最弱が世界を救う。

しにん。

明日から本気出す。

パルス神殿へリリーを連れていくことを依頼されたエクスとレインは、困っていた。
「なぁ、レイン。この子どうするよ?」
「私に言われても困るなぁ……何言ってもめんどくさいとかだるいとかだけだし。とりあえずリリーちゃん一緒に行くよ?」
「だーかーらー、そんな疲れることちょー嫌なんですけどー。私は家でゴロゴロしてる方がいーの。」
ベルフェゴールの呪いにより全てのことにやる気を無くしていた。これは到底動かない。そうエクスは確信していた。が、エクスは諦めない。
「とりあえず、セレネって人のもとへ行かないとダメだよ。これは君の為でもあるんだから。ね?お願い!俺に出来る事なら何でもするからさ!」
「なーんーでーもー?」
エクスは冷や汗をかいた。何でもするという事に釣られたリリーはニヤリと笑った。とても不気味だ。
「エクスくん。これは君の責任だね。まぁ、そんな落ち込まないで?ね?」
自分の言ったことに後悔したエクスは膝から崩れ落ちた。リリーはお願い事を考え、エクスに頼んだ。
「んー。君割と顔はいいね。変な縁談でキモイヤツと結婚なんてめんどーだから、私と結婚してよ。これが私の願いかなー。」
エクスは再度、膝から崩れ落ちた。
「け、結婚か……。わかった。男に二言は……ない。軽く泣きそうなんだけど俺。」
エクスは少し涙目でレインを見た。レインは少し怒ったように、そっぽを向いた。
「レイン?」
「結婚なんて勝手にしてればいいじゃない!!!」
レインは少しどころではなくかなり怒っている。エクスは何が何だかわからず質問した。
「え、えぇ……レインなんで怒っているのさ?俺なんかしたっけ?」
エクスは身に覚えがないと言う。そこにレインはさらに怒った。火に油を注いでしまったようだ。
「君はなんで私というものがいながら、ほかの女と結婚なんてするのさ!!!第一リリーちゃんより私の方がエクスくんを好きなんだから結婚するなら私でしょ!?」
レインは思いを告げる。エクスは今すぐこの場から逃げ出したかった。この場を切り抜けたいエクスは
「リ、リリー。おふざけはほどほどに……ね?」
「は?わたしはちょーほんき。だってめんどくさいから楽したがいいっしょー。」
聞く耳を持たない。どうしたもんかと頭を抱える。そこで1ついい案が思いついた。
「ならとりあえずパルス神殿に行こうか。結婚の話より先に君の命を優先だ。もし、呪いが解ければ願い事を叶えるってことじゃダメかな?」
エクスは最後の抵抗をしてみる。
「んー。まぁ、願いを叶えるより先に呪いを解いたがいいだろうね。わかった。結婚の話は後々でするとするよ。」
最後の抵抗は無駄ではなかったようだ。一安心してエクスはレインを見る。するとレインの顔が少しだけ和らいだ。気の所為と思えるほど僅かに和らいだ。とりあえずは、今の問題を解消したエクスは今にも倒れそうなぐらい青ざめていた。
「っじゃー、そのパルス神殿にいってみよー。あ、やっぱめんどいんで明日から本気出す。」
エクスは軽く笑ったが、もう感情がなかった。



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