間違いで始まる物語

seabolt

第35話 「すれ違う二人」

しばらく呆然と立っている恭介


山本は、横になったまま、目尻から涙がこぼれていた。


そして、


目をつぶると自分のために殴られ続けた恭介の姿が浮かび


「男のこぶしは、誰かを守るためのものだ!!わかったか?」


恭介のセリフが耳をよぎった。


しかし


その後


野村の告白とキスシーンが再生される。


涙が止まらない・・・


恭介が山本のほうを見ると


涙を流す姿が目に入ってきた。


「はるかさん!大丈夫ですか?」


恭介は慌てて声をかけ、泣いている山本を心配そうに見つめた。


「どうしたんですか?」


山本は、恭介の方を見たが何もいわない。


どうしたんだろうと恭介は、一体どういたらいいんだ?と困っていると


「出て行って!」


その言葉に戸惑う恭介・・・


動かない姿を見るとおもむろに立ち上がり


「大丈夫?」


気にかける恭介を押し


「出て! 出て行って!」


両手で背中を押し恭介を外に追いやる山本


「ちょ・・ちょっと・・」


「いいから!出て行って!」


ついに恭介を部屋から追い出した。


そして


ドアに寄りかかりその場に座り込んだ。


一方


野村は、部屋を出たところで泣いていた。


山本の瞳が目に焼き付いて離れない。


そして


恭介が答えてくれなかったことに・・・


そこへ


恭介が部屋から追い出されて出てきた。


野村を見つけた恭介、


涙目の彼女と目が合い、


沈黙する二人。


気まずい空気が流れた


「ごめん・・」


ただ謝る恭介


それを聞いて両手を自分の口に当て涙をこらえる野村・・・


そんな言葉は聴きたくなかった・・・


「そう・・・」


野村は恭介の前を一歩、一歩と歩き出した。


そして


彼の前で立ち止まり、うつむく彼の方へ目線をやる・・・


「ごめん・・」と再び恭介が言う


野村は目線を外し、うつむいて再び歩き出した。


そして


屋上へ向かった。


屋上に出た野村・・・


この間恭介と見た夕焼けが彼女を照らしていた。


そして


野村はその場で泣き崩れた。


恭介は、階段を下り、いつもの自販機の前に座っていた。


山本とのことが頭によぎる


西村を追い返して思わずかわしたキス・・・


自分の為に出てきてくれてこと・・・


そして


恭介は階段を駆け上がった。



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