パーティー追放されたのでパーティー結成してみたら

永遠ノ宮

カマンの正体

岩の上から俺とフィルテンプを見下ろし、再会を喜ぶかのように叫ぶ男はカマンだった。
 俺をパーティーから追い出し、フィルテンプにみぞおちを殴られた最低ダサ野郎だ。


「お前がなぜここにいるんだカマン!」

「聞く必要あるか?雰囲気で察することもできないほど無能なのか?アハハハハハ!お前とフィルテンプ、その他もろもろ殺して、俺は最強になるためだよ!」

「たかがAランクのあなたでは私達を殺すことはできませんわ!」

「Aランク?!笑わせてくれるねー。僕は神だ!そして、モンスターだ!そして、最強だ!」

「ふざけたことを言うんじゃない!お前が神だとしたらアルメークスネークに強化魔法をかけたのも、この森のことも、俺達が出会った変な現象もお前の仕業とでも言うのか?!」

「ん?その通りだがまだ説明がいると?俺はアルメークスネークに強化魔法をかけた、そしてこの森は俺が死ぬまで消えないぞ?ここには俺とお前ら無能無力パーティーしかいないのだからな!最後!お前らの行きあった現象は俺からの楽しい余興だよ?最高にバカにされた気分はいかがだった?」

「そうかよ、カマン……。全てお前の仕業だったか……。なら話は早い!お前を殺して俺らはここを抜け出す!バカにした分をここでお返しさせてもらう」

「好きにしなよー。僕は死なない、なぜなら僕は……ヴァンパイアバード伯爵、世界最強の夜の暗殺者だよ!アハハハハハ!」


 カマンは自分の本当の名前を明かし、容姿を本来の姿へと一瞬で変えて見せた。 
 俺とフィルテンプは驚いた。
 カマンの容姿は角を額の左側のみ生やし、片目は血を思わせるかのような赤色、もう片目は満月のように黄色く輝く。
 最近になって、勇者が夜に襲われ、血を吸い付くされる怪奇事件が毎日のように発生していた。
 その犯人はヴァンパイアと判明し、目撃者の証言により描かれた似顔絵と全く同じ顔をしていた。
 俺達は今、とんでもない化物を相手にしてしまったと気づく。


「カイ兄……、あいつはヴァンパイアのモンスターの血と、ランバード神を合成されて作られたいわゆる合成神体ですわ。あれが相手となると……勝ち目ないですわ」

「どういうことだ?フィルテンプ」

「あいつはモンスターとしての属性耐性をもっていて、ヴァンパイアはそれを全属性兼ね備えていますわ。そして、ランバード神の魔法系統は、吸収……。つまり、あらゆる攻撃を耐性により打ち消し、あらゆる魔法攻撃を吸収して自分の物にする、いわゆる本当の神ですわ」

「それは勝ち目ないですね。ですが、私達全員の力を合わせれば戦える相手でもありすね……。ハァ……ハァ……」

「ユミソファ!寝てなきゃいけないだろ!」

「わかっています。ただ、私のタイアードレイブの召喚魔法を使かって、ナズナちゃんの特殊攻撃体制で戦闘モードにはいってもらい、カイン様とフィルテンプ様の一心同体剣を放てば勝てます……。ハァ……ハァ……。確定ではないですが……」


 ユミソファは勝つためには連携攻撃の最強陣形、七新大絶陣を組むこと。
 七新大絶陣とは、魔法使いが自分に宿る神を召喚魔法により召喚し、特殊型戦闘種族が攻撃体制に入ってその二人が前衛で相手の動きを抑える。
 その間に後衛の二人は心と体、全てを繋ぎとめて一心同体の状態で一本の剣を二人で握り、気を全て溜め込む。
 気が溜まった剣は一撃の刃となり、その剣を受けた者はどんなことをしようとも防げない、一撃攻撃を必ず受ける。 
 つまり、これを完成させるには全ての選ばれた勇者のみで構成されていなければならない。
 だが俺達のパーティーは揃うはずのない選ばれた勇者が揃っている。


「勝てるかもな……。それなら……」

「本気でいってますの!?あいつは神をも超えた神なのですわよ!?」

「だが、あいつを倒す以外にここは出れない……。それならやるしかねーだろ!」


 俺達にはカマン、いや、ヴァンパイアバードを倒す以外に方法がない、そして倒すには七新大絶陣を完成させなければならない。
 俺達は戦わなければ死ぬだけなのだから。


「最後のお別れの挨拶会は終わったかな?アハハハ!さぁ、みんな大人しく死んでね!」

「ゴタゴタうるせーよクソ角野郎!別れの挨拶?そんなもの俺達は絶対にしない!俺達は誰一人離れない!何があってもな!死ぬのは……テメェだクソ野郎!」

「カイン……君は……初めから殺すべきだったね!でも大丈夫だよ?そのお別れを知らないパーティーも解散だ!また天国で結成し直してよ!」

「全員、戦闘体制にはいれ!あいつを狩る!」


 俺達は、神よりも神の存在を真正面から殺すことを決めた。
 勝率のほとんどない勝負に俺達四人は剣を抜いたのだ。

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