金髪、青目の美人エルフに転生!
第百三十話 本当の『ソフィア』
ソフィア様の魔力が、一気に変わった。一瞬にして、冷たい魔力が辺りに満ちていく。
思っていた以上の物でした。私だけでは制御できなかった事でしょう。状況を一瞬で理解したダイアナ様、それからマリア様が手伝ってくれて助かりました。
クリーム色の髪は生きているかのように蠢いていて、青い目は、いつの間にか、赤く染まっています。
強い風によって、ローブが後ろにたなびいているのに、髪は、それとは別の方向に動いています。
空中に浮かんだソフィア様は、もはや、さっきまでのソフィア様ではありません。
ソフィア様は、空中を歩いて行きます。床から三十センチの所を、透明な床があるかのように、コツコツと進んで行きます。
リリアーナ様とエベリナ様が、怯えたようにそれを見ていました。
(ねぇ、ジェイド、聞こえる?!)
「え、ソフィア様?!」
(念話だよ。それより、よく聞いて。これ、もう私には操作できてないから、何するか分からない。今から、全力で解く方法見つけるから、それまで制御よろしく)
「え?! それって、どれくらい……」
(ごめん、もう時間だ! これ以上、外に干渉できな……い…………)
念話はブツリと切れてしまった。完全に、魔力に呑まれてしまった、か。
にしても、さっき見たソフィア様の目が忘れられません。あんなに、冷たくて、怒りに満ちた目……。
あんなの、見た事が無い。っていうか、見てたらおおごとです。それくらいの物でしたから。
「うわぁ……。なんだか、本気みたいだね?」
「な、何が起こってるんですか?」
「わ、わかりません! こんな事、私も聞いてない!」
ええ……。ソフィア様ですら、気づいていましたからね。アリアンが、アリシアと関係があるだろうという事、私は知っていました。
ですから、わざと、言わなかったのです。私と、ソフィア様。二人っきりの秘密でした。
ああ、さらっと流しましたが、アリシアとアリアンの事は、よく知っています。
私がエメラルドだった時、アリシアは、ダイアモンド様が友人のように接していた、数少ない魔族でしたから。よく覚えていますよ。
そのころから、とても強く、魔族の中で、アリシアにかなうものはいませんでした。
その妹が、アリアンです。
アリアンは、何故か、ダークエルフを継げなかった。普通のエルフとして生まれてきてしまった。
ですが、魔王様に忠誠を誓い、アリシアに強化されて、いつの間にか、アリシアと同レベルのエルフになっていたのです。
その上、エルフ魔法、つまり聖の魔法を使えますから、色々な事に役立っていました。
二人は、強かった故に、ダイアモンド様に不老の魔法をかけて貰えました。
それは、とても名誉なことなのです。魔族の中で、不老というのは。魔王様に、本当に信頼された魔族という事ですから。
この姉妹とは、戦いたくなかったのですが。あの時の私では、手も足も出なかった事でしょうし。
問題は、私が強くなっているという事は、彼女らも、強くなっているだろうと言う事です。
彼女たちは老いる事が無い。年を取らないってことはつまり、悪魔と同じで、寿命が存在しない生き物ということ。
まだ生きているんじゃないかとは、ずっと思っていたんですけれど、まさかこんな形で会おうとは。
ソフィア様は、エリシアに右の掌を向けました。虹色の光線が出て、エリシアはずっと向こうまで吹き飛ばされていきます。
生きて……居るんでしょうか。それは、知る術がありません。
「ねぇ、ジェイドさん、これ、どういう事?」
「完全に、全ての魔力を解放したソフィア様は、もはや、別人です」
「まあ、そうだろうな。魔力に、というか、ソフィアに呑まれたと言うべきか」
「どういう事よぉ、分からないわぁ」
まあ、知らない方がいいと思いますが。
ソフィア様は、それこそ作業のように、一人一人を消していきます。無表情。無感情。こんなソフィア様、あまり見たくないですね……。
ダイアナ様が、困惑した表情を浮かべます。まあ、初めて見た人には、何が起こっているか分からないでしょうね。さっきまでと、明らかに違うのだから。
黙ったまま、表情のない目で辺りを見回し、手当たりしだいに魔法を放つソフィア様。
桃色魔法衣の人たちは全滅したか。四人娘も。
残りの問題は、私たちに攻撃してこないかです。
ソフィア様はリリアーナ様に手を向けました。が、何かに弾かれるようにその手は別の方向を向きます。
見れば、少し煙が上がっています。ですが、一切気にしていない様子。
もう一度撃とうとして、また失敗したようです。何が……。
あ、ソフィア様でしょうか? 全く操れないと言っていましたが、少しは何とかできたのかもしれません。おそらく、初めてですから分からなかったのでしょう。
ところで……。これ、いつになったら解けるんでしょう? それまで、このソフィア様を見ていなくてはいけないのですよね?
(ジェイド、ちょっと手伝って)
「あ、ソフィア様? 何をです?」
(魔力借りたいの。良いかな?)
「ま、まあ、良いですけど、出来ますか?」
(もちろん。行くよ?)
急に大量に魔力を吸い取られ、私は驚いて、その後、目眩に襲われます。
魔力借りるって……。多すぎでしょう。こんなに必要ですかね?
ですが。ソフィア様の体が、桃色に光ります。これは……!
思っていた以上の物でした。私だけでは制御できなかった事でしょう。状況を一瞬で理解したダイアナ様、それからマリア様が手伝ってくれて助かりました。
クリーム色の髪は生きているかのように蠢いていて、青い目は、いつの間にか、赤く染まっています。
強い風によって、ローブが後ろにたなびいているのに、髪は、それとは別の方向に動いています。
空中に浮かんだソフィア様は、もはや、さっきまでのソフィア様ではありません。
ソフィア様は、空中を歩いて行きます。床から三十センチの所を、透明な床があるかのように、コツコツと進んで行きます。
リリアーナ様とエベリナ様が、怯えたようにそれを見ていました。
(ねぇ、ジェイド、聞こえる?!)
「え、ソフィア様?!」
(念話だよ。それより、よく聞いて。これ、もう私には操作できてないから、何するか分からない。今から、全力で解く方法見つけるから、それまで制御よろしく)
「え?! それって、どれくらい……」
(ごめん、もう時間だ! これ以上、外に干渉できな……い…………)
念話はブツリと切れてしまった。完全に、魔力に呑まれてしまった、か。
にしても、さっき見たソフィア様の目が忘れられません。あんなに、冷たくて、怒りに満ちた目……。
あんなの、見た事が無い。っていうか、見てたらおおごとです。それくらいの物でしたから。
「うわぁ……。なんだか、本気みたいだね?」
「な、何が起こってるんですか?」
「わ、わかりません! こんな事、私も聞いてない!」
ええ……。ソフィア様ですら、気づいていましたからね。アリアンが、アリシアと関係があるだろうという事、私は知っていました。
ですから、わざと、言わなかったのです。私と、ソフィア様。二人っきりの秘密でした。
ああ、さらっと流しましたが、アリシアとアリアンの事は、よく知っています。
私がエメラルドだった時、アリシアは、ダイアモンド様が友人のように接していた、数少ない魔族でしたから。よく覚えていますよ。
そのころから、とても強く、魔族の中で、アリシアにかなうものはいませんでした。
その妹が、アリアンです。
アリアンは、何故か、ダークエルフを継げなかった。普通のエルフとして生まれてきてしまった。
ですが、魔王様に忠誠を誓い、アリシアに強化されて、いつの間にか、アリシアと同レベルのエルフになっていたのです。
その上、エルフ魔法、つまり聖の魔法を使えますから、色々な事に役立っていました。
二人は、強かった故に、ダイアモンド様に不老の魔法をかけて貰えました。
それは、とても名誉なことなのです。魔族の中で、不老というのは。魔王様に、本当に信頼された魔族という事ですから。
この姉妹とは、戦いたくなかったのですが。あの時の私では、手も足も出なかった事でしょうし。
問題は、私が強くなっているという事は、彼女らも、強くなっているだろうと言う事です。
彼女たちは老いる事が無い。年を取らないってことはつまり、悪魔と同じで、寿命が存在しない生き物ということ。
まだ生きているんじゃないかとは、ずっと思っていたんですけれど、まさかこんな形で会おうとは。
ソフィア様は、エリシアに右の掌を向けました。虹色の光線が出て、エリシアはずっと向こうまで吹き飛ばされていきます。
生きて……居るんでしょうか。それは、知る術がありません。
「ねぇ、ジェイドさん、これ、どういう事?」
「完全に、全ての魔力を解放したソフィア様は、もはや、別人です」
「まあ、そうだろうな。魔力に、というか、ソフィアに呑まれたと言うべきか」
「どういう事よぉ、分からないわぁ」
まあ、知らない方がいいと思いますが。
ソフィア様は、それこそ作業のように、一人一人を消していきます。無表情。無感情。こんなソフィア様、あまり見たくないですね……。
ダイアナ様が、困惑した表情を浮かべます。まあ、初めて見た人には、何が起こっているか分からないでしょうね。さっきまでと、明らかに違うのだから。
黙ったまま、表情のない目で辺りを見回し、手当たりしだいに魔法を放つソフィア様。
桃色魔法衣の人たちは全滅したか。四人娘も。
残りの問題は、私たちに攻撃してこないかです。
ソフィア様はリリアーナ様に手を向けました。が、何かに弾かれるようにその手は別の方向を向きます。
見れば、少し煙が上がっています。ですが、一切気にしていない様子。
もう一度撃とうとして、また失敗したようです。何が……。
あ、ソフィア様でしょうか? 全く操れないと言っていましたが、少しは何とかできたのかもしれません。おそらく、初めてですから分からなかったのでしょう。
ところで……。これ、いつになったら解けるんでしょう? それまで、このソフィア様を見ていなくてはいけないのですよね?
(ジェイド、ちょっと手伝って)
「あ、ソフィア様? 何をです?」
(魔力借りたいの。良いかな?)
「ま、まあ、良いですけど、出来ますか?」
(もちろん。行くよ?)
急に大量に魔力を吸い取られ、私は驚いて、その後、目眩に襲われます。
魔力借りるって……。多すぎでしょう。こんなに必要ですかね?
ですが。ソフィア様の体が、桃色に光ります。これは……!
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