴンです!陛下の安全を確認に来ました!」

「アレス様!分かりました!すぐに取り次ぎます!」

そして、すぐに王城の中に入って連絡を取る。

「アレス様!こちらです!」

「ありがとう」

アレスはそのまま門番に案内されて国王の元へいく。

「アレス様。さっきの地震は一体……」

「…………」

(どうする。八大魔獣とは言えないし、あの魔力のぶつかり愛だったら誤魔化し切れない。どうして、異空間でやるか結界を貼らなかったんだ!)

実際その時のアレス本体は不確定な勝負に魔力を余計に消費しないようにしていたのだ。
その割にはご飯を食べていたが……

「分からない。だが、ただ事ではないと思う」

「そうですよね。ここです。陛下アレス様をお連れしました。」

「来たか。入れ」

「失礼します」

アレスが入るとすぐに飛びついてきた人達がいた。

「大丈夫?アイリス、ルミナス」

「怖かったですわ。」

「私もです」

2人はうっすらと涙を出してアレスに抱きついている。アレスは2人の背中を撫でていた。

「ゲフンゲフン。」

陛下の声で3人はハッとして元に戻る。

「それでアレス君。さっきのはなんだい?」

「えっと、そのぉー」

と、躊躇った瞬間

ボン!!!

と、アレスが煙と共に消えてしまった。

「「「「「え?」」」」」

「あ、アレス様?」

「アレス君どこに行ったんだい?」

しかし、アレスはどこからも返事がない。

「今すぐにアレスを探すんだ!それと、ルークをすぐに呼べ!至急だ!」

「は!はいぃぃ!!」

アレスを案内した騎士はすぐに騎士団の本部に伝えに行った。

「あやつの事だから大事はないと思うが」

グラッドは泣き喚いてメイドたちに慰められている2人を見る。

「一体何をした……アレス……」


次回!ごめんなさい

「異世界転生した貴族は自重を忘れたようです」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • 真砂土

    次回!アレス死す!デュエルスタンバイ!

    1
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    いきなり消えるなんて…最高ですね〜!

    1
  • ペンギン

    え!?マジか!?大変だぁ〜
    もう、次回が楽しみすぎてやばい!w

    1
コメントを書く