幼女と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について
121話目 報告
「えっ! ちょっ! これほんとにキラーウルフの素材……! あなた! どこでこれを手に入れたんですか!」
えっちらおっちら帝都まで歩いて帰り、依頼達成の報告と顛末、そしてライザの指導の下解体して得たキラーウルフの血液やら何やらをギルドに提示したところ、そりゃあもう大層受付の人に驚かれてしまった。
対応してくれたのは数日前に俺たちに対応した受付嬢なのだが、最初の内はまだ良かったんだ。村長から預かった報告書を渡すと彼女はそれを眺めた後、『依頼達成おめでとうございます。これからもこの調子でお願いしますね』という定型文を営業スマイルと共に寄越してくるくらいには普通だったんだ。
だがライザが『じゃあ後は勝手にやっててくれ』と言ってどこかへと行ってしまった辺りから雲行きが怪しくなった。軽く状況の説明をするだけだからと油断していた俺たちも、報告書以外で何か報告することがあるとは思っていなかった受付嬢も、その時ライザを引き留めるべきだったのだ。
報酬を受け取ったり書類に名前を書いたりなどの諸手続きを終え、それとほぼ同時に『これで依頼に関する手続きは全て終了いたしました。本日は疲れなどが残っていますでしょうから、ゆっくりと休養を取ることをお勧めいたしますよ』と、つまりは『帰れ、もう二度と来るな』というお言葉を頂戴しつつも俺はまだ報告が残っていることを告げた。その瞬間彼女の無敵の営業スマイルに皹が入ったが俺は悪くない。決してもう少し早く言えば良かったとか思ってはいない。
彼女は視線を巡らせて周囲に助けを求めたが、先日の騒ぎがまだ記憶に新しいためか皆サッと顔を背けてそれを拒んだ。
「それでは、こちらの部屋でお願いします」
報告を余人に聞かれることで先日の二の舞になることを避けるためか、彼女はギロリと周囲を睨んだ後にもの言いたげな視線をこちらに向けつつも個室へと案内してくれた。そして俺たちは報告を始めたわけだが、すぐさま彼女からストップがかけられる。
「ちょっと待ってください。ゴブリンの巣があったんですか? それも数百匹が住んでる大型の物が村の近くの森に? 本当ですか?」
「半分くらいは魔法で燃やしちゃったけど、多分千匹近くは……」
「あとの半分は私が剣で切り飛ばしたぞ!」
村にゴブリンが出たというありきたりな依頼を受けたと思えば、その村の近くに千匹近くのゴブリンが潜んでいて、あまつさえそれを得体の知れない新人冒険者が始末したというあまりに胡散臭い報告に彼女は大いに顔を歪め、ドヤ顔のリーディアによる補足になってない補足でもそれが緩和されることは無かった。
そして俺たちはライザに確認を取れば本当だと分かると主張し、受付嬢もまたライザに確認を取るべきだと考えた時になってようやくライザを帰すべきではなかったのだと、面倒を避けるために彼女はさっさと帰ったのだと遅まきながら気づいたのである。しかしもはや後の祭り。結局ゴブリンの巣の報告だけでなく、どのような経緯でそれを発見したのかも根掘り葉掘り聞かれ、村に着いたその日の内に討伐しに森に入ったと言った時には、真顔で『馬鹿じゃないの』と漏らすなど素の反応を頂くことになってしまった。
えっちらおっちら帝都まで歩いて帰り、依頼達成の報告と顛末、そしてライザの指導の下解体して得たキラーウルフの血液やら何やらをギルドに提示したところ、そりゃあもう大層受付の人に驚かれてしまった。
対応してくれたのは数日前に俺たちに対応した受付嬢なのだが、最初の内はまだ良かったんだ。村長から預かった報告書を渡すと彼女はそれを眺めた後、『依頼達成おめでとうございます。これからもこの調子でお願いしますね』という定型文を営業スマイルと共に寄越してくるくらいには普通だったんだ。
だがライザが『じゃあ後は勝手にやっててくれ』と言ってどこかへと行ってしまった辺りから雲行きが怪しくなった。軽く状況の説明をするだけだからと油断していた俺たちも、報告書以外で何か報告することがあるとは思っていなかった受付嬢も、その時ライザを引き留めるべきだったのだ。
報酬を受け取ったり書類に名前を書いたりなどの諸手続きを終え、それとほぼ同時に『これで依頼に関する手続きは全て終了いたしました。本日は疲れなどが残っていますでしょうから、ゆっくりと休養を取ることをお勧めいたしますよ』と、つまりは『帰れ、もう二度と来るな』というお言葉を頂戴しつつも俺はまだ報告が残っていることを告げた。その瞬間彼女の無敵の営業スマイルに皹が入ったが俺は悪くない。決してもう少し早く言えば良かったとか思ってはいない。
彼女は視線を巡らせて周囲に助けを求めたが、先日の騒ぎがまだ記憶に新しいためか皆サッと顔を背けてそれを拒んだ。
「それでは、こちらの部屋でお願いします」
報告を余人に聞かれることで先日の二の舞になることを避けるためか、彼女はギロリと周囲を睨んだ後にもの言いたげな視線をこちらに向けつつも個室へと案内してくれた。そして俺たちは報告を始めたわけだが、すぐさま彼女からストップがかけられる。
「ちょっと待ってください。ゴブリンの巣があったんですか? それも数百匹が住んでる大型の物が村の近くの森に? 本当ですか?」
「半分くらいは魔法で燃やしちゃったけど、多分千匹近くは……」
「あとの半分は私が剣で切り飛ばしたぞ!」
村にゴブリンが出たというありきたりな依頼を受けたと思えば、その村の近くに千匹近くのゴブリンが潜んでいて、あまつさえそれを得体の知れない新人冒険者が始末したというあまりに胡散臭い報告に彼女は大いに顔を歪め、ドヤ顔のリーディアによる補足になってない補足でもそれが緩和されることは無かった。
そして俺たちはライザに確認を取れば本当だと分かると主張し、受付嬢もまたライザに確認を取るべきだと考えた時になってようやくライザを帰すべきではなかったのだと、面倒を避けるために彼女はさっさと帰ったのだと遅まきながら気づいたのである。しかしもはや後の祭り。結局ゴブリンの巣の報告だけでなく、どのような経緯でそれを発見したのかも根掘り葉掘り聞かれ、村に着いたその日の内に討伐しに森に入ったと言った時には、真顔で『馬鹿じゃないの』と漏らすなど素の反応を頂くことになってしまった。
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