金髪、青目の美人エルフに転生!
第九十四話 帰って来て、いきなりですか?!
「ソフィア! どうしたの?」
「クララ! 久しぶり!」
私が国に入ると、慌てたクララが出迎えてくれた。
「魔族が追いかけてきてさ、ほかのところに、迷惑がかかるから……」
「そう……。仕方ないね」
クララは笑って国の中に入れてくれた。
「被害は、なかったの?」
「そうだね……。魔族のスパイがいっぱいいたね。見つけたら、退治したけど」
そうか……。やっぱり、いたんだ、魔族……。
みんなに迷惑がかかってしまう。どうにかして魔族を早く撃退しないと。
「お祝いは、できないけれどね」
「そう、だ、ね…………」
「シナモン、ただいま……」
私の家のすぐ隣。大きな教会が立っている。
その目の前に、ひとつの綺麗な墓が立っている。シナモンのだ。
「ごめんね、気づけなくて。でも、ずっと一緒にいてくれるよね……」
「ソフィ……。大丈夫?」
「うん、みんなが、立ち直らせてくれたもの……」
クララとルアンナが私を交代でそっと抱いた。ナタリアは……。まあ、いつものだ。アラーナは後ろでそっと微笑む。
「ふん。またまた、随分弱気な」
「ソフィア、私たち、ずっと仲間だからね……」
それから、マリンもやってきた。
「お姉ちゃん……。大丈夫?」
「マリン……。うん、平気。大丈夫だよ」
私が笑顔を作ると、マリンはちょっと悲しそうな顔をした。
「無理してるの、わかるもん。私たちは、そんなお姉ちゃんが見たいわけじゃないからね?」
「え?」
マリンはそれだけ言うと、そっと笑っていってしまった。
「本当は、五年後、ソフィアの誕生日パーティーで会う、っていう予定だったんだけどな」
「フェリ……。そっか……」
「気にしないで。だって、僕たちはソフィアの身が心配だったんだよ」
「レオン。そう、だよね……」
男の子達も、私のことを心配していてくれたようだ。そんなことされると、涙が出てくるじゃないか。やめてよ……。
「あれ? ソフィア、大丈夫?」
「うぇぇ……。だってぇ、私、みんなの顔見たら……」
ずっと、張り詰めてたのが、急に緩んだみたいで……。大変なこと、いっぱいあったし……。
みんなの暖かい顔見たら、ホッとしちゃったな。
「そうだね。じゃあ、今日はゆっくり休んで。それとも、私たちと一緒にいたい?」
「そうだなぁ……。もうちょっと、いいかな?」
「冒険のことも、話してもらいたいしね」
「大変だったね……。よく頑張ったね」
「うん、そんなにいろいろあったんだね……」
みんなが口々に言って、私の頭を撫でてくれた。それから、やってきたジェイドとスカーレット、インディゴに目を向ける。
そして。全員がジェイドに向かって怒声を浴びせる。
「お前! ソフィアを守るんじゃなかったのか!」
「はいぃ?! え、ええ?!」
「そうよ! 絶対守るって言ったのはどこのどいつよ!」
「あ、いいから! ごめんね、急に」
みんなジェイドに冷たい。まあ、わからなくもないなぁ。
約束は守らなきゃ、ダメですよね? ただでさえ私のそばにいるってだけで警戒されてるんだよ?
「じゃあ、今日はゆっくり休んでね。僕たちはまたいつも通り頑張るよ」
「うん。ありがとう」
ちなみに、ずっとついてきたにもかかわらず、誰にも触れてもらえなかったアルラウネたちやゆきちゃんがいたり。
「魔王軍が攻めてきた!」
「はぁ?!」
一週間後、アルラウネの一人が慌てた様子で飛び込んできた。
「ほんとだよ! だって、あれと同じ雰囲気、こっち来る!」
「いっぱいいる! あと一週間くらいで、着いちゃう!」
私は大慌てで、みんなに知らせに行くことになった。
「魔王軍?! 魔族って事?!」
「でも、魔王はいないよ」
「それはわかるの」
ああ……。私が帰ったから、待ち伏せできなくなったんだ。
どこに行っても、絶対に狙われてしまうなんて……。どこでも、誰か知らに迷惑をかけてしまう。
「気にしないで。準備するよ!」
『はっ!』
クララの掛け声で、兵士たちは慌ただしく動き出した。
「ソフィア様! これはまずいですよ。兵士の数が半端な数ではありません」
「うぅ……。困ったなぁ。そんなすぐには援軍も要請できないし……」
「おそらく、100万を超えると考えられております」
まじか……。それが、四方から来ているらしい。正直、手に終えるかどうか……。
「ジェイド、いつもごめんね。今回は、最前列で範囲魔法を本気で撃って」
「大丈夫です。私もそのつもりでしたので。一番の手柄は、私が取りますよ」
そう言ってくれると、本当に助かるなぁ。
それから、私は桃色魔法衣の人を集めて、指示を出す。
「今回は、みんな前に出て。五人ずつグループになって、四方に散ってね」
「回復と、攻撃、両方担当すればいいのですか?」
そういうことだ。なにせ、四方から敵が来るのでは、固まっていたら意味がない。全方向に回復役が必ずいるようにしたい。
「うん、大変だけど、できる?」
「任せてください!」
みんな頷いてくれた。この子達は、これでいい。あとは、他の部隊に合わせよう。
「ああもう! 何が何でも、絶対に勝つんだから!」
「クララ! 久しぶり!」
私が国に入ると、慌てたクララが出迎えてくれた。
「魔族が追いかけてきてさ、ほかのところに、迷惑がかかるから……」
「そう……。仕方ないね」
クララは笑って国の中に入れてくれた。
「被害は、なかったの?」
「そうだね……。魔族のスパイがいっぱいいたね。見つけたら、退治したけど」
そうか……。やっぱり、いたんだ、魔族……。
みんなに迷惑がかかってしまう。どうにかして魔族を早く撃退しないと。
「お祝いは、できないけれどね」
「そう、だ、ね…………」
「シナモン、ただいま……」
私の家のすぐ隣。大きな教会が立っている。
その目の前に、ひとつの綺麗な墓が立っている。シナモンのだ。
「ごめんね、気づけなくて。でも、ずっと一緒にいてくれるよね……」
「ソフィ……。大丈夫?」
「うん、みんなが、立ち直らせてくれたもの……」
クララとルアンナが私を交代でそっと抱いた。ナタリアは……。まあ、いつものだ。アラーナは後ろでそっと微笑む。
「ふん。またまた、随分弱気な」
「ソフィア、私たち、ずっと仲間だからね……」
それから、マリンもやってきた。
「お姉ちゃん……。大丈夫?」
「マリン……。うん、平気。大丈夫だよ」
私が笑顔を作ると、マリンはちょっと悲しそうな顔をした。
「無理してるの、わかるもん。私たちは、そんなお姉ちゃんが見たいわけじゃないからね?」
「え?」
マリンはそれだけ言うと、そっと笑っていってしまった。
「本当は、五年後、ソフィアの誕生日パーティーで会う、っていう予定だったんだけどな」
「フェリ……。そっか……」
「気にしないで。だって、僕たちはソフィアの身が心配だったんだよ」
「レオン。そう、だよね……」
男の子達も、私のことを心配していてくれたようだ。そんなことされると、涙が出てくるじゃないか。やめてよ……。
「あれ? ソフィア、大丈夫?」
「うぇぇ……。だってぇ、私、みんなの顔見たら……」
ずっと、張り詰めてたのが、急に緩んだみたいで……。大変なこと、いっぱいあったし……。
みんなの暖かい顔見たら、ホッとしちゃったな。
「そうだね。じゃあ、今日はゆっくり休んで。それとも、私たちと一緒にいたい?」
「そうだなぁ……。もうちょっと、いいかな?」
「冒険のことも、話してもらいたいしね」
「大変だったね……。よく頑張ったね」
「うん、そんなにいろいろあったんだね……」
みんなが口々に言って、私の頭を撫でてくれた。それから、やってきたジェイドとスカーレット、インディゴに目を向ける。
そして。全員がジェイドに向かって怒声を浴びせる。
「お前! ソフィアを守るんじゃなかったのか!」
「はいぃ?! え、ええ?!」
「そうよ! 絶対守るって言ったのはどこのどいつよ!」
「あ、いいから! ごめんね、急に」
みんなジェイドに冷たい。まあ、わからなくもないなぁ。
約束は守らなきゃ、ダメですよね? ただでさえ私のそばにいるってだけで警戒されてるんだよ?
「じゃあ、今日はゆっくり休んでね。僕たちはまたいつも通り頑張るよ」
「うん。ありがとう」
ちなみに、ずっとついてきたにもかかわらず、誰にも触れてもらえなかったアルラウネたちやゆきちゃんがいたり。
「魔王軍が攻めてきた!」
「はぁ?!」
一週間後、アルラウネの一人が慌てた様子で飛び込んできた。
「ほんとだよ! だって、あれと同じ雰囲気、こっち来る!」
「いっぱいいる! あと一週間くらいで、着いちゃう!」
私は大慌てで、みんなに知らせに行くことになった。
「魔王軍?! 魔族って事?!」
「でも、魔王はいないよ」
「それはわかるの」
ああ……。私が帰ったから、待ち伏せできなくなったんだ。
どこに行っても、絶対に狙われてしまうなんて……。どこでも、誰か知らに迷惑をかけてしまう。
「気にしないで。準備するよ!」
『はっ!』
クララの掛け声で、兵士たちは慌ただしく動き出した。
「ソフィア様! これはまずいですよ。兵士の数が半端な数ではありません」
「うぅ……。困ったなぁ。そんなすぐには援軍も要請できないし……」
「おそらく、100万を超えると考えられております」
まじか……。それが、四方から来ているらしい。正直、手に終えるかどうか……。
「ジェイド、いつもごめんね。今回は、最前列で範囲魔法を本気で撃って」
「大丈夫です。私もそのつもりでしたので。一番の手柄は、私が取りますよ」
そう言ってくれると、本当に助かるなぁ。
それから、私は桃色魔法衣の人を集めて、指示を出す。
「今回は、みんな前に出て。五人ずつグループになって、四方に散ってね」
「回復と、攻撃、両方担当すればいいのですか?」
そういうことだ。なにせ、四方から敵が来るのでは、固まっていたら意味がない。全方向に回復役が必ずいるようにしたい。
「うん、大変だけど、できる?」
「任せてください!」
みんな頷いてくれた。この子達は、これでいい。あとは、他の部隊に合わせよう。
「ああもう! 何が何でも、絶対に勝つんだから!」
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