自殺するなら異世界転生を‼︎

ハト

第9話

「じゃあ、自殺をやめるということは異世界に行ってくれるということでOKなの?」

そういえばこの天使さまは俺を異世界に連れて行こうとしていたなと思い出す。

「異世界か・・・、そういえばそんなこと言ってたな」

「そうそう、異世界行きの話!地獄に行くことをやめるってことは異世界に行くって事でいいんだよね?」

本題に戻し、ウキウキしたように聞いてくる。

「うーん・・・、死ぬことは諦めたけどな・・・。異世界となるとまた話は別な気がするな・・・」

しぶり出す俺。

「えー、なんでー?」

「いや、地獄は体験させてくれてあれだったけど、異世界ってよくわからない世界に行くじゃん?どういうところかわからないと不安なんだよな・・・」

「あー・・・・・・」

天使さまは納得したような感じにするが、目が何か考えているためかあさっての方向を向いている。

「ごめんね、さっきみたいに見せてあげたいけど天国同様無理なんだよね。連れて行くことはできるんだけどね。一方通行だから行ったらもう戻ってこれないけどね」

見せられないし、一度行くと帰ってこれないとかなかなかエグいことを言ってくる。

「安全かわからないところに行くのは不安だな」

死ぬことを諦め、異世界行きを断ってこの世で生きていこうと思いはじめている。

「ちょ、ちょっと待って!異世界は地獄よりもっと安全だよ。普通の生活が送れるから〜」

異世界行きを諦め、断る雰囲気を出していたら天使さまは焦った様子を見せる。

「安全といってもモンスターとかいるんでしょ?襲われたらやられちゃうじゃん。俺弱いからすぐ殺されちゃうよ?」

ファンタジーゲームなどではモンスターがよく現れるイメージだ。
そんなことだったらすぐに死んでゲームオーバーになる自信がある。
この言葉がなかなか説得力のある断り文句になる。
もっと焦り出す天使さま。

「だ、大丈夫だよ特別サービスで村に送り出してあげるから!、ね?」

特別サービスということは場所はランダムで転生させようとするらしい。あぶなかった・・・。

「ん〜、でもな〜・・・」

それでも不安なため、うねりながら悩む。
天使さまは最終手段なのか俺の闇をついてくる。

「いいの?千尋くん、この世で生き続けるってことはまた今までのように死にたくなるような嫌なことが続くんだよ?それでまた死のうとしたら悪循環だよ?いいの?」

焦りが過ぎてもう必死だな・・・。
目が怖いよ。

そして、天使さまの言葉が自殺をしようとしてたことを思い出す、またその理由も一緒に思い出す。
そうすると急に元気がなくなる。
そして天使さまは追い込むかのように言葉を重ねてくる。

「もうこの世に未練はないんでしょ?だから行かない?」

ほんとに必死過ぎてもう天使には見えない。

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