幼女と遊ぼうとしたら異世界に飛ばされた件について
95話目 観光名所?
リーディアに連れられて目的地へと向かっているのだが、その道中でリーディアは幾度となく首をかしげていた。もしや道を間違えたのかと思い彼女に尋ねてみるが『いや、道は合っているんだ』としか返ってこなかった。
それからしばらく歩いて行ったのだが、どうにも街の中心から離れていっているように思える。人気はどんどんと減っていく上に店の数も少なくなっている。先程までは歩くのに気を付けなければぶつかってしまいそうになる程度には人が歩いていたのに、この辺りにはほとんど人が居ない。寂れた商店街くらいの人通りと言えば伝わるだろうか。
「なあ、本当に道はこっちで合ってるのか?」
「ああ、もちろんだ!」
不安になった俺は再度リーディアに尋ねるが相変わらずである。彼女は割と顔に出やすいので嘘や誤魔化しを言っているのではないだろう。しかし帝都の観光名所とかを案内されるものだとばかり考えていた俺はどうしたものかと唸ってしまう。
シャルはどう思っているのか気になり彼女の方を向いてみるが、彼女は何故自分が見られているのか分からないようで不思議そうにきょとんとしている。そんな彼女を見て変に悩んでいる自分が馬鹿馬鹿しく思え……、まあリーディアが俺達を変な場所に連れて行くことは無いだろうとそれ以上考えるのは止めることにした。
考えるのは止めた、確かに止めた、でも何故俺は今森の中を歩ているのか疑問に思うくらいは良いのではないだろうか。あれから更に街の中心から離れ、ついには街から完全に出てしまった。その際に街に入った時と同じような門があると思っていたのだが、壁の一部に壊れた場所があったためノーチェックで街から出ることが出来た。
「なあ、この穴塞いでおかないと不味くないか?」
「街のこちら側に魔物が出ることは殆どないし、人一人が通るのが精々な穴であれば大丈夫だろう。それに、普段は分からないように隠しているから知っているのは私くらいなものだ。問題は無いだろう」
この穴から侵入してくるのは虫くらいなものだろう、と得意げに話しているがもしやと思い『この穴を開けたのはもしかしてリーディアか』と尋ねたら『ち、違う』と言って顔をサッと逸らした。わかり易すぎるぞ、おい。
まあ今は周辺国は制圧したらしいし、獣人は『力こそ正義、力こそパワー』という考え方をしているので、こんな狭い穴から潜入してちまちまと工作するようなことはしないだろうから、今まではさておきこれからは特に問題は無いかもしれない。
とりあえず今回はその辺りは置いておき、今気になるのは何処へ向かっているのかという一点のみ。歩けども歩けども目に入るのは木々ばかりでこんな場所に何かあるとは思えない。そろそろ俺の我慢も限界に達しようとしたその時、『着いたぞ!』とリーディアが声を上げた。
「ほう」
「わあ」
何処をどう歩いたのか、辿り着いたのは街全体が一望できるちょっとした崖であった。その一画だけ木が生えていないため見通しも良く、座って景色を眺めることも出来る。こうして街を見てみると分かるが、街の中に高い建築物は存在しないため街を眺めたければここに来るしかない。王国であれば街を囲う壁の上にでも立てば街全体を見れるだろうが、帝都を囲う壁でそれは出来ないだろう。
目を凝らせば街の中で動き回っている人達の姿を見ることもできるため、なんとなく街作りのゲームでもやっているような変な気分になってしまう。こういった景色は空を飛んだり高い足場でも作れば見ることは出来るが、こういう自然に出来た隠れ家のような場所から見るのはちょっと興奮するようだ。
しばし俺とシャルは無言で街を眺めていたが、ただ見ているだけでは流石に飽きてしまう。それはリーディアも分かっていたのかタイミングを見計らって彼女は『あの辺りは云々、この辺りは云々、しばらくすると云々』と色々解説をし始めた。
そしてそんな解説も大体終わり、それじゃあ次の場所に行こうかと立ち上がったのだが、何故リーディアはこんな場所を知っているのだろうかとふと疑問を覚えた俺はその疑問をそのまま彼女に伝えた。
それからしばらく歩いて行ったのだが、どうにも街の中心から離れていっているように思える。人気はどんどんと減っていく上に店の数も少なくなっている。先程までは歩くのに気を付けなければぶつかってしまいそうになる程度には人が歩いていたのに、この辺りにはほとんど人が居ない。寂れた商店街くらいの人通りと言えば伝わるだろうか。
「なあ、本当に道はこっちで合ってるのか?」
「ああ、もちろんだ!」
不安になった俺は再度リーディアに尋ねるが相変わらずである。彼女は割と顔に出やすいので嘘や誤魔化しを言っているのではないだろう。しかし帝都の観光名所とかを案内されるものだとばかり考えていた俺はどうしたものかと唸ってしまう。
シャルはどう思っているのか気になり彼女の方を向いてみるが、彼女は何故自分が見られているのか分からないようで不思議そうにきょとんとしている。そんな彼女を見て変に悩んでいる自分が馬鹿馬鹿しく思え……、まあリーディアが俺達を変な場所に連れて行くことは無いだろうとそれ以上考えるのは止めることにした。
考えるのは止めた、確かに止めた、でも何故俺は今森の中を歩ているのか疑問に思うくらいは良いのではないだろうか。あれから更に街の中心から離れ、ついには街から完全に出てしまった。その際に街に入った時と同じような門があると思っていたのだが、壁の一部に壊れた場所があったためノーチェックで街から出ることが出来た。
「なあ、この穴塞いでおかないと不味くないか?」
「街のこちら側に魔物が出ることは殆どないし、人一人が通るのが精々な穴であれば大丈夫だろう。それに、普段は分からないように隠しているから知っているのは私くらいなものだ。問題は無いだろう」
この穴から侵入してくるのは虫くらいなものだろう、と得意げに話しているがもしやと思い『この穴を開けたのはもしかしてリーディアか』と尋ねたら『ち、違う』と言って顔をサッと逸らした。わかり易すぎるぞ、おい。
まあ今は周辺国は制圧したらしいし、獣人は『力こそ正義、力こそパワー』という考え方をしているので、こんな狭い穴から潜入してちまちまと工作するようなことはしないだろうから、今まではさておきこれからは特に問題は無いかもしれない。
とりあえず今回はその辺りは置いておき、今気になるのは何処へ向かっているのかという一点のみ。歩けども歩けども目に入るのは木々ばかりでこんな場所に何かあるとは思えない。そろそろ俺の我慢も限界に達しようとしたその時、『着いたぞ!』とリーディアが声を上げた。
「ほう」
「わあ」
何処をどう歩いたのか、辿り着いたのは街全体が一望できるちょっとした崖であった。その一画だけ木が生えていないため見通しも良く、座って景色を眺めることも出来る。こうして街を見てみると分かるが、街の中に高い建築物は存在しないため街を眺めたければここに来るしかない。王国であれば街を囲う壁の上にでも立てば街全体を見れるだろうが、帝都を囲う壁でそれは出来ないだろう。
目を凝らせば街の中で動き回っている人達の姿を見ることもできるため、なんとなく街作りのゲームでもやっているような変な気分になってしまう。こういった景色は空を飛んだり高い足場でも作れば見ることは出来るが、こういう自然に出来た隠れ家のような場所から見るのはちょっと興奮するようだ。
しばし俺とシャルは無言で街を眺めていたが、ただ見ているだけでは流石に飽きてしまう。それはリーディアも分かっていたのかタイミングを見計らって彼女は『あの辺りは云々、この辺りは云々、しばらくすると云々』と色々解説をし始めた。
そしてそんな解説も大体終わり、それじゃあ次の場所に行こうかと立ち上がったのだが、何故リーディアはこんな場所を知っているのだろうかとふと疑問を覚えた俺はその疑問をそのまま彼女に伝えた。
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