作品情報

神様に異世界召喚されました！ミスられた勇者として。

にゃしゃ

プロローグ『ミスった異世界召喚』

眩しい。

　「！？」

　紫色の光を放ちながら見たこともない文字が浮かび上がり円陣を描いていく。その文字は地面から自分に向けて迫ってきた。

「は!?　え!?」
　一瞬戸惑うジュン。
　だが、口元は緩んでいた。
「これが――」
「――異世界召喚かーー！！！」
　2280年8月2日、２０：５６。ジュンが現世に残す最後の言葉となった。

「ウゥ……」
　まぶしくて目も開けられなくなってきた。目を閉じてもなお、瞼の前から光があふれて来る。

　ジュンの異世界系ラノベ好きが良い方に転じたのか、飲み込み早かった。

――まだなのか!?　俺の異世界生活ぅぅうう！　もちろんステータスは最強だよな!?
　もうわくわくが止まらなかった。

　ストンｯと足が地につく音が聞こえた。
　その衝撃でグラッと体制が崩れたが何とか持ちこたえる。

　どうやら浮いていたらしい。

「はぁ、またやっちまった。ミスったわ」
　
　異世界について早々、全く聞き覚えのない幼い声が聞こえてきた。男性か女性か判別の付きにくい声だ……。
　
　というか……。
　ミスだと??　俺を召喚した人物からの言葉だとは思いたくないな。

　初異世界召喚でワクワクだったのになんだか腹だたしく、悲しいような思いが胸を渦巻きながら、異世界召喚は完了した。

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