金髪、青目の美人エルフに転生!
第十六話 宴の時1
次の日。女性軍は朝一から料理に追われていた。
トマトベースで、グリンピースやら、キャベツやら、じゃがいもやら、肉を小さく切ったものやらを入れて作ったスープ。
なんの肉だかわからないもの(ジェイドが先に解体してしまったので)に塩胡椒を振って焼いたもの。
キャベツとニンジン、トマトと玉ねぎのサラダ。
父からもらった資金の中で買った小麦で作ったパン。
デザートには柑橘系の果物を使ったタルトなど。
そりゃあもう、大量の料理を作っていた。バイキング形式にするのがいいだろう。
今のところ、人口は八百人くらいだろうか。そんな人数分作るのが、あの二十人に、私とルアンナ、ナタリアなのだ。無謀すぎる。
だって、クララもアラーナも、しかもマリンも料理できないし、お嬢様方はもってのほか。かといって、住人の皆さんに手伝ってもらうわけにもいかないのだ。
もう面倒になってきたので、みんなに避けていてもらい、生活魔法の料理を使う。
でも、これって疲れるから、本当は使いたくなかった。魔力切れで動けなくなるとか、洒落になんない。主役なのにさ。
「仕方ないか。よし、じゃ、いくよ!」
ギリギリ大丈夫だった。手をかざすだけで野菜が切れ、あっという間に火が通り、味付けも楽々。
「ソフィア様、さすがでございます」
あはは、心の中では「そんなの出来るんだったら早くやれよ」とか思ってるんじゃないですか? なんてね。
なんだかんだで宴は始まった。なぜかジェイドが傍を離れない。
おかげで、私が悪魔を飼っていると大騒ぎになった。でも、まあ、戦わなければ好青年。みんな楽しそうに話していたからよかった。ついでに、私にも声をかけてくるけどね。
さて、そろそろきちんと喋ろうか。みんなが完全に酔う前に。朝からお酒飲みやがって。
「皆様。私がソフィア=レルフです。これから、よろしくお願いします」
大きな拍手が。大体、『レルフ』ってだけで優遇されるんだから、これも納得できるか。
「これから、みんなで助け合っていく街を作ろうと思っていますので、ご協力お願いします」
みんなは、もともと貧しかった人だ。いきなり『レルフ』の配下になったら、そりゃ喜ぶよね。
「こちらの料理も、私たちからのものです。どうぞ召し上がってください」
と思ったら、もうみんな結構食べてるね? 早いよ。
さっきから、ジェイドがすごく嬉しそうなのはなんででしょう?
さて。そんなことしている場合ではなくなりました。みんながどっと押し寄せてきたので。
「ソフィア様! 俺を門の見張りに!」
「いいえ! この私が!」
といった具合で。
うーん、門番の何がいいんだろう? よくわからない。
「えっと、今のところ、ジェイドが……」
「いいえ! 僕が代わりにやります!」
「誰よりもこの私が!」
これは困ったことになったぞ? ジェイドを見ると、ニヤニヤと笑っていた。まさか……。
「みんな、ジェイドに何か言われたの……?」
「はい。門番が一番ソフィア様に頼られると」
そうきたかぁ!
あんにゃろう! あとでお仕置きが必要のようです。
っていうか、どうやって収拾つけようか。ああ、もう。何がしたいんだよ?! あのドS悪魔め!
「ソフィア。門の魔法道具が完成したぞ」
「! マリア! もう門番はいらないわね」
私は人の波をかき分けてマリアに近づいた。
(で、どうするのよ? 魔法道具なんてたのんでないけど? そんなものないでしょ?)
(今作った。褒めろ)
わお。さすがマリア。私を救出するために魔法道具を作ってくれるなんて。
「これだ。このカードもかざさなければ、門は通過できない」
「って、それ短時間じゃないでしょ、絶対嘘」
「うるさい。後で」
仕方なく私は引き下がった。ジェイドが笑いながら部屋を出ていくのを殺気のこもった目で見つめてやった。
「これは、ジェイドに頼まれて作っていたものだ」
なんとか人が離れると、マリアは私に言った。
「これは身分証明書にもなるからな」
そのカードには、たくさんの情報が書き込めるようになっている。大きさや硬さは、車の免許証みたい。
「ありがとう。カードの発行はどれくらいかかる?」
「もう始めているから、今日中には」
その人の魔力を少し入れれば動くようになっているので、カードの製造だけで、すぐ終わるとのこと。
「ソフィアも」
「あ、ありがとう」
私は少し魔力を入れてやった。すると、名前、生年月日、能力等がずらずらと現れた。すごい。
「これはねぇ、マリアの魔眼の能力を移したものなんだ」
後ろからひょっこり現れたリリアーナが言った。
たしか、マリアの魔眼はたくさんのものが合わさったような感じで、透視、人の能力を見る、数秒未来を見る、考えを読む、などがあったはずだ。人の能力を見る、か。
「これはいいね。この他に、今日やった仕事がわかるようにとかできる?」
「それはもう付けたよー」
早い。これなら、みんな頑張るだろう。楽しみだな。
「じゃあ、これの製造は、そうだ、ジェイドにやらせよう。今呼ぶから。おおい!」
「すみません。あんなに騒ぎになるとは」
とか言いつつ笑っているジェイドの頭を一回殴ってから、命令。
「はい、これ作る係ね。絶対今日中に終わらせなさい」
出来るだけ笑顔を浮かべてそう言うと、ジェイドは顔を引き攣らせる。
「っ! わ、わかりました……」
ジェイド? 主人に歯向かっていいと思っているのかい?
トマトベースで、グリンピースやら、キャベツやら、じゃがいもやら、肉を小さく切ったものやらを入れて作ったスープ。
なんの肉だかわからないもの(ジェイドが先に解体してしまったので)に塩胡椒を振って焼いたもの。
キャベツとニンジン、トマトと玉ねぎのサラダ。
父からもらった資金の中で買った小麦で作ったパン。
デザートには柑橘系の果物を使ったタルトなど。
そりゃあもう、大量の料理を作っていた。バイキング形式にするのがいいだろう。
今のところ、人口は八百人くらいだろうか。そんな人数分作るのが、あの二十人に、私とルアンナ、ナタリアなのだ。無謀すぎる。
だって、クララもアラーナも、しかもマリンも料理できないし、お嬢様方はもってのほか。かといって、住人の皆さんに手伝ってもらうわけにもいかないのだ。
もう面倒になってきたので、みんなに避けていてもらい、生活魔法の料理を使う。
でも、これって疲れるから、本当は使いたくなかった。魔力切れで動けなくなるとか、洒落になんない。主役なのにさ。
「仕方ないか。よし、じゃ、いくよ!」
ギリギリ大丈夫だった。手をかざすだけで野菜が切れ、あっという間に火が通り、味付けも楽々。
「ソフィア様、さすがでございます」
あはは、心の中では「そんなの出来るんだったら早くやれよ」とか思ってるんじゃないですか? なんてね。
なんだかんだで宴は始まった。なぜかジェイドが傍を離れない。
おかげで、私が悪魔を飼っていると大騒ぎになった。でも、まあ、戦わなければ好青年。みんな楽しそうに話していたからよかった。ついでに、私にも声をかけてくるけどね。
さて、そろそろきちんと喋ろうか。みんなが完全に酔う前に。朝からお酒飲みやがって。
「皆様。私がソフィア=レルフです。これから、よろしくお願いします」
大きな拍手が。大体、『レルフ』ってだけで優遇されるんだから、これも納得できるか。
「これから、みんなで助け合っていく街を作ろうと思っていますので、ご協力お願いします」
みんなは、もともと貧しかった人だ。いきなり『レルフ』の配下になったら、そりゃ喜ぶよね。
「こちらの料理も、私たちからのものです。どうぞ召し上がってください」
と思ったら、もうみんな結構食べてるね? 早いよ。
さっきから、ジェイドがすごく嬉しそうなのはなんででしょう?
さて。そんなことしている場合ではなくなりました。みんながどっと押し寄せてきたので。
「ソフィア様! 俺を門の見張りに!」
「いいえ! この私が!」
といった具合で。
うーん、門番の何がいいんだろう? よくわからない。
「えっと、今のところ、ジェイドが……」
「いいえ! 僕が代わりにやります!」
「誰よりもこの私が!」
これは困ったことになったぞ? ジェイドを見ると、ニヤニヤと笑っていた。まさか……。
「みんな、ジェイドに何か言われたの……?」
「はい。門番が一番ソフィア様に頼られると」
そうきたかぁ!
あんにゃろう! あとでお仕置きが必要のようです。
っていうか、どうやって収拾つけようか。ああ、もう。何がしたいんだよ?! あのドS悪魔め!
「ソフィア。門の魔法道具が完成したぞ」
「! マリア! もう門番はいらないわね」
私は人の波をかき分けてマリアに近づいた。
(で、どうするのよ? 魔法道具なんてたのんでないけど? そんなものないでしょ?)
(今作った。褒めろ)
わお。さすがマリア。私を救出するために魔法道具を作ってくれるなんて。
「これだ。このカードもかざさなければ、門は通過できない」
「って、それ短時間じゃないでしょ、絶対嘘」
「うるさい。後で」
仕方なく私は引き下がった。ジェイドが笑いながら部屋を出ていくのを殺気のこもった目で見つめてやった。
「これは、ジェイドに頼まれて作っていたものだ」
なんとか人が離れると、マリアは私に言った。
「これは身分証明書にもなるからな」
そのカードには、たくさんの情報が書き込めるようになっている。大きさや硬さは、車の免許証みたい。
「ありがとう。カードの発行はどれくらいかかる?」
「もう始めているから、今日中には」
その人の魔力を少し入れれば動くようになっているので、カードの製造だけで、すぐ終わるとのこと。
「ソフィアも」
「あ、ありがとう」
私は少し魔力を入れてやった。すると、名前、生年月日、能力等がずらずらと現れた。すごい。
「これはねぇ、マリアの魔眼の能力を移したものなんだ」
後ろからひょっこり現れたリリアーナが言った。
たしか、マリアの魔眼はたくさんのものが合わさったような感じで、透視、人の能力を見る、数秒未来を見る、考えを読む、などがあったはずだ。人の能力を見る、か。
「これはいいね。この他に、今日やった仕事がわかるようにとかできる?」
「それはもう付けたよー」
早い。これなら、みんな頑張るだろう。楽しみだな。
「じゃあ、これの製造は、そうだ、ジェイドにやらせよう。今呼ぶから。おおい!」
「すみません。あんなに騒ぎになるとは」
とか言いつつ笑っているジェイドの頭を一回殴ってから、命令。
「はい、これ作る係ね。絶対今日中に終わらせなさい」
出来るだけ笑顔を浮かべてそう言うと、ジェイドは顔を引き攣らせる。
「っ! わ、わかりました……」
ジェイド? 主人に歯向かっていいと思っているのかい?
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