最弱が世界を救う。
本。
「レインさん、エクスさんはどうしたんですか?」
「それが……」
レインは先程の出来事を全て話す。
セレネは驚いていたが、すぐに冷静になり目を瞑る。
「多分ですが、そのエクスさんに私は覚えがあります。《強欲》の悪魔討伐の時、別人になったかのような性格をしていました。普段の優しいエクスさんとは似ても似つかぬ姿でした」
レインが眠っていた間のことを話し、仮定をする。
「それじゃ、エクスくんは誰かに操られている可能性が高い、そういう事?」
「あくまで、ですが。私自身あんなエクスさんは偽物か本当に別人だと思います」
「助けてあげたいけど、今どこにいるかわからない、それに助ける方法が……」
「パルス神殿の主として、呪い等は全て祓うのが仕事です。それに知り合いの方は必ず助けます」
「ありがとう、セレネ。二人でエクスくんを探しに────」
「その話、私も同行してもよろしいでしょうか?」
二人の話を聞いていたのか、リリーが現れる。
三人は手を合わせエクスを助けるため作戦会議を始める。
その頃エクスは何処かへの草原へ空間転移していた。
「これはいい体だ、とても魔力値が高い」
力の確認をしていると、悪魔達が現れる。
「ほう、私に敵意を向けるか。ならば教えてやろう力の差を」
異空間の入口を作り、そこから一冊の本を取り出す。
「グリモワール・ゴエティア展開、召喚ハルファス」
本からは一羽の鴉が飛び出し、右腕へ巻き付く。
「心得た。我が力許可しよう」
黒い炎となり一つの剣へと姿を変える。
剣は生き物のように動き、悪魔を一掃する。
それは殺すとは違い、まるで食事をするかのように。
「今宵は良き戦いであった。次も頼んだぞ」
黒い炎は再び鴉になり本へと吸い込まれる。
「ふっはははははは!!いいぞ、この力はっ!!」
すぐに悪魔とは違う存在に気づき殺意を剥き出す。
「そこに隠れているのは誰だ」
木影から現れたのは、フードを大きく被った小さな人間だった。
「あ、あの助けていただきありがとう、ございます。私はミルティと申します」
「助けた?馬鹿なことを言うな。私は力を試した迄だ。思い上がるな人間」
「私は、獣人です。その証拠にこれが」
フードを外すと大きな耳が飛び出る。
今まで見えていなかったが顔立ちは綺麗だがどこか薄汚い。
「貴様、何故そんなに汚れている?」
「ずっと、逃げて、ました。私は国から、追放され、ました」
なにかに怯えながらミルティと名乗った獣人は、これまでの経緯を話す。
「奴隷に、されるのが嫌で、逃げると、国からは、罪人とされ、追放されました。残された家族は、多分殺されました」
「ふむ、なかなかに面白そうな話だ。その国とやらに案内しろ。そいつを殺す」
ミルティの心を見透かし、逆襲の意思を掴み取る。
「本当に、殺して、くれるん、ですか?」
「いいだろう。ミルティと言ったな、お前はどうする?」
「どう、するというのは?」
「一緒についてくるかどうか、という意味だ」
「っ!!ぜひ、ご一緒、させてください!!」
今までとは違い大きな声で反応する。
その目には怒りが、殺意が宿る。
「あの、お名前は、なんですか?」
「私の名はソロモン。その胸にしかと刻め」
見た目はエクスだが、精神は全てソロモンが奪い取った。
しかし、誰もその事を知らずに生きていく。
「それが……」
レインは先程の出来事を全て話す。
セレネは驚いていたが、すぐに冷静になり目を瞑る。
「多分ですが、そのエクスさんに私は覚えがあります。《強欲》の悪魔討伐の時、別人になったかのような性格をしていました。普段の優しいエクスさんとは似ても似つかぬ姿でした」
レインが眠っていた間のことを話し、仮定をする。
「それじゃ、エクスくんは誰かに操られている可能性が高い、そういう事?」
「あくまで、ですが。私自身あんなエクスさんは偽物か本当に別人だと思います」
「助けてあげたいけど、今どこにいるかわからない、それに助ける方法が……」
「パルス神殿の主として、呪い等は全て祓うのが仕事です。それに知り合いの方は必ず助けます」
「ありがとう、セレネ。二人でエクスくんを探しに────」
「その話、私も同行してもよろしいでしょうか?」
二人の話を聞いていたのか、リリーが現れる。
三人は手を合わせエクスを助けるため作戦会議を始める。
その頃エクスは何処かへの草原へ空間転移していた。
「これはいい体だ、とても魔力値が高い」
力の確認をしていると、悪魔達が現れる。
「ほう、私に敵意を向けるか。ならば教えてやろう力の差を」
異空間の入口を作り、そこから一冊の本を取り出す。
「グリモワール・ゴエティア展開、召喚ハルファス」
本からは一羽の鴉が飛び出し、右腕へ巻き付く。
「心得た。我が力許可しよう」
黒い炎となり一つの剣へと姿を変える。
剣は生き物のように動き、悪魔を一掃する。
それは殺すとは違い、まるで食事をするかのように。
「今宵は良き戦いであった。次も頼んだぞ」
黒い炎は再び鴉になり本へと吸い込まれる。
「ふっはははははは!!いいぞ、この力はっ!!」
すぐに悪魔とは違う存在に気づき殺意を剥き出す。
「そこに隠れているのは誰だ」
木影から現れたのは、フードを大きく被った小さな人間だった。
「あ、あの助けていただきありがとう、ございます。私はミルティと申します」
「助けた?馬鹿なことを言うな。私は力を試した迄だ。思い上がるな人間」
「私は、獣人です。その証拠にこれが」
フードを外すと大きな耳が飛び出る。
今まで見えていなかったが顔立ちは綺麗だがどこか薄汚い。
「貴様、何故そんなに汚れている?」
「ずっと、逃げて、ました。私は国から、追放され、ました」
なにかに怯えながらミルティと名乗った獣人は、これまでの経緯を話す。
「奴隷に、されるのが嫌で、逃げると、国からは、罪人とされ、追放されました。残された家族は、多分殺されました」
「ふむ、なかなかに面白そうな話だ。その国とやらに案内しろ。そいつを殺す」
ミルティの心を見透かし、逆襲の意思を掴み取る。
「本当に、殺して、くれるん、ですか?」
「いいだろう。ミルティと言ったな、お前はどうする?」
「どう、するというのは?」
「一緒についてくるかどうか、という意味だ」
「っ!!ぜひ、ご一緒、させてください!!」
今までとは違い大きな声で反応する。
その目には怒りが、殺意が宿る。
「あの、お名前は、なんですか?」
「私の名はソロモン。その胸にしかと刻め」
見た目はエクスだが、精神は全てソロモンが奪い取った。
しかし、誰もその事を知らずに生きていく。
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