追放された私を拾ったのは魔王だった為、仕方なく嫁になってあげた私はラグナロクにてスローライフを送りたいと思います

永遠ノ宮

第三十二話 王国爆破

「国王の言う通りだよアリア様。全ての始まりは、宗教内分裂から」

「それでなんで父を!」

「理解の人間は友ではないからだよ?宗教と言うのは信仰者の気持ちがある。それを彼は否定し、立ちは向かい続けたー、こちらが心を開こうとしてもね……だから顔を使って国王を殺した!そして次なんの罪もないダルマンには死んでもらった!キャッハー!」

「キャッハー!って笑う人初めてみた……キャハハハハハ!お腹痛いわー!王宮の奴らってみんな個性強ー!」

「うわー、僕まで言われてる気がして少し傷つくなー」


 キャラの強さは負けても人数なら勝ってますけどね……なんて私は軽く笑って言っておく。
 ちなみにテトは……、


「お父様、お母様、バカって言われたバカって言われた……。僕生きていけない……。アリアにバカって言われた……」


 入り口の前で寝転びながらブツブツ言っているために使いものに全くならない。何しに来たの?これを言えば多分テトはラグナロクに泣き帰りするから言えない。


「イシス様、イシス様……。カルマ大総帥をとりあえず首謀者とわかったから縄でくくれないですか?」

「カルマ大総帥さん。お縄で縛りたいのですが……よろしいでしょうか?」

「断ら──ぬ!!」


『断れよ!!』


 カルマ大総帥のイサギの良さにその場にいた全員が「○時だよ!○○集合!」のようにツッコミを入れながらずっこける。
 カルマ大総帥はキャッハッハッハッハッハー!なんて不気味な笑い声を大きくあげる。
 そしてイシス様が立ち上がり、縄手くくろうと近づくと、


「残念だね神様方……」


──ポチッ!


 ポチッと言うボタン音の後に爆音で鳴り響く爆発音。
 それは王宮の5階通路が爆破された音だとすぐわかる音の大きさ。
 カルマ大総帥は、全てを闇に、隠蔽するために王宮、そして王国を吹き飛ばすつもりなのだ。
 私は慌ててカルマ大総帥の持つ起爆装置を取り上げようと飛び込むも空振り。


「ちょっとちょっとカルマ君?王宮と王国飛ばすくらいなら捕まって罪を償おうよー」

「国王さんも甘ちゃんになったものだー!キャッハッハッハッハッハー!」

「またその笑い方……ブフッ、ブフフッ。キャハハハハハ!無理無理無理!もうやめてー!面白くて死ぬ死ぬ!」

「すいませんアリア様……クシナダヒメが雰囲気を壊してしまって」

「え、あ、はい!大丈夫です!楽しいのが一番……そんなこと言ってる場合じゃなかったーー!その起爆装置を誰かとるーー!」

「取ったーー!これ押したかったのー!」

「ダメだガキ!そのボタンは──」


──ポチッ!


 ヘルがちょこちょこと歩いていって取り上げた起爆装置のボタンを、押したかったの!なんて言ってためらないなく押すヘル。
 カルマ大総帥の慌てぶりからして全員がやばいと思い、私とヘルをトール様が抱きかかえて天井を破壊して外に出ると……


──ドッカーン!


 一つ前の爆破音の何倍もの大きさが王国内に響き渡る。
 なぜならそれは、家屋40軒ほどを軽く吹き飛ばすほどの爆破が国王室を襲ったのだ。
 それによって、カルマは外へアニメのように吹き飛び、奇跡的に精神死亡状態のテトによって助けられ煙から姿を見せた。


「アハハハ、王室飛んだねー。見事見事」

「アニメのように飛んでいったカルマさんの回収はどうしますの?テト様」

「とりあえず、逃げられなそうなアヌビスとホルスとトールとヨル行ってきてくれ!逃げようとしたらヨル、蛇に姿を変えて口で捕獲してきてくれ」

「お兄ちゃんへの扱いがひどいよ?テト……いってくるね」


 そして安全な所、王国外に避難した私達は、アヌビス様率いるカルマ大総帥回収班の帰りを待っていると……、


「アリア様、いま、帰った、よ」


 トール様が背中にカルマ大総帥を乗せて横の森林を抜けて現れる。
 アヌビス様、ホルス様、ヨルお兄様も姿を見せた直後、ドカーン!と言う大爆発が王国内で起こり、王国は炎と黒煙の上がる、戦時中に爆弾を落とされた街。のような姿へ変えた。
 国民は皆、バルタミングとルーラファンによって国外へ避難していたため、死亡者負傷者共に出ずに済んだ。


「どうする?国王さん、王国は終わりだけど」

「そうだねー。どうするかー?」


 国王は私の顔をじーと見つめてくる。
 つまりこれは、私から言ってくれと言わんばかりのアピールだった。


「テト、国王は悪くなかった。王国だって、こんなんじゃ復興まで時間は莫大にかかるわ。ラグナロクに住んでもらいましょう?そして、カルマ大総帥はラグナロクで捌いちゃいましょう」  

「アリたんやっさしいーー!けど、イントネーションの問題で裁くが捌くになっててこわいわー。けどそれもよすぎるわーー!」

「アリアがそう言うなら……国王、とりあえず言うことあるだろ?アリアに」

「そうだったねー。……アリア・スカーレット、申し訳ないことをした!許してくれ!」
 

 許してくれ、許せない気持ちはある。けど、王国追放を受けなければ私は死んでた、テトにも会えなかった。幸せな結婚できなかった……。みんなに、会えなかった。
 許せない気持ちもあるけど、ここまで幸せもらったら許さないわけにはいかないと私は思った。


「いいですよもう。追放のおかげで命は救われ、テトと結婚できて、大切な家族ができて、神様の皆さんと出会えて、最高ですから!」

 
『アリア(様、ちゃん、たん)ーー!!』


 みんなして一斉に私に飛びついてきた。私はみんなに押し倒され、肌をすりすりされたりした。
 そして一通りやり終えると、テトの掛け声でラグナロクへ帰る異空間転移門が現れる。


「じゃあ、みんなで帰ろう!そして新しい客人29万名様ごあんなーい!」

『おーう!!』

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