最弱が世界を救う。

しにん。

過去。

「エクスくんってなんでそんなに弱いの?」
「唐突だな…ちゃん。なんでって聞かれても僕にはわかんないな…。」
「そっかー。わっかんないかー。そんなんじゃ悪魔全員退治の夢は叶わないんじゃいの?」
「それは…そうだけど。どんな修行したらいいんだろう。1度お父さんに聞けたらな…」
「確かエクスくんのお父さんってちょー強かったんだよね!剣でバッサバッサ悪魔倒したんだよね。」
「でもお父さんどこにいるんだろう。僕になにか変なことした後、家を出て帰ってこない。」
「変なことってなに?」
「全身を鎖で縛られるような痛みが走ったんだ。あれは何だったんだろ…」
そこでエクスは夢から目覚めた。
エクスは周りを見てみると見たことがない部屋のベッドに寝ていた。
「こ…ここは…どこだ?それにさっきの夢は…」
「やっとエクスくん起きたのか。」
横から声がした。
「レイン…?ここは?俺はいったい何を?」
「あれ?覚えてないの?ほらエインガルドを目指してる途中、ゴブリンと戦ったこと。その後、王女様のアーネスト・シャルテ?だっけその人が現れた瞬間、君は倒れたんだよ。」
「なんとなく思い出したけど…それでここは?」
「王女様が心配してとりあえずここに寝かせろって。それより君は相変わらず質問ばかりだよね。」
「色々と知りたいからな。どんな時も情報が一番大事だ。何も知らない奴より知ってる奴の方が強い。」
「ふむ。それじゃ私からも聞いていいかな。」
「何を?」
「だいぶうなされてたけど何か悪い夢でも見ちゃったの?」
そう言われてエクスは自分を見ると、汗で着ていた服が濡れていた。とても嫌な夢だったのだろう。だが、どんな夢か思い出すのに時間がかかった。
「確か、昔の思い出だった…。とある女の子との会話だった。でもその女の子の名前がわかんない。」
「女の子ねぇ…どんな子だった?可愛かった?」
「よく覚えていない…。すまんな。」
エクスは頑張って思いだそうとするがやはり思い出せない。まるでその記憶だけが消されたかのように。すると、
「ちょっとよろしいかしら?」
扉のむこうから声がした。
「誰だ!!!」
エクスは警戒して返事をする。
「アーネスト・シャルテです。少しお話したいことがあります。よろしいかしら?」
「王女様…?そういやあの人が部屋を用意したのか。はい、入ってどうぞ。」
エクスはそっとドアを開ける。するとそこには長い黒髪のとても凛々しい女性と銀髪が良く似合うがとても元気がない女の子が立っていた。
「はじめまして。アーネスト・シャルテと申します。突然ですが貴方達にお話があります。」
「話…?」
エクスとレインは同時に声を出す。
「話というのも、この横にいる子のために一仕事頼まれてくれないかしら?報酬は弾むわよ。」
エクスたちは戸惑ったがとりあえずは話を聞いてみることにした。

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