自殺するなら異世界転生を‼︎

ハト

第13話

最後の覚悟を入れるため頬を『パンパン』と二度叩く。
するとまた先ほどと同じように淡い光が灯る。そして柱状に光が俺の周りを包み込む。


「さぁ、皆さん大変長らくお待たせいたしました!これから異世界に行くお人は結城千尋18歳!この歳で人生に疲れ自殺を決意!そしてこの私が異世界へ導きまぁす。さぁ、この結城千尋君は異世界へ行きどのような生活を送るのでしょうか!この物語は一部始終をお届けしまぁす!読者の皆さん乞うご期待下さいませ〜!」


異世界に送られて行く瞬間誰に言っているのか舞台の司会じみた事を大声で叫び俺のことを見送った。

「って、誰に言ってんだよー!!!」

俺はそう大声でツッコミながら変な『ウニョウニョ』した異空間を通り過ぎ、突中で激しい頭痛にあい意識を失ってしまった。
どれくらい気を失っていただろうか。気がつき瞼を開けてみるとそこには青空が見えた。
どうやら仰向けになっていたのだろう。
起き上がり辺りを見回す。
するとそこには辺り一面緑色に彩られていた。
おそらく俺は今、森の中にいるのではないだろうか・・・。

「いや、間違いなく森の中だよ!」

おそらくと疑問に思ったことに対し自分自身でツッコミを入れる。

「クソッあの天使め!何が特別サービスで村に送り出してやるだよ!おもいっきり大森林の中じゃねーかよー!!」

誰に聞こえるわけでもないのについ大声で叫んでしまう。
まぁ、致し方なしこのようなことがあれば誰でもキレるだろう。

「はー・・・、これからどうしようか・・・」

怒りを向ける矛先がいないので一回叫んでしまうと怒りが引っ込み焦りと不安が出てくる。

「どうしよう、どうしよう・・・」と一人森の中で唸っていると。

「ハーァーイ!千尋君、異世界はどうかな?来てまだすぐだけどこれから先がんばてっねー」

天からあの天使さまの声が聞こえて来た。
すると先ほど引っ込んだ怒りが蘇って来た。

「おいコラ、クソ天使!サービスで村に送り出してくれるって言ったじゃないか!それで来てみれば森の中ときた!どうしてくれるんじゃワレェェェ!!」

「あっ、ごっめ〜ん忘れてた〜わははは〜」

返事が返ってきたどうやら聞こえていたようだ。
こっちは怒っているのにとても軽く返事をする。

「笑い事じゃねーんだよ!自分の言ったことは守ってくれよバカ天使!」

「あー、そういうこと言っちゃうんだー。千尋くんはいけない子だな〜。せっかく近くの村に送ってあげようと思ってたのにクソ天使だのバカ天使だの言うんならやってあげなーい」

「えっ・・・」

転移してくれないと言われると一気に怒りが冷め我にかえる。

「ちょっと天使さま?さっきの悪口は謝るのでどうか近くの村まで送ってはいただけないでしょうか、お願いします」

「えー、ダメだよー。そんな子にはお仕置きだよ!だから送ってあげない、じゃ〜あ〜ね〜」

「えっ!ちょっ、ちょっと待ってくれよ」

待てと天に言うが、『じゃ〜あ〜ね〜』の後から返事が返ってこない。

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