金髪、青目の美人エルフに転生!

鏡田りりか

第六話  学校 初登校編

「行ってきます、ハナ」
「ええ。お嬢様、お気を付けて」


 そんな感じで挨拶を終えた私は、母の魔法で学校に着いた。
 相変わらず、大きくて立派だ。
 真っ白の壁に、黒い屋根。なんだか教会っぽい建物だ。


「では、お母様、行ってきます」
「いってらっしゃい」
 私は、建物の中に入った。今日はまず、入学式だ。体育館に向かう。


「新入生! こっちに集まって。ここに番号順に並んで!」
 そう言っているので、私は配られた番号を見た。苗字のアルファベット順。Rから始まるから、後ろのほうだ。


「前へ、ならえ!」
 うぅ、こんなのひさしぶりだ。なんでこんなことしないといけないの……。
「はい、入って!」
 あ、ようやく始まるようだ。










 入学式が終わると、クラス紹介的なものになる。
 それにしても、生徒会長は格好よかった。初等科、中等科、高等科、大学のついた学校だから、こっから先もここにお世話になる。
 生徒会長も大学の先輩ということになるけど、ちょっといいかも。


「ソフィアさん。あなたは飛び級で五年まで上がるそうですね?」
 五年生となると、十一歳か。三十で成人だから……。人間で六歳くらい、小学一年生か。随分英才教育じゃないか? 私の学力の分を六歳で?


 そんなことより、怖い先輩はいないだろうか。こちらでは飛び級は普通らしいし、大丈夫なことを願う。


 教室の扉を先生が開けた。それと同時に、教室内がしんと静まり返る。
「はい、皆さん注目。今日からみんなと勉強することになった子だよ」
 みんなの視線が私に集まった。と、とにかく挨拶!


「あ、今日からみなさんと一緒に勉強させていただくソフィア=レルフです。六歳です。よろしくお願いします」
 いつもと同じように一礼。ここまでやって嫌われたら、泣く。


「レルフ家の?」
「嘘でしょ?」
 そんな声が聞こえるけど、無視しよう。


「ソフィアさんはあそこの席ね」
 そこは、一番後ろの席。とは言っても、人数は少ない。いくつもクラスがあるから人自体は多いんだけど、ひとつのクラスではそんない多くないし、寧ろ少ない。このクラスも十人くらいだ。


「はじめまして。エベリナです。エベリナ=ララ。私も飛び級で、八歳なの」
「あ、その、お願い、します」


 白髪はくはつに青目という容姿の可愛い少女だった。
 こっちに来てから、白髪は初めて見た気がする……。


 今日は、自己紹介で一日終わるらしい。
 ということで、私の周りに一気にみんなが集まった。


「ソフィアちゃんは、魔法何ができるの?」
「ええと、生活魔法少々と、回復、火、水、草、雷、土、空の初級です」
「スゲー!! 召喚以外の攻撃魔法は全部かよ!」


 早速そんな話になった。みんな仲間が増えて楽しそうな感じだった。私もこうやって話しかけてくれるのは嬉しい。


 そういえば、みんなの名前はなんだろう? そう思った時だった。
「俺、フェリオス。バルト=フェリオス」
 ミルクティーのような髪の色をしたグレーの目の男の子が言った。フェリオス君ね。


「あっ、ずるい! 俺はヴェリ=アレン」
「僕はレオン=ミュラー」
「僕、サウル=ラネン」


 えっと? ゴールドの髪に緑の目の子がヴェリ君。ベージュの髪に緑の目の子がレオン君。紫っぽいアッシュの髪に茶色の目の子がサウル君。


「僕は、ニコライ=エレシナ」
「私は、ナタリア=エレシナ」
 双子だという彼らは……。ニコライ君はアッシュベージュの髪にちょっと桃色っぽい茶色の目の男の子。ナタリアちゃんはピンクアッシュの髪に、綺麗な桃色の目。


「私はクララ=バレーロ!」
「あたしはルアンナ=ヴィナー」
 クララちゃんはピンクベージュの髪に緑の目。ルアンナちゃんはホワイトアッシュの髪に青目。


「私、アラーナ=レイ」
 アラーナちゃんは、ベージュの髪に狼みたいなアンバーの目。


 って、ちょっと待って、情報量が多すぎる。紙にまとめたい。
 そう言うと、みんなで紙を回して書いてくれた。


男の子
 フェリオス=バルト ミルクティー色の髪にグレーの目
 レオン=ミュラー ベージュの髪に緑の目
 ヴェリ=アレン ゴールドの髪に緑の目
 サウル=ラネン ラベンダーアッシュの髪に茶色の目
 ニコライ=エレシナ アッシュベージュの髪に茶色の目
女の子
 クララ=バーレロ ピンクベージュの髪に緑の目
 ルアンナ=ヴィナー ホワイトアッシュの髪に青の目
 アラーナ=レイ ベージュの髪にアンバーの目
 ナタリア=エレシナ ピンクアッシュの髪に桃色の目
 エベリナ=ララ 白い髪に青い目


 親切に、髪の色と目の色まで書いてくれた。日本では無理だけど、こっちでは髪と目の色だけで人が判断できたりする。


「わかった?」
「ええ、だいたい。ありがとうございます」
 すると、いきなりヴェリ君が言った。


「なあ、敬語なしでいこうぜ! もう友達だろ?」
「え、あ……。家で、人には敬語を使うようにと……」
「えぇー? いいじゃん。お堅い感じは向きで、ね?」


 私はまだ戸惑っていた。だって、母の前でも敬語抜いちゃいそうじゃん。
 う、でも、これはちょっと、押し切られちゃいそ……、あ、駄目だ。
「わかったよ……。よろしくね」
 もう仕方がない。これでいい。友達、だもんね。

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