金髪、青目の美人エルフに転生!
第九十六話 魔族戦争(ソフィア)
「よし、行くよ!」
私が叫ぶと、あちこちから『おー!』の掛け声が上がった。
今から、魔族の兵士が泊まっているテントに向かっていく。
待っているだけだと、街が破壊されちゃうからね。それは嫌なんだ。せっかくここまで作ったんだもん。
「じゃあ、クララ、ルアンナ、ナタリア、アラーナ、フェリ、サウル、レオン、ヴェリ、ニコライ。よろしくね」
「任せなさい!」
「スカーレット、インディゴ。ジェイドをよろしくね……」
「絶対に無茶はさせないようにしますからね」
私は、ほかのリーダーをすべて別の場所にやり、街の南側に行った。兵士もできるだけ減らした。
――それは、もし操られた時、巻き込むのを、防ぐため。
操られてすぐに何かを撃ったとしたら。いきなり死んでしまうかもしれない。
そうしたら、止めてくれる人がいないじゃないか。
ちなみに、南側というのは、大将軍がいるであろう場所なのだ。だから、私が引き受けた。
ジェイドには海のある北側に行ってもらう。できるだけ遠ざけておきたい。
私が戦い始めた時、ちょっとでも、警戒できる時間があるように。
なんだかんだ言っても。ジェイドはきっと、私を殺すこと、躊躇うから。
「じゃ、私が合図するからね」
「わかった。そうしたら、攻め込めばいいんだったよね」
とは言っても、もう私たちに気がついているかもしれないなぁ。でも、ちょっとでも不意打ちできたら。
私たちは、そう言って、別の道を進み出した。
「みんな、ここで待っててね。私がここに戻ってきてから、進むこと」
「わかりました!」
「んー? わかったよー」
私はアイリスに頼んで空に浮かぶ。小さな集落のような待機場所がよく見えるね……。
ちょっと迷ってから、両手を下に向ける。合図だから、大きな音を鳴らそう。大きな音を出す方に集中、威力は最大限落とし、音に向ける。霹靂!
ダーン、と大きな音が鳴り、私は思わず下を向いた。残してきた人が、ちょっと心配だった。
あと、ちょっと気になったので実験してもいいだろうか。今まで通りの条件でもう一発。
こ、これで十分だ! なんであんなの撃ったんだろう……。
私は注意しながら下に降り立つ。アイリスは一度離れてもらう。
私の周りには、すぐにアルラウネが来た。ちなみに、ゆきちゃんは留守番。
「ご主人様、ボクたちは?」
「出来るだけ私のそばにいてね。さ、みんな、掛かれ!」
私が叫ぶと、ワッとみんなは走り出す。私もその後ろを歩き出した。
「いい? 私が操られたと思ったら、すぐに誰か呼んで。なんとかしようと思わないで」
「わかった。あの悪魔呼べばいいの?」
「まあ、それでいいよ。頼んだからね」
しばらく歩くと、クララが特訓していた場所に来る。
クララは、剣を振るとき、実践を意識してか飛び回る。周りの気がなぎ倒されていくのを見るのは、いつものこと。
広くなれば、それだけ飛び回れるので、どんどん大きくなっていく。
グラウンド並みのスペースが出来上がっているんだ。
そこに、彼女はいた。
綺麗な黒髪をたなびかせ、肌はグレー? 尖った耳をしている。ダークエルフだ。
「やあ、絶対来ると思ってたよ」
「あなたが大将軍ね……」
特に、これといって変わった装備はない。真っ白なワンピースを着ているだけだ。
彼女は立つと、コツコツとこちらに歩いてきた。アルラウネがその殺気に後ずさる。
私はアルラウネたちに下がるよう命令し、ダークエルフと対峙する。
「さあ、始めよっか。私はアリシア。よろしくね、ソフィア」
「アリシア、ね。じゃあ、私も本気でいかせてもらうよ?」
だいぶ上手くなった、魔力開放! 最近、倒れないようになってきた。ドラゴンの後あたりだろうか?
ダークエルフは、さっきから無表情。声の抑揚はあるのに、顔が人形のようだ……。すごく、不気味。
とは言っていられない。戦い始めよう。
なにせ、時間がもったいないからね。アリシアがすぐにでも攻撃を放ってきそうなのもあるし。
最初にアリシアの撃った黒っぽい光線は火光線で相殺させる。
そのあと、すぐに赤石弾を撃ったけれど、横によけられる。
アリシアの撃った黒い石の弾はしゃがんで避ける。黒い水のようなものはバリア魔法で防ぐ。
それで、すぐに滝! とん、と軽くよけられた。
「ふぅ、当たらない、か」
「へえ、なかなかやるんだね。勇者って、名前だけかと思ってたよ」
「んなわけあるか!」
お互い息を整えると、また直ぐに魔法を放っていく。
ちなみに、アルラウネたちがたまに蔓を伸ばすけれど、それは悉く切られてしまう。
だから、アルラウネも諦めたよう。やっぱり、私以外では戦えないかも。怖いなぁ……。
「ふ、ふふ、ははは! 仲間にしたいね、やっぱ」
「なっ?! じょ、冗談はよして」
いきなり無表情のまま笑うから、あまりに不気味すぎて私の言葉はちょっと震えた。
一応、対策の魔法は掛けてある。超強力のを、スカーレットと、その手下達に。
その上から、操られたときにパラメータが下がる魔法も掛けてある。一応、ね……。
「できるんだよ? 簡単さ」
「できないわよ、無理でしょ?」
私が言うと、アリシアは何か呪文を唱える。すると、目の前に何かが現れた。
「シ、シナモン?!」
大きく動揺すれば。精神に関係する魔法は、とてもよく効く。
「ほら、貰ったよ!」
「あっ?!」
まずい、これじゃ……。
意識は、奥深くに沈められていく……。
私が叫ぶと、あちこちから『おー!』の掛け声が上がった。
今から、魔族の兵士が泊まっているテントに向かっていく。
待っているだけだと、街が破壊されちゃうからね。それは嫌なんだ。せっかくここまで作ったんだもん。
「じゃあ、クララ、ルアンナ、ナタリア、アラーナ、フェリ、サウル、レオン、ヴェリ、ニコライ。よろしくね」
「任せなさい!」
「スカーレット、インディゴ。ジェイドをよろしくね……」
「絶対に無茶はさせないようにしますからね」
私は、ほかのリーダーをすべて別の場所にやり、街の南側に行った。兵士もできるだけ減らした。
――それは、もし操られた時、巻き込むのを、防ぐため。
操られてすぐに何かを撃ったとしたら。いきなり死んでしまうかもしれない。
そうしたら、止めてくれる人がいないじゃないか。
ちなみに、南側というのは、大将軍がいるであろう場所なのだ。だから、私が引き受けた。
ジェイドには海のある北側に行ってもらう。できるだけ遠ざけておきたい。
私が戦い始めた時、ちょっとでも、警戒できる時間があるように。
なんだかんだ言っても。ジェイドはきっと、私を殺すこと、躊躇うから。
「じゃ、私が合図するからね」
「わかった。そうしたら、攻め込めばいいんだったよね」
とは言っても、もう私たちに気がついているかもしれないなぁ。でも、ちょっとでも不意打ちできたら。
私たちは、そう言って、別の道を進み出した。
「みんな、ここで待っててね。私がここに戻ってきてから、進むこと」
「わかりました!」
「んー? わかったよー」
私はアイリスに頼んで空に浮かぶ。小さな集落のような待機場所がよく見えるね……。
ちょっと迷ってから、両手を下に向ける。合図だから、大きな音を鳴らそう。大きな音を出す方に集中、威力は最大限落とし、音に向ける。霹靂!
ダーン、と大きな音が鳴り、私は思わず下を向いた。残してきた人が、ちょっと心配だった。
あと、ちょっと気になったので実験してもいいだろうか。今まで通りの条件でもう一発。
こ、これで十分だ! なんであんなの撃ったんだろう……。
私は注意しながら下に降り立つ。アイリスは一度離れてもらう。
私の周りには、すぐにアルラウネが来た。ちなみに、ゆきちゃんは留守番。
「ご主人様、ボクたちは?」
「出来るだけ私のそばにいてね。さ、みんな、掛かれ!」
私が叫ぶと、ワッとみんなは走り出す。私もその後ろを歩き出した。
「いい? 私が操られたと思ったら、すぐに誰か呼んで。なんとかしようと思わないで」
「わかった。あの悪魔呼べばいいの?」
「まあ、それでいいよ。頼んだからね」
しばらく歩くと、クララが特訓していた場所に来る。
クララは、剣を振るとき、実践を意識してか飛び回る。周りの気がなぎ倒されていくのを見るのは、いつものこと。
広くなれば、それだけ飛び回れるので、どんどん大きくなっていく。
グラウンド並みのスペースが出来上がっているんだ。
そこに、彼女はいた。
綺麗な黒髪をたなびかせ、肌はグレー? 尖った耳をしている。ダークエルフだ。
「やあ、絶対来ると思ってたよ」
「あなたが大将軍ね……」
特に、これといって変わった装備はない。真っ白なワンピースを着ているだけだ。
彼女は立つと、コツコツとこちらに歩いてきた。アルラウネがその殺気に後ずさる。
私はアルラウネたちに下がるよう命令し、ダークエルフと対峙する。
「さあ、始めよっか。私はアリシア。よろしくね、ソフィア」
「アリシア、ね。じゃあ、私も本気でいかせてもらうよ?」
だいぶ上手くなった、魔力開放! 最近、倒れないようになってきた。ドラゴンの後あたりだろうか?
ダークエルフは、さっきから無表情。声の抑揚はあるのに、顔が人形のようだ……。すごく、不気味。
とは言っていられない。戦い始めよう。
なにせ、時間がもったいないからね。アリシアがすぐにでも攻撃を放ってきそうなのもあるし。
最初にアリシアの撃った黒っぽい光線は火光線で相殺させる。
そのあと、すぐに赤石弾を撃ったけれど、横によけられる。
アリシアの撃った黒い石の弾はしゃがんで避ける。黒い水のようなものはバリア魔法で防ぐ。
それで、すぐに滝! とん、と軽くよけられた。
「ふぅ、当たらない、か」
「へえ、なかなかやるんだね。勇者って、名前だけかと思ってたよ」
「んなわけあるか!」
お互い息を整えると、また直ぐに魔法を放っていく。
ちなみに、アルラウネたちがたまに蔓を伸ばすけれど、それは悉く切られてしまう。
だから、アルラウネも諦めたよう。やっぱり、私以外では戦えないかも。怖いなぁ……。
「ふ、ふふ、ははは! 仲間にしたいね、やっぱ」
「なっ?! じょ、冗談はよして」
いきなり無表情のまま笑うから、あまりに不気味すぎて私の言葉はちょっと震えた。
一応、対策の魔法は掛けてある。超強力のを、スカーレットと、その手下達に。
その上から、操られたときにパラメータが下がる魔法も掛けてある。一応、ね……。
「できるんだよ? 簡単さ」
「できないわよ、無理でしょ?」
私が言うと、アリシアは何か呪文を唱える。すると、目の前に何かが現れた。
「シ、シナモン?!」
大きく動揺すれば。精神に関係する魔法は、とてもよく効く。
「ほら、貰ったよ!」
「あっ?!」
まずい、これじゃ……。
意識は、奥深くに沈められていく……。
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