パーティー追放されたのでパーティー結成してみたら

永遠ノ宮

仲間の死

俺達は再会した男の子がまさかのアルメークスネーク、この迷いの森の守り神が実体化した姿だった。
 正体を現した討伐対象であるアルメークスネークは名前の通り蛇の姿だった。
 ただの蛇のデカイ……だったらよかったのだが、まさかの牙から毒汁が垂れ落ちてきている。
 あの毒にあたればひとたまりもないことはすぐにわかった。


「ユミソファ、あいつの動きを封じれるか?」

「やってみますね。呪縛魔法「封印触手」!」


 ユミソファの呪縛魔法、「封印触手」は自分の持つ魔法粒子を土の水分に染み込ませ、魔法粒子を含んだ水分がくっつきあうことにより触手となり相手に絡みついて動きを封じる簡単な魔法技だ。
 だが飛びついた触手はすべて消し去られ、魔法の粒子が弾け散る。
 弾け散った粒子を吸い込むアルメークスネーク。
 ユミソファの顔色が変わり、声色が低くなり豹変していく。


「我、時の流れ司りしもの、汝の名を タイアードレイブ 、時の流れに身を暗示、流れる時間全て血潜めたれよ!」

「召喚魔法!しかも、タイアードレイブだと?!あの時を司る神!」


 ユミソファは魔力を結集させ、召喚魔法を発動した。
 ユミソファについている神はタイアードレイブ、時を自由に操る時の中に住む神。
 俺は驚きで動けなくなった。


「死ねクソ蛇!タイアードレイブ、時空展開獄炎魔法「タイムトラップバーニングストーム」を放ちな!」

「ククク!あいつ焼けばいいんだね?面白いね!」


 タイアードレイブは高笑いしながら蛇を指差しながら魔法を放つ。
 炎に包まれたアルメークスネークは動きもしない。
 ユミソファが追撃魔法を行おうとしたその時!


「お前ら、ネメシス六世が死ぬぞ?」


 大きく心の底を脅かすような声色でアルメークスネークは俺達に向かってそう言った。
 俺はまさか!と思い辺りを見回すとフィルテンプがいないことに気づいた。
 アルメークスネークは包まれていた炎を防衛魔法によって吹き飛ばし、続けてこう言った。


「ネメシス六世は猛毒で死ぬぞ?俺を殺さないともって10分だ」


 そう言うとアルメークスネークの口の中からフィルテンプが吐き出される。
 吐き出されたフィルテンプは唾液に包まれており、腹部には大きな穴が空いていた。空いた穴の周りは毒の侵食が進み黒く腐ってきていた。


「テメェ……、フィルテンプに何したっ!?」

「炎に包まれた時、ネメシス六世がお前らから見えないと思ってちょいと牙で腹部を噛ましてもらっただけだが何か問題があるのか?お前はずっとこいつにボロクソ言われてたじゃないか、もう死ぬから良かったな!楽になるぞ!グハッ、グハハハハハ!」

「……ね」

「あ?何か言ったか雑魚の勇者」

「死ねってつったんだこのクソ大蛇!テメェをぶち殺してやる!!タイアードレイブ、俺に力を貸せ……、時空を歪めろ」

「ククク、おもろい人間がいたなー!良かろう!ドライブバニッシュ!」


 この時、フィルテンプを殺されかけていることと、このクソ蛇に仲間のフィルテンプをバカにされたことで俺は腹の奥が煮えたぎっていた。
 フィルテンプを殺そうとしているこいつを俺はぶち殺す!と初めて敵に殺意を剥き出しにした。
 タイアードレイブは時空を歪め、その場の空間がスローモーションになる。
 俺はその中で、裏ステータスである瞬足力を怒りに身を委ねているため最大値のスキルを発揮し、スローモーション空間である中で俺だけは何にも染められない裏ステータスによって高速で突っ込んでいく。


「死ねクソ蛇!テメェは俺を本気で怒らせた!首斬りだけじゃすまねぇーぜ!腹わた掘り返して吊るし蛇にしてやるよクソやろう!」


 俺はフィルテンプが落とした剣を突っ込んでいく途中に拾い、アルメークスネークの顔に向かって飛びついた。
 俺は大きく剣を振りかぶって斬り付けようとしたがスローモーション空間であるのにかかわらずアルメークスネークは華麗に避けた。
 その時俺はスローモーション空間がとっくに切れていることに気づきユミソファを見た。


「カイン……様……。申し訳ございません……。もう……、魔力……が……」

「すまないな人間!召喚魔法は魔力維持が難しいみたいだなー、私もこいつの魔力無しでは実体を保てないのでな。時の中に帰るとするよ」


 ユミソファは魔力枯渇。
 タイアードレイブはユミソファの魔力なしでは実体を保てない。
 残ったのは俺とナズナちゃんのみになってしまった。
 俺はアルメークスネークからバックステップで素早く離れ、フィルテンプについてくれているナズナちゃんと、倒れているフィルテンプのところへユミソファを拾って移動する。


「フィルテンプ!目を覚ませ!しっかりしろバカ!」

「カイン……。うる、さい……ですわよ。しっかり……たた、かい、なさいよ……。いつも、けなしたりして……ごめんなさい、です、わ……」

「もう喋るな!死亡フラグたててるんじゃねーよ!俺があいつぶち殺してやるから待ってろよな?お前の毒を解いて……」

「カイン……。フィルテンプはもう息してないですです……」


 フィルテンプが毒に侵されてからもう10分以上立っていた。
 タイアードレイブの作り出したスローモーション空間で少しは時間を稼いではいたものの、その後が長引いたためフィルテンプの全体は毒に喰われてしまったのだ。
 俺は仲間を守れなかった……いつもボロクソ言っても俺のことを守ってくれて最高の笑顔をよく見せてくれて、食欲がすごくて……。
 思い出が全て頭の中に流れだし、俺は大切な存在、仲間を死なせてしまったことに全ての絶望を感じた。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」


 俺はフィルテンプの上半身を抱きしめながら叫んだ。
 その瞬間、俺の中で今までに感じたことない何かが弾け飛び殺意を通り越し、破壊に変わったのだ。
 俺は、アルメークスネークを殺すから、アルメークスネークを灰よりも細かくぶち壊しやる。それ以外の思いは全て消え去り、アルメークスネークに飛びかかった。

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