未知日々 (ミチヒビ)

goro

間の光1





◇間の光1◇








「光夜」


声が聞こえてくる。












「…………と…………え…た」






何を言っているのかわからない。


だが、


「……………」








そこには、目の前に一人の少女の後ろ姿が立っている。


















太陽の日が眩しく地上を照らす中。


「……またか…」


目を覚ました如月光夜は現在。




個室の病室。
近場の病院で入院生活をしていた。


理由は右腕骨折。


実際には軽くヒビが入った程度だったのだが、骨折は骨折だと言われ入院するはめとなった。


「はぁ………」


思い出すだけで溜め息が出てくる。
右腕に視線を向け、さらに溜め息をつく光夜。




すると、その時、


「おーす、光夜」
「大丈夫、光夜?」


ドアが開くと同時にひょこっと顔を出し、風霧 新、そして、田中 桜が訪ねてきた。


「元気いいよな、お前ら」


眉を潜め、不機嫌な顔になる光夜。
そんな光夜に、


「そういえば、光夜」
「ん?」




桜は近づき、そっと一言。






「この病院、オバケ。出るんだって」








…………………………………


はぁ、と光夜は溜め息を吐き、


「はいはい、そうですか」


何かムカって来るな、と頬を膨らませる桜。
すると、そんな桜のポケットから携帯のブザー音が鳴り響いた。


「ん?」


どうやらメールらしいのか、桜は携帯を開き、メールボックスを開く。


「?どうし」
「あ、ごめん光夜。私ちょっと用事あるの忘れてた」
ごめんね!!、と言って病室から出る桜。




……………………………………しーん。


静寂が漂う中。


「…………」
「行っちまったな」


そういう新に光夜は、




「お前……いつまでいんの?」
「いいじゃねえの」














そうして時間がたち。










深夜0時。


「…………」


今、光夜の目の前には、




「ゆ………る……………ない」


モヤのかかったミイラが立っている。


頭に手をおき、溜め息を吐き。
そして、やること一つ。


「あー……………」




瞬間。


ダダダダダァァァ!!と、
超速逃亡。
















しかし、




「嘘……だろ………」


屋上に追い込まれ、ミイラも五体に増えている。
一体一体が別々に動き、そして、一体が光夜に迫る。


だが、その直後。




「ンァ!?」


光夜のポケットの中から箱が飛び出しミイラの顔面に直撃した。


そして、箱は光夜の目の前に戻り。


まるで、使え、というかのように停止していた。




わかったよ、と光夜は箱を上空に放り投げ。




「オプション」








その瞬間。ミイラはまるで何かに弾き飛ばされたかのように、吹き飛び。








その何かの真ん中の中心に。




「衝斡の輪」


六つの輪を浮かせた如月光夜は立っていた。







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