天使のサナトリウム、光差すその箱庭にて

こぶた

プロローグ



心が傷ついた人達に彼女はその手を差し伸べる。

光差す箱庭。

そこには見渡す限りの草原と、水平線まで広がる海。そして、強く優しく照らすそれらを照らす太陽と、遥か彼方まで続く青い空と浮かぶ白い雲。

そのサナトリウムはひっそりと佇む。


そこにいるのは、天使。

そこを訪れるのは、心に傷を負った患者。

彼らが心の傷と向き合って、もう一度歩き出せるまで…彼女は手を差し伸べ続ける。

彼女は優しく言う。

「私は医者じゃないし、神様でもなければ天使でもない見習いです。」

「それでも私は、心に傷を負っていて助けて欲しいと願う人を…必ず助けます。」

「私は助けて欲しいと願う人がどんな人であろうとも、決して見捨てません。あなたは…助けて欲しいと願いますか?」

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