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水乃流

KAC雑感、みたいな

 KACとは、先日行われた「カクヨム」のイベント「カクヨム三周年記念選手権」の略称です。このエッセイでは、各小説投稿サイトの機能比較を行っているので、特定のコンテストを取り上げるつもりはなかったのですが、思うところあって感想を書きたいと思います。

 KACに限らず、○周年を記念するイベントは、「マグネット!」などでも行われています。イベントを開催することで、ユーザーの増加、PVの増加が見込めるからです。そのためには短期集中、要するに短編のコンテストが適しています。KACでも、お題に沿った短編(1200文字~4000文字)の募集が行われました。ただし、お題が出されてから締め切られるまで三日という短さ、かつ、それが十回行われるというハードスケジュールです。
 KACでは、作者のモチベーションを上げるためのインセンティブとして、もっとも多くのレビューを獲得した作品に「レビュー賞」、もっとも多くの読者(PV)を獲得した作品に「読者賞」、もっとも多く♥が押された作品に「応援賞」、全部の回に作品を投稿した作者に「ベスト皆勤賞」「皆勤賞」が贈られました。また、レビュアーに対しては、もっとも「いいね!」を得たレビュアーに「レビューいいね賞」、編集部から作者とレビュアーに「カクヨム編集部賞」が贈られました。それぞれ賞金が用意されています。賞金だけでも六十万円以上の予算が掛かっていることになります。ある意味、お祭りですね。

 運営側の意図としては、前述したユーザーとPVの確保のほかに、応援(♥)やレビューの活性化もあると思います。

 しかし、「レビュー賞」「応援賞」「読者賞」は、元々多くのフォロアー(読者)がいるユーザーほど有利になります。「カクヨム」では、フォローしている作者が新作を投稿すれば通知がありますからね。実際、全十回の受賞者とランキング上位者を見ると同じユーザーが頻繁に登場します。有名人が選挙に出るみたいなものです。もっとも、投稿された小説の内容が良ければ文句はないのですが、その作者が連載している作品のスピンオフだったりして、一見さんお断りみたいな場合もありました。結局、作品の内容に関わらず、人気投票のようになっていたわけです。

 これは、一歩間違えると入賞者した作者以外の作者を「カクヨム」から離れさせてしまう危険性があります。「次頑張ろう」とポジティブに考える人ばかりではありません。運営が人気者を優遇、他を差別していると受け取られかねません。
 もし、今後も「カクヨム」運営が同様のイベントを行うなら、人気投票ではなく作品の内容をできるだけ公平に判断してもらえるようなものにしてもらいたいと思います。たとえば作者の名前を伏せた形でのコンテストとかね。

 やっぱり、ちょっと愚痴がはいっちゃったかなぁ。

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