自殺するなら異世界転生を‼︎

ハト

第20話

「よっしゃー!!やっと人間と出会えたー」

またしても正気を取り戻して小走りで駆け寄る。

「どーもー、お嬢ちゃん何してるの〜?」

ぱっと見12歳前後の容姿。
話しかける内容が完全に不審者だった。
少女もびっくりしたのか怯えて声が出ていない。
本当に不審者に出会った少女という感じだ。
しかし、俺が思ったことは、
“やべぇ、こっちの言葉わからないんじゃないか?”
だった。
するとつい咄嗟に「ハイ!ナイストゥーミーチュー  ホワッツ ドゥユウドゥ?」と英語が出てきた。
俺の顔は苦笑いをし引きつっている。
少女は絶賛怯えている最中だ。
それと変な言葉を聞いたのか困惑した表情も見て取れる。

「あ〜〜!ごめん、ごめんね。俺が悪かったから気にしないで!何も見なかったことにして!!」

大声を出し少女に背を向け顔を覆いしゃがみ込む。
言葉も通じないのに人を見て興奮し適当に話しかけてしまったことにとても恥ずかしい気持ちだ。
こんな姿の俺を見て少女は不思議そうに俺を眺めてきた。
背後に立って覗き込んでいる気配が伝わってくる。それだけでもう恥ずかしい。

「お兄さん何してるの?なんでこんなところにいるの?なんで変な服着ているの?」

三連続で質問が飛んでくる。
しかし、少女の言葉が聞き取れたことにびっくりして質問の内容が頭に入ってこなかった。

「?、?、?」

三テンポぐらい遅れてあることに気づきゆっくりと立ち上がる。
そして少女の方を向き、しゃがみ少女の両肩に手を置いた。

「ねぇ、お嬢ちゃん。俺の言ってることわかる?」

手をかけられた少女は一瞬ビクッとしたが逃げようとはしなかった。
けれども顔は引いている。

「う、うん。聞き取れるよ・・・」

そんな言葉を聞いた瞬間に

「あれ?言葉通じるのか?感覚的に日本語を話してる感じだな。ずっと喋ってきたって感じだ」

なんとも不思議な感じだった。

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